もう二度と玄関🚪の鍵🔑は無くしたくないから #2
これは、とある超築古の分譲マンションで「電子錠でスマートに暮らしたい」と願った一介のソフトウェアエンジニアによる奮闘を綴った記録です。
前回までのお話し
機運に乗じる
高額シリンダー交換事件の後、スマートロックを少し検討してみるも「これだ」という製品が見当たらず、一旦導入を諦めていました。
そうこうしていると、引越し先の新居が決まりました。新居のインフラ(水道・ガス・電気、インターネット回線など)整備を妻から仰せ付かり、加えて安全面を考慮してシリンダー交換も。
そう、こちらのお話しと繋がってきます。
新居の鍵をどうするか妻と相談すると、次のような意見が挙がりました。
娘にも施錠・解錠させたい
手荷物があると、物理鍵での解錠は不便
Apple社『ホーム』アプリと連携したい
人を招く機会はないので、他人に鍵を共有できなくてよい
スマートロック導入の機運が再び訪れました。しかも今回は、分譲マンションを購入したので、賃貸物件よりもスマートロックの選択肢が増えたのではと考えていました。
集合住宅での制約
スマートロックを見ていく前にマンションなどの集合住宅にスマートロックの設置を検討する上での注意点をいくつか挙げておきます。
玄関扉は誰のもの?
マンションなどにお住まいの経験がある方であれば、集合住宅には『専有部分』と『共用部分』があると耳にしたことがあるはずです。
専有部分は、区分オーナー個別の所有物
共用部分は、区分オーナー全員の共有物
区分オーナーであれば、その専有部分は自由に手を加えられますが、共用部分に手を加えたい場合は、管理組合から了承を得る必要があります。
大雑把には、室内は『専有部分』で、室外は『共用部分』です。
では、玄関の扉やその錠前はどうでしょうか?
物件の管理規約によりますが、その規約が参考にする国土省のマンション管理規約の標準モデルによると…
つまり、玄関扉の内側は『専有部分』ですが、外側は『共用部分』になります。もし、玄関扉の外観を変更したい場合は、管理組合の了承が要ります。
このことは、スマートロックを選ぶ上で覚えておきたいポイントになります。
共用エントランスのオートロック
ある程度の規模の集合住宅であれば、共用エントランスにオートロックが設置されていることは珍しくありません。セキュリティを重視したいとお考えであれば物件選びの必須条件とされる方もいらっしゃるかと思います。
ただ、この共用エントランスにオートロックがあるが故に、場合によってはスマートロックの利点が半減する恐れがあります。
それは共用エントランスのオートロックを解錠する際に物理鍵🔑が必要な場合です。せっかく専有部分の玄関扉にスマートロックを設置しても、これでは共用エントランスのオートロックを解錠するために相変わらず日常的に物理鍵が欠かせません。「鍵の出し入れが手間」と言った物理鍵への不満を解消したくて、スマートロックに魅力を感じている方にとっては、共用エントランスのオートロックの存在がきっと憎らしく思えるでしょう。
共用エントランスのオートロックも含めてスマートロック化する製品も存在しますが、管理組合から了承を得る難易度は低くないはでしょう。
スマートロックの分類
スマートロックは、その設置方法によって3つに分類されます。
穴あけタイプ
シリンダー交換タイプ
貼り付けタイプ
穴あけタイプ
既存の錠前を外してスマートロック製品を新たな錠前として設置します。このタイプのほとんどの製品が玄関扉に穴あけなどの工事が必要になるため、こう呼ばれているようです。
たいていは玄関扉の外観が変わるため、マンションなどの集合住宅の場合は、設置に管理組合の了承が要ります。この点から戸建住宅に適しているタイプとも言えます。
シリンダー交換タイプ
錠前内部のシリンダーをスマートロック製品に交換します。シリンダーの交換作業自体は一般的な工具があれば簡単にできます。穴あけタイプと異なり、玄関扉の外観は変わりません。
ただし、既存の錠前と互換性がある製品を選ぶ必要があります。
貼り付けタイプ
既存の錠前はそのままで扉内側にあるサムターンに合わせてスマートロック製品を両面テープなどで貼り付けて固定します。扉内側の状態によってスマートロック製品が適合せず設置ができない場合もあります。
日本国内では、このタイプのスマートロックが一般的です。
次回に続く
長くなってしまったので、今回はここまで。次回からは、具体的な製品を見ながらスマートロックを深掘りしていきます。お楽しみに。