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ヒヤリ・ハットをオンライン化で簡単に共有して重大事故を回避する

 私は在宅医療に携わる精神科医です。
 自分で作りたいものを作れるようになるためにプログラミングを最近学び始めました。前の記事も、最初の記事も在宅医療の現場へのプログラミングの応用に関するものでしたが、この中から具体化するものとして今回はヒヤリ・ハットを取り上げます。

ヒヤリ・ハット対応は重大事故を減らすだけでなく業務改善につながる

 在宅医療の現場では、医療と介護と生活が入り混じっており様々なミスが生じます。特に医療現場ではミスの種類によっては命に直結することもあり、ヒヤリ・ハットを報告する仕組みがある医療機関が多いです。

ヒヤリ・ハットとは、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の認知をいう。文字通り、「突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりするもの」である。
wikipidiaより引用

 ヒヤリ・ハットに対応することで、その先にある重大事故を回避することが大きな目標の一つですが、もう一つ、ヒヤリ・ハットを細かく見ていくことでミスが起こりやすい仕組みや効率の悪い状況に気づくことができ、業務改善にもつながると考えています。

現状のヒヤリ・ハットは書くのが面倒で、共有も不十分

 事故を回避し業務改善もできるヒヤリ・ハット報告ですが、実際の現場で十分に活用されているかというと、なかなか難しいというところが多いのではないかと思います。
 その理由の一つとして大きいのが、報告書を書くのが面倒だという事。明確なミスでもないちょっとしたヒヤリ・ハットをいちいち所定の書類に残すのが面倒と感じている方が多く、あとで書こうと思っているうちに書きそびれることも多いのが現状です。
 また、せっかく書かれていても上長の印鑑が押された後はファイルにしまい込まれて多くの人の目に触れていないということもよく見られる状況です。
 重大な事故を回避するには沢山ヒヤリ・ハットを報告したほうがいいし、せっかく報告されたヒヤリ・ハットは皆で共有された方がいい。その方策として、ヒヤリ・ハットをオンライン化することを考えました。

オンライン化によって、手軽に書けて共有も容易になる

 現状のヒヤリ・ハット報告書は、紙ベースです。内容は、いつ、どこで、どのような状況でヒヤリ・ハットが起きたか、そしてどう改善するかを書くことが基本になっています。これをオンライン化することで、スマホやパソコンから手軽に書けるようになると考えます。
 また、オンライン化することで、「ファイル内にしまい込まれて誰の目にも触れない」という課題も解決できます。タグをつけて報告することで、その後の検索も行いやすくなります。同じ状況でのヒヤリ・ハットが繰り返されているとすると、それは仕組みに課題があると考えられます。タグをつけておくことで、似たようなヒヤリ・ハットにも気づきやすくなります。

改善案の検討や、他施設との共有も可能になる

 もう一つ、ヒヤリ・ハット報告書の課題に改善案を挙げることの難しさがあります。状況によっては、「注意深く考える」など、あまり効果的とは思えない改善案が挙がっていることも珍しくありません。これも、オンライン化し複数の人が見れるようになることで、複数の人で改善案を考えることが可能になります。
 また、ヒヤリ・ハットで生じる状況は、自施設だけでなく同業他社でも起こりうることであり、これを共有することでより多くの知見を集めることが可能になります。この複数施設でのヒヤリ・ハット共有もオンライン化が可能にします。

ヒヤリ・ハットのオンライン化の具体案と今後の検討事項

 ヒヤリ・ハットをオンライン化するだけであればGoogleスプレッドシートで出来そうです。これによって、いつでもどこでも書くことが可能となり、複数人での編集ができることから改善案を皆で考えることもできます。タグ付けし検索を行うとなるとGoogleスプレッドシートだけでは難しいかもしれないので検討が必要なところです。 
 入力のしやすさを考えると、LINE Botで返信すると入力されるという形にすると、より手軽に入れることが出来るかもしれないので検討の価値はありそうです。アプリにするという選択肢もあるかもしれません。
 複数施設での共有を考えると、プライベート情報の秘匿化が重要になります(名前や場所を隠して個人情報に配慮する)。共有時には自動的にプライベート情報が隠せるような仕組みが必要ですが、今の私では方法がわからずここも検討事項です。さらに、ヒヤリ・ハットの仕組みを有効にする方策として、改善案を挙げた人にポイントが付くような仕組みや、個人で未読・既読がわかるような仕組みもあるといいかと思います。
 現在、プロトアウトスタジオで学びを深めているところなので、4か月後にはこれらができるようになっているのではないかと期待しています。今後も作成状況を書き綴っていきたいと考えているので、興味がある方はぜひフォローをお願いします。

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