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「盲腸」という病気がめちゃくちゃつらかった話

2020年10月下旬、盲腸(虫垂炎)になりました。

盲腸だと診断された時に、私は内心「よく聞く病気だし、大したものではないだろう」と安堵しました。ですが、実際経験してみると、めちゃくちゃつらかったのです…!私は盲腸をなめていた。。

これは「盲腸ってよく聞くけどつらいんだよ!」ということを伝えたいだけの記事です。笑

医師の発言など、うろ覚えなところもありますので、お許しください。一事例としてみていただければ嬉しいです。

月曜日

私はこの日出社していました。13時ごろ、たまごのサンドイッチを食べました。
16時ごろ、胃のあたりが痛いような…?という感覚が。近くにいたメンバーに「お腹痛い〜コーヒー飲みすぎたかもです。笑」と話しかけたりと、お腹は痛いものの雑談できるくらいには元気でした。

18時半すぎごろ、座って仕事をしているというのに気が遠くなるくらいお腹が痛くなってきました。帰宅するために電車に乗るのも不安なほど痛く、一旦会社のソファで20分ほど休憩。

その後帰宅し、家に着いてすぐ横になりましたが、横になっても温めても何をしても、痛い。痛すぎて眠れない。時間が経つほど腹痛は悪化し、吐き気もあり、体温は37.7度ほどになっていました。

これはもう耐えられない…と感じ、夜中2時ごろ病院を受診。問診、触診、血液検査、CTなど受けて、言われたのが「おそらく盲腸でしょう」。

私は「病名がわかった安心感」「盲腸ってそんな大きな病気じゃないよねという安心感」に包まれました。

しかし、即入院。

日勤の先生が、薬で治療するのか手術するかは決めるから…ということで、その日は点滴で痛み止めを打ってもらい、ようやく楽になりました。

火曜日(入院1日目)

6時ごろ、看護師さんが検温に来てくれて目が覚めました。この時は痛み止めが効いてきてわりと元気でした。

PCR検査が陰性だったため、この日大人数の部屋に移動。すぐに治療に移るのかな?と思っていたら、先生から、

「正直、まだ盲腸なのか卵巣が悪いのか判断がつきません。また、盲腸だとしても、手術にするべきか悩ましいところです。なので、今日様子を見させてもらって、明日の朝再度血液検査をして、その結果を見て決めましょう。」

とのことで、丸一日様子見となりました。
この日は朝から晩までお腹全体が痛い。入院してすぐは、点滴の痛み止めよく効くなあと思っていたのに、より痛みが増しているのか、少し和らぐ程度で痛みがなくなりません。

並行して、体温はどんどんあがります。ずっと38.0度台で、1番高い時では38.9度

夜中あまりの痛みにナースコールしたところ、駆けつけてくれた看護師さんから「強い痛み止めを使ってて、この薬はあと2時間あけないと使えないの。当直の医師を呼ぼうか?」と言われ、「いや…じゃあ、あと2時間耐えます…」と言ったものの、もはやお腹のどこが痛いのか分からないくらい全体が痛い状態。

自分でも楽な体勢が分からず、ベッドの上でだんご虫のような体勢でうずくまるほどでした。

【余談】30分後くらいに心配して様子を見にきてくれた看護師さんが、私がだんご虫状態になっていることに驚き、結局当直の医師を呼んでくれて痛み止めをもらいました。病院での我慢はよくないw

水曜日(入院2日目)

朝一で採血をされました。この日も体温は38度台です。お腹の痛みは、だんだん下腹のあたりに感じるようになってきていました。

血液検査の結果や私の熱が高すぎることなど、諸々の状況を総合的に判断して、手術することになりました。

手術は今日の17時に決まり、13時に手術についての詳しい説明を受けます。

手術は、腹腔鏡手術というものです。全身麻酔になるということで、麻酔科の医師も説明に来てくれました。

【余談】麻酔科の先生(痩せていて眼鏡をかけている50代くらいと思われる男性)は、「すぐに眠らせてあげるから大丈夫…」と飄々と去っていきました。シュールすぎて笑いそうになったけど、お腹が痛いので笑えませんw

その後、急いで手術の準備に入ります。時間がかなりタイトなので急いでやりましょう、と看護師さんに言われ、まず、口腔外科に行きました。そこで歯のレントゲンと歯のクリーニングをしてもらいました。

(急いで準備すると言っていたのに、歯…?私お腹痛くて熱38.6度あるのに、歯…?)と内心疑問でしたが、全身麻酔をするのには口の中が汚れていないことが重要だそうです。

その後、点滴挿し直してもらったり、手術に向けて着替えたり…などしてもらい、時間を迎えて手術室に入ります。

手術台に横になると、先ほど手術の説明の際にいらっしゃった麻酔科医の先生はじめ、スタッフの方々が周りについてくれます。

看護師さんから「この注射打つとちょっと咳き込むからね」と言われて、腕に打たれた後「こんっ」と咳き込んだのを最後に何も覚えておらず、3時間後には手術が終わってました

