サブスリー達成まとめ③:練習メニューと使用シューズの紹介

マラソンを速く楽に走れるようになるためには、まず

①良いランニングフォームをある程度身に付ける

ことだと思います。以下の二つの記事で、それについてまとめました。


その上で、

②良いフォームを意識しながら厳しいトレーニングを重ねる

ことだと思います。ランニングには、いろいろな楽しみ方がありますが、サブスリーをラクして達成するのは難しいと思います。一方で、厳しすぎると故障します。また思考停止するほど追い込んでしまっては、フォームが崩れてかえって良くない。
・次の日も、また次の日も継続できる程度
・良いフォーム、「楽に柔らかく」を常に意識できる程度
・身の回りの安全に意識が届いている(車、障害物)程度
これらを前提にして、どれだけギリギリで攻められるかだと思います。やりすぎたと感じたらすぐにリカバリー・ジョグ(「歩きよりは速い」程度のジョギング)や、完全休憩を挟んで回復を図っています。

花火というものは仕込みが9割以上で、実際火を付けて空中に舞い上がるのはほぼ一瞬です。マラソンも、仕込み、つまり「厳しいトレーニングを日々こなせる体が出来ている」という時点で、かなりの割合で結果は決まっているものだと思っています。その意味で、レースシューズと同じくらい、練習に使うシューズも大事です。ここでは、わたしの練習メニューと使用シューズを紹介します。

練習メニュー

わたしは、キプチョゲの練習メニューを参考にした二部練メニューでトレーニングを重ねています。キプチョゲの練習メニューの分析は以下にまとめています。


トータルの分量は「走り込み」がほとんど(7~8割)で、「ロング走」、「マラソンペース作り」、「インターバル走」がそれぞれ1割程度です。

コメント 2020-01-09 190332

①走り込み

走り込みは歯磨きのように習慣化すべき。サブスリー目標時で、基本は毎日10km~16km、4:30/km~5:15/kmほど。日々コンディションに合わせて、条件が良ければ長く速く、悪ければ短く遅く走ります。大前提として無理は禁物。ペースと距離の考え方は、
-周囲(車や障害物)に対してアンテナを張り続けられる
-楽で柔らかいランニングフォームを意識し続けられる
-多少の風雨でも達成できる
が目安になります。

ちなみにわたしの走り込みコースはアップダウンが多いです(16kmで、UPHILL-250m/DOWNHILL-250mほど)。平坦な場合もう少しペースアップして良いかもしれませんが、これ以上出したらダメージが大きいなと感じる「ダメージ速度域」を念頭に置いて、それを超えないペースで走った方が良いと思います。何しろ毎日やるのですし。

・On Cloud(オン クラウド)
ザ・オールマイティと言えるクラウドは、平坦な路面でのジョギングから坂道の多い路面でのEペース走までを中心に使用しています。Onのシューズすべてに言えることですが、とにかく快適です。走るのが楽しい!と感じさせてくれる。靴の中でトラブルを起こす確率も圧倒的に低い。それから、リカバリが早い。負荷の高いトレーニングをしても、次の日には回復している。

・アディダス アディゼロプロ
アディダスが満を持して放ったカーボン入りの高スペックシューズですが、「2」が出たため値下がりしています。アディゼロプロ2、ナイキのヴェイパーフライ、アシックスのメタスピードスカイといったほかのレーシングシューズと大きく異なるのはソールが薄めということです。坂道の多いフィールドでは薄い方がしっくり来るので、OnのCloudと並んでよく履きます。

②マラソンペースづくり

10分走って2分ジョグ、を4回繰り返します。10分間は、マラソンの目標ペースで走ります。サブスリーだったら4:05/km~4:15/km。腕時計のペースアラーム機能が使えると便利です。2分間のジョグを挟むことで、体がマラソンペースを忘れます。忘れきったころにまた、10分間のランを開始してマラソンペースを組み立てます。体にペースを叩き込むことが大事なので、できるだけ自らのスピード感を頼りに走り、自動ラップの通知音が鳴る1kmごとにしかウォッチは見ないようにしています。

