10分間の早出と残業手当についての話。

ある方の新入社員研修に関してのポストにコメントしたらそのコメントがリポストされまくって、普段あまり鳴らない通知がピンピンと鳴りまくっています。笑 こんにちは、フジソー樋口です。

新人研修だから10分前に着席しててほしいということに対して、10分前の着座要望は「残業になるのかどうか」という主旨のポストでした。この件に関して私なりに思うことがあるのでnoteに残しておこうかと思って早速ですが記事を作成しています。


10分前の早出は残業かどうか?

結論から言うと100%残業です。これは今回のポスト内でいうと会社のほうから「10分前には着座してください」という指示があるわけですから。早出の残業です。
今回、論点が曖昧になりがちなのは、「どの立場から何が正しいのかを判断する」ということに対してそれぞれの人がそれぞれの立場を取りながらポストしているんですが、
労務の観点から言うと残業ではあるし残業代も当たり前なんですが、「新人研修でそんなことを言い出して来るヤツが果たして使えるのか?」という別の論点が発生しているんですね。ここでいったん、感情論のほうから話をすると、そりゃ四十代以上の方々が「それでも有望!」となるわけはないんです。なぜなら、「自分たちはそれまで10分前(下手をしたら30分前)には準備しておくのが当たり前」という中で指示指導されて来ているんですから。

過去の経験として、「自分のときにそんなことを言い出すヤツは総じて仕事ができなかった!」というものが蓄積されているんです。だからその判定をすること自体は仕方ないとまではいいませんが、ひとつの判断基準としてはまあまあ分からないでもないんですよね。

かたや、感情論側ではなく労務の見解から行くと10分前が残業早出なのは当たり前。これは事実の話です。そうなると、私の中の結論が、

「10分前は残業かもしれないがそれを自分から言い出すのはおこがましいし、そんなヤツは仕事ができない」

「社会人の準備として10分前には着座していてください。なお、これは労働時間に含まれます」

これで解決するんではないかなと思うんですよね。

仕事の下準備をどう捉えるのか

一方、これを仕事の準備を捉えた場合、

『例えば明日新規のお客様のところに営業のアポイントを取っている。ただあまり馴染みのない業界と会社なので、下調べとして前日の夜に自宅でその会社のことや業界のことを色々と調べよう』

ということに対して、これは残業だ!ということにはならないと思うんですよ。管理下ではないので。
ただ上司に「こうこうこう〜〜だから、前の日までに調べておけよ」と言われるとこれは業務になるわけです。まあ前日の業務時間内にやればいい話なんですが、そうも行かない場面もあるわけで。そうなると「家でやれってことですか?それって残業代発生するんですか」という反論がくる。

①これを管理者の業務命令として自宅(でも会社でもいいですが)調べるという業務の行為と考えるか、
②少しでもお客様のことを知ろう!という営業テクニックとして距離を縮めるためにやるのか、
で話は違ってくるんですよね。

①の人間を会社は疎ましく思い、②の人間を「真面目なやつだ」と評価するのが元々の社会なんです。

大事なこと

いまこれを①と②に分けて論争しているわけなんですが、私が大事だと思うのは

②のマインドを持つ人間を育て、それに対して正当な賃金を払うシステムを構築する

ことです。

①か②かではないんです。

①のマインドのままでは仕事ができるできないの前に、一流にはなれないと私は思います。ただ、②に成長したときに、①の主張によって②が損をするような社会にはなってほしくないと思います。
そのためには仕組みづくりが大事です。

これからのはたらくひとたちへ

残業代の主張をすることはとても大事なことです。働いた分の賃金をもらうという当たり前のことができないままにいびつな成長を続けてきた日本ですが、これからは変わらなければならないときに来ています。
何を優先するのかでこれまでは仕事をするのが当たり前と皆が考え、そのために個やプライベート、家族を犠牲にしてきたのが現状です。これからはそれだけではなく、自分の大事にするものを重要視できるライフスタイル、それを実現できる働き方が可能になっていくでしょう。

ただひとつ。

もし仕事において情熱を元にたくさんのことを生み出したい、
後世に残るような大きな仕事をしたい。と思うのであれば、

自分のマインドを変えていかなければ絶対に無理です。

これは残業代をもらわずに働き続けろという意味では決してありません。自分という人間を魅力的にしていくために何が必要かと考え、その肉付けのための時間をどう捉えるかという話です。
話が面白い営業マンは新聞を読んでいる、という仮説があったとき、じゃあ「その新聞を読む時間は業務の一環ですよね!?残業代出ますか?」
こんなことを言い出す人間の仕事が情熱的なわけはありません。いちばん最初の話に戻りますが、会社に強制されるのか、自分でやるのか、で捉え方は変わってきます。間違っても着替えや掃除をサービスに含めるという意味には捉えないでください。それは「業務」です。下準備が完全なる業務の場合には遠慮せずにちゃんと労働の対価を主張してください。

という感じで、ついでに自分の考えをまとめてみました。それではまた。

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