手術後は、ベッドごと部屋に戻りました。意識はまだ朦朧としています。

徐々に意識が回復する中で、最初に気がついたのが、喉が痛いということでした。カラオケで何時間も歌ったかのような痛みがあります。

私まさか手術中に大声で叫んでたのかな…?と思い、恐る恐る看護師さんに「私、手術中大声出してました?喉が痛いんですが…」と聞いたら、「全身麻酔かけるとそうなるんです、喉に管を通すので」と教えてくれました。

木曜日(入院3日目)

手術翌日、朝起きた時に感じたのは「入院してからの朝の中で1番心地よい」ということです。

熱は平熱になっていて、お腹の痛みも傷口の痛みという感覚です。やり場のない痛みがひき、身体が楽になりました。

術後に起きる可能性のある怖いことの一つとして、エコノミークラス症候群を言われていました。そのため、この日は傷が痛くても歩くことがミッションです。

少し休みシャワーを浴びてから、ゆっくりと歩く練習をしました。

(あんまり遠くに行くと病室への帰り道が分からなくなりそうなので、病室に近くの30メートルくらいの廊下を行ったり来たりしましたw)

身体が楽になったと言っても、やはり動けば痛い。今まで通りになるのか…と不安になります。

ちなみに、月曜日の昼間にサンドイッチを食べてからこの日まで何も食べてません。ずっと食事はNGです。

金曜日(入院4日目)

平熱で痛みも落ち着いています。お通じかおならが出て、腸が動いてることが確認できれば、食事をとり始められるという段階になりました。

この日の私にとって1番重要なのが、お通じかおならを出せるか出せないか。ご飯を食べられるようにならないことには、退院はできません…。

腸を動きを良くするためには歩くことということで、この日も亀並みのスピードでのそのそとウォーキングをします。

(すれ違う看護師さんたちに「大丈夫…?」と聞かれても、「はい、今散歩しているだけなのでお気になさらず…」とウォーキングを続けますw)

しかし、なかなか腸は動いてくれず1日が終了。私は廊下をウォーキングしながら、壁に貼られた献立をみて、今日の献立を食べることを楽しみにしていたのに叶いませんでした。

…が、ついに夜中におならが…!!

土曜日(入院5日目)

主治医が朝一で、お通じの有無を確認に来ます。おならが出たことを伝えると、今日の昼から食事をとれることになりました。月曜日の昼ぶり、待ちに待った食事です。

すべてがすり潰されています。これを1時間くらいゆっくりかけて食べました。この量でも「すごく食べたなあ」という気持ちになります。食べる体力すら落ちていることを感じます。

手術前には、最短土曜日ごろ退院できると聞いていましたが、実際に手術してみたところ膿が溜まっていたりと状態が良くなかったそうで、このまま順調に回復すれば来週火曜日に退院できるだろうと主治医から言っていただきました。

日曜日・月曜日(入院5・6日目)

お腹の傷の痛みは少しずつ回復して、起き上がったり歩いたりするのも軽い痛みを感じる程度になってきました。

日曜日の昼食からすり潰していない通常食になりました。しっかり噛んで食べるように心がけます。

月曜日には、1週間連れ添い続けてきた点滴も外れて、「今まで通りの生活」を取り戻せる自信が湧いてきました。

火曜日(入院7日目)

問題がなければ退院できると言われていたこの日。朝一で主治医がお腹の傷口を確認し、レントゲンもとり、問題ないとのことで、退院することができました。

最後に

ここまで長々と私のつらかった体験談を書きましたが、1番伝えたいのは、「盲腸ってよく聞くからそんな大変じゃないでしょ?」「手術って言っても簡単なものでしょ?」ていうものではない、ということです。

手術に関してはさくっと書きましたが、主治医から手術の説明を受けた際には、「手術中にCTでは分からなかったような異常が見つかり急遽手術法を変えるかもしれないこと」や「時には大量出血が起こり得ること」、「合併症が起こり得ること」などたくさんのリスクを聞きました。

成功率が高い手術とはいっても、手術は手術。個人によって状態も様々です。

当たり前なことを偉そうに言いましたが、身近な人が、盲腸含めよく聞くような病気になったとき、軽視せずにちょっと優しく接してもらえたら…という思いです。

ちなみに私は会社を1週間お休みさせていただきましたが、周りの方々には本当に優しく接してもらいました。

仕事の面でもたくさんフォローしていただいたし、復帰後も大変だったね…とあたたかい言葉をかけていただきました…。このあたたかさに、とても救われたのです。

年末にかけて忙しい時期になる人も多いかと思います。ただ、自分の身体が第一。ちょっとした違和感を感じた時点で無理をせず、そして限界がくる前に病院に行くようにしましょう…!

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