使用するフィールドは、毎回変えます。不整地でファルトレクを兼ねることもありますし、坂道を含めることもあります。フィールドに関わらず、マラソンペースを守ります。大きな負荷をかけることが目的ではなく、どんな条件下でもなるべくオートマティックにペースを維持し、本番レース時の精神的消耗を抑えるのが一つの大きな目的です。

・ナイキ ズームフライシリーズ(Nike Zoomfly)
シューズは、レースシューズ同等、もしくは傾向の近いシューズを選びます。ズームフライシリーズどれも素晴らしいですが、私は「フライニット」よりもよくフィットし、「3」よりも軽い初代を主力にしています。また、柔らかいトラックを走るときは、ここぞとばかりにあらゆるメーカーの薄底系レーシングシューズを試しています。


ズームフライ(初代)↓

ズームフライフライニット(2代目)↓

ズームフライ3↓

③インターバル走

短い距離を(何回かに分けて)速く走り、マラソンペースが余裕だと思えるようにするのが狙いです。また、マラソンの目標タイムを上方修正したときも、わたしはまずこのインターバル走のペースを上げ、順次Mペース走や走り込み、ロング走のペースを上げます。距離が短いため、ペースアップによる故障のリスクが低いからです。

わたしはGARMINのGPSウォッチにワークアウトをたくさん登録しておき、コンディションに応じてその日に選択しています。より短めの距離をたくさん繰り返すワークアウトの方がより故障リスクは低めなので、わずかな痛みを感じるときや、レース前はこちらを積極的に選んでいます。

ワークアウト例:
・10000m(3:55~4:00/km)
・8000m(3:55~4:00/km)+リカバリ600m+1000m(3:45~3:50/km)+リカバリ600m+400m(3:35/km)
・3000m(3:50~3:55/km)+リカバリ600m+2000m(3:45~3:50/km)+リカバリ400m+1000m(3:35~3:40/km)
・2000m(3:45~3:50/km)+リカバリ400m ×4本
・1000m(3:40~3:45/km)+リカバリ200m ×6本
・400m(3:30~3:35/km)+リカバリ200m ×15本

インターバル走ではいろんなレースシューズを試します。基本はMペースと同様ズームフライ系ですが、ASICSのメタスピードスカイ、ハイパースピード、メタライド、アディダスのアディゼロ・アディオスプロ2など好印象を受けています。

④ロング走

ロング走は、マラソンに必要な心技体をトータルに身に付けるとても大事なトレーニングです。大事なので一つの記事として取り上げました。

環境にもよりますが、わたしはマラソンペースよりも少し落とします。サブスリー狙いでも4:30/km~4:45/km。その代わり、強風だろうとなんだろうと走りの質(フォームの良さ)に意識しながら走ります。3時間くらい走るので緊張感の高まる練習です。低体温症のような状態に入ったりで途中でやめることもあります。失敗しても気にすることはありません。気を取り直して、次週再チャレンジします。

シューズは、レースに近ければリハーサルの意味を込めて、ヴェイパーフライ、メタスピードスカイ、アディオスプロ2といったレースシューズを履き、そうでない時期には、OnのCloudやCloud Xを履くことも多いです。

シューズについてまとめると、
On:Cloud、Cloud X
ナイキ:ヴェイパーフライシリーズ、ズームフライシリーズ
アディダス:アディゼロシリーズ
アシックス:メタスピードスカイ、ハイパースピード、メタレーサー
このあたりを履き分けています。

次回は、食生活についてです。修行僧のような要素を愉しみたければ厳格にコントロールしたらいいし、そうでなければストレス溜めない程度にほどほどに。基本的に太らなければ何でもいいんちゃうの?というのが主旨です。


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