加藤 直樹 | 建築家

N.A.O|ナオ一級建築士事務所 代表|建築家|一級建築士|神奈川県秦野市|1986年生|住… もっとみる

加藤 直樹 | 建築家

N.A.O|ナオ一級建築士事務所 代表|建築家|一級建築士|神奈川県秦野市|1986年生|住宅設計|設計事務所の働き方改革|許せる暮らし|加藤小屋の住人|三太郎の父|camp|camera| http://www.n-archi-o.com

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加藤直樹 | N.A.O〈ナオ〉について

■PROFILE 加藤直樹(カトウナオキ)   1986 神奈川県生まれ 2006 町田デザイン専門学校 | 建築デザイン科卒業 2007-2012 有限会社高橋貢住環境設計事務所勤務 2012-2014 桑原茂建築設計事務所勤務 2014 N.A.O〈ナオ〉設立   神奈川県秦野市を活動拠点として、建築設計事務所を営んでいます。 ■CONCEPT 住宅は人が生活を営むことを前提とした建築です 生活感や傷や汚れなどが生じることも必然です 構成や価値観などが変化すること

    • 「カーテンが似合う家」と「ロールスクリーンが似合う家」

      「カーテンが似合う家」と「ロールスクリーンが似合う家」があると感じている。基本的には「カーテンが似合う家」を設計したいと思っている。 話をもう少し掘り下げる。カーテンやロールスクリーンは日射や視線を調整するために住宅に必要なもの、つまりは住宅にとっての〝必然〟ともいえる。カーテンは隠すことが難しい。カーテンボックス等を設けても隠れるのはレールのみであり、カーテン自体は開けていても、閉めていても見える状態になる。ロールスクリーンはカーテンボックスを設け、開けた(上げた)状態と

      • モノのランニングコストが安い家

        自邸である加藤小屋のダイニングチェアがへたってきたので買い替えることに。 私、妻、長男、次男の4脚を大人買い。締めて約24000円。1脚6000円程度なので比較的安価な商品を選定しました。ちなみに私と妻の椅子はドラム椅子です(先代もドラム椅子で色々と気に入っていたので類似商品を再購入) 加藤小屋のような、ある種のゴチャゴチャ感がある〝ダサかっこいいの集合体〟のような構成だと、不思議と何を置いてもなんとなく絵になるので、安価なモノたちでまとめても、成立していまう感覚がありま

        • 建築の価値基準

          私は建築はやりますが、アートはやりません。なのでアート鑑賞をする際は「美しい」か「カッコいい」かなどの大枠の価値基準でしか見ていませんし、見れません。(もちろん、作者の意図やアートから何を感じるかなど、色々な想像はしますが、話の趣旨からズレるため割愛します) アートをやっている人であれば、技術的な部分やディテールに目がいくかもしれませんが、私にはわかりません。アートは素人ですから。 建築でも同じようなことが起こります。建築をやっている人たちのコミュニティーの中だけで意思疎

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        • 許せる暮らし
          加藤 直樹 | 建築家

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          〝許せる暮らし〟へ改称します

          まずは、結論から。 〝荒い暮らし〟から〝許せる暮らし〟に改称します。 提唱してきた〝荒い暮らし〟という考えが多少ですが、認知されるようになってきました。その結果、建築業界内外から「〝荒い暮らし〟という名称だと誤解が生まれるのでは?」「〝荒い暮らし〟という名称だと本質的ではないのでは?」という声を頂くことが多くなりました。 その違和感のようなものは、私自身も感じていて、それを第三者も感じるものだとわかってきました。私の目指しているものは何で、その名称として的確な表現は何な

          〝許せる暮らし〟へ改称します

          スーツ姿で子どもと公園で遊ぶ

          タイトルを見て「何の話?」と思うかもしれませんが住宅の話です。もっというと〝住宅の前提を間違えてませんか?〟という話です。 公園で子どもと遊ぶとき、どんな服装で遊びますか?滑り台を滑ったり、砂遊びをしたり、サッカーをしたり、ということが予測されますから、デニムだったりカジュアルな服装を選ぶと思います。それは公園で遊ぶということからすると必然的な選択です。もし、スーツを選んだとしたら、汚れや傷がつくことを恐れ、全力で遊ぶことができません。前提に合った服装ではないからです。

          スーツ姿で子どもと公園で遊ぶ

          下描きの絵画を渡す設計

          住宅の竣工は終わりではなく、始まりだと考えています。住宅は生活することが目的ですから、竣工は通過点に過ぎないという考えです。ですので、竣工後の変化を前提とした設計を心がけています。竣工が100%で劣化の一途をたどる住宅は本質的ではない気がします。竣工が60~80%(場合によってはもっと低い)で生活していく中での必然や変化に対応させていきながら、永い年月を掛けて完成に向かうことが望ましいと考えています。 世の多くの住宅は、完成し過ぎていると感じます。設計段階で机上で全ての未来

          下描きの絵画を渡す設計

          マスコットを許容できない家

          先日、叔母が沖縄土産にマスコットのぬいぐるみを買ってきてくれました(沖縄で有名なハンバーガーショップ「A&W」のマスコット)。 我が家には何事もなかったかのように馴染んでいます。もともとの空間に木目や色味等が多いですし、生活感に満ち溢れ雑多な状態になっていることが要因かと思います。 (我が家の風景) ただ、このマスコット1つが置かれただけで空間としても成り立たなくなってしまう住宅が世の中には多いように感じます。生活感がなく、ラグジュアリーで、ホテルライクな住宅も素敵です

