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雷の妖精、高校野球のifを妄想する

雷の妖精・アイ(仮名)は、自宅のアパートでテレビ画面に釘付けになっていた。画面には、春のセンバツ高校野球のグループリーグ戦が映し出されていた。

「うーん、やっぱりこの組み合わせは熱い!」

アイは興奮を抑えきれずに、拳を握り締めた。今年導入されたグループリーグと決勝トーナメントのハイブリッド方式は、予想以上に波乱含みの展開を見せていた。

グループAでは、優勝候補筆頭の大阪桐蔭がまさかの2敗を喫し、早々に姿を消していた。一方、グループBでは、ノーシードの公立校・横浜創学館が粘り強い戦いで首位通過を果たしていた。

「やっぱり、トーナメントだけじゃわからないことがあるよね。グループリーグでじっくりと実力を発揮できるチームが、最後に笑うこともあるんだ。」

アイは、画面に映る選手たちを一人一人見ながら、それぞれのドラマに思いを馳せていた。

グループCでは、全国屈指の強豪校・東海大相模と、地元・京都代表の京都国際が激戦を繰り広げていた。試合は終盤までもつれ込み、両校一歩も譲らない。

「うぅ…どっちも負けさせたくない!」

アイは両校の健闘に心を打たれ、思わず涙を浮かべていた。試合は最終的に、東海大相模がサヨナラ勝ちでグループ首位を突破した。

グループDでは、昨夏の甲子園王者・履正社が圧倒的な力で他校を寄せ付けず、3戦全勝で首位通過を果たしていた。

「やっぱり履正社は強いね。でも、決勝トーナメントでは何が起こるかわからないからね。」

アイは、履正社の強さを認めながらも、まだ油断はしていなかった。

そして迎えた決勝トーナメント。

準々決勝では、東海大相模と履正社が激突。延長戦までもつれる熱戦の末、東海大相模が勝利を収めた。

「東海大相模、ついにやったね!でも、決勝戦も簡単には勝てないと思うよ。」

アイは、東海大相模の勝利を祝福しながらも、決勝戦に向けて気を引き締めた。

決勝戦は、東海大相模と横浜創学館の対決となった。

横浜創学館は、ここまで予想外の快進撃を見せていた。しかし、東海大相模の前に、その勢いは止まってしまう。東海大相模は、強力な打撃力で横浜創学館を圧倒し、5-1で勝利を収めた。

「東海大相模、優勝おめでとう!やっぱり、実力のあるチームが最後に勝つんだね。」

アイは、東海大相模の優勝を素直に祝福した。

ハイブリッド方式の導入により、今年のセンバツは例年以上にドラマティックな展開となった。

アイは、最後まで目が離せない熱戦に、すっかり魅了されてしまった。

「来年も、また面白い試合が見られるといいな。」

アイは、そう願いながら、テレビの画面を消した。

そして、アイの妄想は続く。

もし、このハイブリッド方式が夏の甲子園でも導入されたら、どんなドラマが生まれるのだろうか?

アイは、夏の甲子園が待ち遠しくて仕方なかった。

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