見出し画像

今日は、お金について、考える②

私の家は、割とお金の話をする家庭だったのかもしれないと、今になってみて思う。そもそも、お金の話を、社会人になるまで家庭以外でした記憶がないからだ。

先ず、私の祖母は(我が家は二世帯住宅で、一階に祖父母が住んでいた)、ものすごく金勘定の好きな女性で、祖父や自分の家庭の資金の一切を預かっていた。祖母を訪ねて一階に遊びに行くと、祖母は多くの場合、現金を広げて、色んな封筒に現金を小分けにしていて、銀行の通帳やら証券口座の通知やらと睨めっこして、お金を数えていた。この風景が日常茶飯事だった。

私はそんな風景を見ていて、祖母が大層真剣に金勘定をしているので、いっつも「ねえ、何やってるの?」と聞いていた。すると、祖母は人生にとってのとても大事なことを教えてくれた。

お金に働いてもらってるのよ。あのね、お金ってとても大事でしょう?あなたが暮らしてゆくにもお金はとっても必要でしょう?お金っていうのはね、人生の幅を広げてくれるの。正しい使い方をすれば、お金はあって困るものじゃない。お金があればあるだけ、選択肢が増えると、私は思っているのよ。

でね。そのお金を稼ぐ方法はたった3つしかないの。

一つは、身体を動かすこと。
もう一つは、頭を使うこと。
最後の一つは、お金に働いてもらうこと。

私は、こうやって、頭を使って、お金に働いてもらってるのね。と、祖母は言った。あなたは、どうやってお金を稼ぐ?

私は、身体を動かすことは無理だと思った。そもそも、小さい頃から割と病弱で、直ぐにへこたれる子だった。ずっと立ってるのは、無理だしな…そう思った。

なので、私は祖母に、私は頭を使うことにする、と言った。それが、一番自分に向いていると思ったし、お金に働いてもらうには、まだ私はお金をあまり持っていないと思ったからだ。

これが、私がお金を稼ぐ方法について考えた原体験。そこから、どうやって頭を使ってお金を稼ぐのかについて、考えることが始まった。

もう一つの原体験は、ウチの父親だ。我が家の家計は全て、父親が握っていた。父は、とっても金勘定の上手な人だったし、数字に強かった。そして、ウチの母は、まるっきしお金にルーズな人だった。ウチの母は、お嬢ちゃんママなので、お金は湯水のように湧いてくると思っている様子だった。なので、ウチの母は、毎月一定のお金を渡され、その中で家計を賄うように言われていた。そして、しょっちゅう足りない足りないと言って、父にお小遣いを所望していた。そんなとき、父は母に言った。ウチはサラリーマンなので、商売をやっている君の実家のように、日銭を稼げるわけではありません。毎月一定の金額がお給料として振り込まれるだけです。なので、枠が決まっています。その枠をはみ出せば、赤字です、と。

そんなわけだから、私は何か日常と違うことにお金を使うときは、父親にお金の融通を頼まなければいけなかった。我が家では、金は無尽蔵には出て来なかったのである。当然のことだ。

そして、父親にお金を融通してもらうとき、私は彼に対してプレゼンをしなくてはいけなかった。お金を出さないわけではない。そのお金が君にとってどういう意味があって、それを私が払うことにどのようなメリットがあって、そこからどのような効果が得られるのか、説明しなさい、と言われた。例えそれが、塾代であっても、友達との旅行代であっても、大きいお金を融通してもらう時には、そういった説明をしなくてはいけなかった。

なので、私は、そこから我が家の家計の構図を考えざるを得なくなった。父の稼ぎが大体どれくらいで、どれくらいまでなら、ある程度お金を出してもらえるのか。そして、それが自分にとってどのような価値につながり、彼が気持ちよくお金を払ってくれるにはどのような説明をすると響くのか、そういったことを考えなければならなかった。父は言うなれば、私に投資をする立場だったと言える。

祖母と父の教え。これは、お金の根本原理だと思うし、それを経験を通して学ばせてくれた彼らには感謝している。

先ず祖母は、お金の稼ぎ方を教えてくれた。どうやって自分がお金を稼いでゆくのか、その方法を考えるように促してくれた。そして、父はお金の使い方を教えてくれた。お金はどのように使うかに意味がある。無駄金にするのか、価値のあるものにするかは、使い方にある。何にお金をかけるのか、その意味を考えるようにと、言われていたのだと思う。あと、お金は枠の中で使わなければならないということ。それのバランスが崩れてしまうと、赤字になってしまう。

さて、人生80年、100年時代を考えたときに、これからお金をどうやって稼ぐのか、今あるお金をどうやって使ってゆくのかが、至極大切なのは言うまでもない。

そのお話は、長くなるので、また今度。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?