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「人に迷惑をかけるな」について考えてみた


日本では、よく子供に

「人に迷惑をかけてはいけない」

と注意することがあります。

けれども、注意の仕方、タイミング、頻度によっては、困った時に人に頼れず、なんでも一人で抱え込む大人になってしまう可能性があります。

なぜなら人に頼るということは「人に迷惑をかける」ことだから。

また事故や病気で動けなくなり、人にお世話をしてもらうしかなくなったら、「人に迷惑をかけている」自分はダメだと自己否定してしまうようになるかもしれません。

例えば病院で子供が騒ぎ始めた。

そんなとき、子供にどんな声をかければいいでしょうか?

「周りの人に迷惑だから静かにしなさい」

でしょうか?

子供は、滅多に来ない病院という珍しい場所にお父さんあるいはお母さんに連れてきてもらって、ただ嬉しかっただけなのかもしれません。

「病院に来ている人に迷惑だから静かにしなさい」

と言われてしまうと

「自分は嬉しい気持ちを表現すると人に迷惑をかけしてしまうダメな子なんだ」

と感じるかもしれません。

では、こんな風に声をかけてみたらどうでしょう?

「〇〇ちゃんは病院に来れて嬉しいんだね。周りにはね、どこか痛かったりする人がいるから、〇〇ちゃんが座って静かに本を読んだり、小さな声でお話ししたりすると、きっと嬉しいと思うよ」

そうすると子どもは、気をつけないと人に迷惑をかけてしまうダメな子ではなく、気をつけたら人を喜ばせることができる良い子なんだと感じるでしょう。

ほんの少しの差のように見えますが、このようなことが繰り返されるとセルフイメージに大きな差が出てきます。

自分は「デフォルトで悪い子、気をつけないともっと悪い子になる」と感じるか、自分は「デフォルトで良い子、気をつけたらもっと良い子になれる」と感じるかの違いです。

今度「人に迷惑をかけるな」と言いたくなったら、ぜひ他の言い方はないか、考えてみてくださいね。

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