          マスコットを許容できない家

          息子との建築巡り | 無形財産への投資

          夏休みに入った息子たちとの特別企画【夏の建築巡り弾丸ツアー】を先日、決行しました。 第一弾は、岐阜県の『多治見市モザイクタイルミュージアム』と愛知県の『豊田市美術館』に長男と二人で行ってきました。 出発(5時30分) ⇓ 『多治見市モザイクタイルミュージアム』で見学と工作体験 ⇓ 『豊田市美術館』で見学と美術鑑賞 ⇓ 『モリコロパーク』で遊ぶ ⇓ 温泉でリフレッシュ ⇓ 帰宅(21時30分) という過密スケジュールでしたが、濃厚で有意義な時間を過ごせました(濃厚過ぎて長

          息子との建築巡り | 無形財産への投資

          私が妻を信頼する理由

          2021年7月22日。最愛の妻。birthday。 私は妻のことをこの上なく信頼しています。 良い機会なので、その理由をちょっとしたカミングアウトを交えながら書き綴ってみたいと思います。 私は2つの設計事務所勤務を経て、独立に至りましたが、1つ目の設計事務所の退職時に話は遡ります。退職というと聞こえは良いですが、事実上はリタイヤに近いです。心身共にダメージを受け、ドクターストップが掛かったのが実のところです。 (1つ目の設計事務所の名誉のために補足すると、厳しい労働環境

          私が妻を信頼する理由

          人が居なくても人や生活を感じる写真

          本日、HOUSE-Iの竣工写真撮影を行いました。 撮影は 花岡慎一さん に依頼をしました。 前回撮影をしたHOUSE-NNと同様に、モノを動かす等の生活感を消し去る操作は、ほぼせず、実生活空間をありのまま撮影、かつ、人物入りの撮影も敢えて避けました。 「人が居なくても人や生活を感じる」というテーマで撮影を行いたかったためです。 竣工写真撮影のためにセットアップされた空間は、綺麗ですし、魅力的ですが、竣工写真撮影のためだけの〝フェイク〟だと感じてしまう自分がいます。住宅

          人が居なくても人や生活を感じる写真

          新しい住宅の建て方

          今朝、妻と「長男が中学生になるまでには本邸を建てないと色々な意味で厳しくなってくるよね」と話しをしていました。現在は、仮の自邸『HOUSE-KT(加藤小屋)』に家族5人で暮らしていますが、もし、長男の中学進学までに本邸の目処が立たなければ、加藤小屋の増築も視野に入れなければと思い、何となく増築案のスケッチを描いてみました。 最初は、本当に何となく考えていただけだったのですが、可能性として大いにあり得ると途中から思い出しました。加藤小屋は、妻の実家の敷地内に建設し、かつ、必要

          新しい住宅の建て方

          〝フェイク〟じゃない〝リアル〟な空間

          HOUSE-NNの竣工写真撮影を行いました。 私は、独立当初から『住宅は人が生活を営むことを前提にした建築であり、必然的にできる生活感や傷や汚れ等の痕跡がポジティブに働く空間であるべき』という持論を展開してきました。HOUSE-NNは、その思想を体現して下さっていて、大変感激しました。 竣工写真は〝フェイク〟であってはいけないと思うのです。竣工写真のためにモノを動かし、隠し、生活感を消し去る。そのような空間は、竣工写真用の〝フェイク〟の空間であって、そこで住まう〝リアル〟

          〝フェイク〟じゃない〝リアル〟な空間

          抽象的な説明と具体的な説明

          先日、とある建築サイトのインタビューを受けました。仮の自邸である加藤小屋に関するインタビューだったのですが、その中で「自邸が完成したことで変化したことはありますか?」という類の質問を受けました。あまり考えていなかったことだったので、少し悩みましたが『具体的な説明をする材料ができたことは大きい』と答えました。 最近、強く思うことなのですが、人を説得するとき、抽象的な説明を具体的な説明に落とし込むことが重要だと感じています。抽象的な説明のみだと、話し手の頭の中ではポジティブなイ

          抽象的な説明と具体的な説明

          日帰り二人旅 | 好奇心を高めてほしい

          長男の通学が今週から始ま、小学生になって初めての短い夏休みが終わってしまいました。 先週の夏休み最終週。夏の思い出的になれば良いなと、長男と2人で山梨県北杜市に日帰り旅に出掛けてきました。 長男にも次男にも検索した建築画像をよく見せているのですが、長男が藤森照信さん設計の『茶室徹』に反応していたので、実物を見に行くことに。『茶室徹』がある『清春芸術村』には様々な建築やアートが点在しており、刺激的な施設になっています。 まずは、その『清春芸術村』に行き、建築巡りとアート巡

          日帰り二人旅 | 好奇心を高めてほしい

          先生稼業はしない

          私たち設計者は、昔からの慣例で「先生」と呼ばれることがあります。ただ、皆さん昔からの慣例で「先生」と呼ぶだけであって、私のことを本当に「先生」と思っている方はいらっしゃらないと思っています。 「先生」と呼ばれたときは『先生と呼ぶのは止めて下さい』と伝えますし、先生稼業をするつもりもありません。 〝先生稼業をすると損〟だと思うからです。 現場サイドが「先生の言う通りにしておけばよい」と思う関係性なり、空気感を作ってしまうと、現場監督さんや職人さんからの意見が挙がりにくくな

          先生稼業はしない