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陶器ブランド【無為】をつくった訳。


20年前から「福祉事業」を運営しています。
高齢者や障がい者の支援をして、国から報酬をいただくという業態です。
社会保障費が増大する日本の中で、福祉分野に配分される財源は限られている上、高齢者も障がい者も増えているという現実。
国からの報酬だけに頼るビジネスモデルには不安があります。
実際に国からの基本報酬は減少傾向。
ビジネスとして、またスタッフ50名を雇用する立場として、会社の売り上げを確保する観点からビジネスの幅を広げる必要があると考えています。

2020年から、チョコレートの製造販売に取り組んでいます。
こちらは、「久遠チョコレート」という働きづらさを抱えた方達とこだわりのチョコレートを作るブランドのフランチャイジーとして営業しています。
福祉の要素があり、社会課題にアプローチしつつ、一流のチョコレートのブランドとして小売業の顔ももっています。私が惚れ込んで参画した事業です。

【久遠チョコレート直方店】

社会的に意義のあるチョコレートショップを運営する中で、弊社「株式会社悠友」の中に一つの問題が生まれました。
それは、久遠チョコレートで働けない人達の就労です。
彼らは、主に身体に障がいがあり、車椅子を使用することから、座ったままでの仕事しかできません。内職的な仕事を受けており、麻痺の無い方の手でしか作業を進められないことが原因で、工賃が低くなります。

障がい者の工賃の不均衡について問題意識をもち、色々と考えていました。
身体に障がいがある方のやりがいや生き甲斐を叶えつつ、工賃が上がる仕事。
片手しか動かない方達ができる仕事。

【Syunbun 上野焼の鉢】

 
わたし自身が、陶器と植物が好きなことから、植物を植えるための陶器の鉢を制作することを思い立ちました。
そこで2023年11月に身体に障がいがある方が描いたデザインを一流の陶芸家が作陶する陶器ブランド【無為】を立ち上げました。
利き手ではない手で鉛筆をもちデザインを描いたり、鉛筆が持てない方は口頭でスタッフに伝える形で画を仕上げたり。
それをわたしが陶芸家に翻訳する方法で制作しております。


【Tulara 上野焼の鉢】


 このブランドを知っていただく為に、クラウドファンディングに挑戦し、目標を310%達成し、支援者が51人となりました。

また、クラウドファンディングのリターンとして希望者にNFTを配布するという先進的な試みを行いました。

その後、販売は自社サイトでのネット販売のみでしたが、現在は3ヶ所で手に取っていただける事になりました。

大分県日田市の小鹿田焼のギャラリー「鹿鳴庵」、
10月16日から1ヶ月のPOPUPで福岡県久留米市のMYM SQUAREにて、
そして10月18日から神奈川県鎌倉市のハルバル商店です。
どこも素敵なお店です。


「誰が」「どのように」「どんな想いで」創られた陶器なのか、共感していただき、それを説明してくださる方がおられるお店で販売しております。

現在、無為は陶器の鉢を販売しておりますが、お香立てを制作中です。
また、いずれは食器等のプロダクトの制作も目指しております。

顧客のニーズを掴み、制作する種類を増やし、色々な場所で手に取っていただけるブランドに育てる…これが今の目標です。
 
障がい者をデザイナーに。
福祉×伝統工芸。


『社会福祉士+ビジネスマインド』で伝統×福祉に取り組んでまいります。
今後何か一緒に取り組んでみたいと思った方、また取材等に関するお問い合わせは、私のXかメールアドレス(minori@youyou-group.co.jp)までご連絡いただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。

関わる全てに感謝 川口奈緒子


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