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2次試験事例Ⅳの経営分析に対する最低限の攻略法について

 今年の中小企業診断士1次試験は、合格率が40%強ということで、ここ10年位では前代未聞の合格率の高さとなりました。私は、運営管理(難しめだが得点は取れるけど、計算問題に時間がかかるものが多かった)と経営情報システム(やや易しめかつ、技術的なものが減少傾向)しか解いていないので、その他の科目の難易度などは噂で聞く程度でしか知りませんが、ここまでになるとは予想はできませんでした。


 そうなると2次試験に挑戦する方と昨年度の不合格者が集う2次試験については受験者が相当数になるのではないでしょうか。今年の1次試験は欠席者が多かったようですが、ここまで来たら受験するのが一般的ですから、合格者が比例して増えない限り大変な競争となるのではと思っています。
 しかし、受験者が増えても合格するためにやることは変わりません。急に力を入れても、気持ちが盛り上がっても、得点が伸びるわけでも合格できるわけでもありません、そんなに簡単で気合だけでどうにかなる試験ではありません。
 今回は中小企業診断士試験の2次試験事例Ⅳ(特に経営分析)を攻略するために最低限考えて欲しい点をお話ししたいと思います。ちなみに、私自身は財務会計の専門家でもありませんし、あの業界だからとか、指標が俺のが正しいとかいうつもりはさらさらありません。また、事例Ⅳの話を中心にさせて頂きますが、場合によっては他の事例でも使えるネタはあると思います。

1 経営分析指標について


 経営分析は基本的に毎年出題されますが、他社比較でもD社の2年分の比較でも構いませんが、指標を選択することになります。それくらいは受験生なら100%知っている事実ですが、その指標について間違いが多い方は今すぐ復習するべきだと考えます。以下にいくつかのポイントを示します。

(1)指標の間違いをなくすこと
 ここでは、売上高営業利益率ではなく、売上高販管費比率だとか批評家のように語りたいのではありません。基本的に必要なことは、問題の本文を読んで優れているなり、問題となる候補をキーワード、指標や勘定科目を想定することだと思います。それだけで2/3くらいはどうにかなるものです。どこにも根拠のない指標をB/SやP/Lから引っ張っても良くないと思っています。両方(定量と定性)を総合しないと意味がないです。なので指標が合わない場合はその部分をチェックをきちんとしましょう。

(2)正解であっても復習をすること
 例えば、指標選択で自己資本比率と負債比率で両方正解という例はよくありますが、別解の場合はきちんと区別する復習はして欲しいと思っています。ちょっと細かいですし、数値的にも同じような仕組みですので結果は問題ないのでしょうが、内部留保とか多いとかであれば自己資本比率、借入金の場合は負債比率とか区別したいです。別解で正解だった場合は、解説を読んで本解答になることもチェックしておきましょう。

(3)普段見たことがない指標で書くの止めること
 例えば、売上高営業利益率が回答なのに営業利益率などど書く例です。数値は売上高営業利益率の数値を書いているので指標は分かっているのでしょうけど、そういう解答は採点に困ります(普通はNG)。基本は、予備校や過去問の解答・解説に掲載されている指標で書きましょう(試験で全部計算するのは邪道ですが、解答解説に沢山の指標の計算結果が書いています)。そこで掲載されていない指標は原則使わないことで良いです。

2 小数点の処理をきちんと理解する 

   小数第3位を四捨五入をせよという場合に桁数が合わない方がたくさんいます。27.567を27.57にすることを小数第3位を四捨五入(して小数第2位にすること)というのですが、3桁目だと思って27.6とかする人がいます。そういうミスをする方は小学校の教科書でチェックしましょう。これは経営分析に限らず、計算問題でもありますし、条件も設問や本文にあったりしますので注意が必要です。

3 指標の計算をできるようにする

 指標は完璧にできるのですが、計算が合わずに得点を落としている方が見受けられます。一番ひどいのは小数点の処理ですが、公式を把握していない例も見受けられます。
 特に、有形固定資産回転率、当座比率、固定長期適合率の計算が合わない方は公式の定義をきちんと確認しましょう。きちんと確認しないと本番でも間違えてしまい後悔します。

4  文章での解答方法について

 80~100字程度の文章で特徴や改善策を答える問題があります。例えば、特徴を答えるときに課題の方だけ答えてしまう(良い特徴がない)とか、収益性だとか効率性が良いと悪いとか言うのに販管費が多くて(売上に触れずに)収益性が悪いみたいに書くというものです。収益性や効率性の場合は売上に対するという公式なのでそのように配慮するべきだと思います。
 他の事例でもそうですが、聞かれていることに素直に答えることが必要です。問題点と聞かれる場合、課題を聞かれる場合どういう書き方をするのが良いか、解答だけを見て設問が予想できるかなど、きちんと確かめる癖をつけると良いと思います。

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5 演習や参考情報について

 練習する演習事例ですが、過去問、予備校などの演習問題もありますが、数が足りない方は、企業診断という雑誌に問題が掲載されているのでそれをやってみましょう。特に以下の3号がお勧めです(特に同友館のまわしものではありません)。



 はっきり言って、設問で聞かれていることに答えることができれば、その項目(解答)を書くことはたいていの受験者ができると思います。それだけで合格ラインまではたどりつけます。
 少し長くなりましたが、今回はこれで終わりとさせて頂きます。最後までお読みいただきありがとうございました。

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