軍事複合体

軍事と産業の密接な関係、いわゆる「軍産複合体」に焦点を当てた本です。

アメリカをはじめ、世界の軍事産業がどのように発展し、また政治や経済にどのような影響を与えてきたかを解説しています。桜林さんは特に、軍事技術の進化が一般社会にもたらす影響や、日本における軍事産業と政府の関係についても詳細に分析しています。

本書では、軍事技術が民間分野へどのように波及し、産業全体に革新をもたらす一方で、軍事と経済の結びつきが強化されることによる社会的、政治的なリスクも議論されています。さらに、日本が抱える防衛産業の課題や、今後の自立性確保のための施策についても提言が含まれています。

この本は、単なる軍事技術の解説に留まらず、軍産複合体の歴史的背景や社会的影響を多角的に考察しているのが特徴です。軍事と産業がどのように共存し、またその関係が未来に向けてどのように変化していくのかを探る一冊です。

「防衛生産基盤強化法」(正式名称:防衛生産技術基盤強化法)は、2023年6月に成立し、10月に施行された法律で、日本の防衛産業の基盤強化を目的としています。この法律は、日本の防衛力強化を支えるため、特に中小規模の企業や下請け企業への支援を重視しています。日本の防衛産業は大手企業だけでなく、多くの中小企業が支えているものの、防衛関連の売上が総売上の数%に過ぎないため、十分な利益が確保できず事業継続が難しいという課題がありました   。

この法律では、企業が防衛機器の供給に関して安定した生産体制を確立できるよう、政府が直接支援する仕組みが整えられました。具体的には、サイバーセキュリティ強化やサプライチェーンの強化、インフラ更新などの費用を政府が補助することで、企業の負担を軽減しています。また、極端なケースでは、政府が防衛関連の生産施設を一時的に取得して生産の安定化を図ることも含まれています  。

このように、防衛生産基盤強化法は日本の防衛産業の競争力を維持し、地域の安全保障環境に対応するための基盤を強化する重要な役割を果たしています。

他国の戦争を他人事とはいえない時代になりました。
と言うか、今までがおかしかったんですけどね。

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