コピーと環境問題【宣伝会議への挑戦③】
自宅の壁に大量のコピーのコピーを貼り付け、それを見ながらコピーを書き始めた。
フリーランスでいつも自宅で仕事をしている自分にとって、部屋でPCの前に座りコピーを考えるというのは至って自然、というか当然。
しかし、どうもコピーに集中できない。
自宅というのは誘惑が多い。テレビもあるし、漫画もあるし、ギターもあれば、布団もある。アイデアが出ないと、ついつい誘惑に負けて、気づけば頭からコピーのことがスゥーっと抜けている。
仕事の場合は集中して取り組めるやり方が自分の中にあるけれど、コピーを書くというまだ慣れない作業を集中してやるという方法が、まだこの時できていなかった。
強制集中装置を見つける
そんな時、Kindle Unlimitedで『コピーライティングとアイデアの発想法』という本を読み、とても良い話を見つけた。
この本では、有名なコピーライターの方々のコピーライティングのプロセスが語られている。
その中で、オカキンさんこと岡本欣也さんの話の中に「ファミレスはクリエイティブの理想環境である。」という一節があった。
仕事環境の整ったオフィスよりも、街に出てコーヒーショップやファミレスの方が適度な雑音があって集中しやすいというもの。
なにより、人の目があることで緊張感を保ち、強制的に集中せざるをえない状況に自分を追い込むのだという。
確かに、自分は自分に相当甘いので、自宅だとついつい別のことをしたり居眠りしてしまったりする。
しかし、たくさんの人のいるお店なら、他人の目を人一倍気にする自分は、少なくとも「なんか考えてます」みたいな険しい顔して座っていられるに違いない。
自宅近くにそんな環境があるかな?と考えたところ、わりとすぐ近くにスターバックスがあることに気がついた。
「スタバでMacbook」これはよく耳にする、オシャレの代表みたいなやつだ。コーヒーを飲みながら、コピーを考える、これは最強にオシャレじゃないか。
しかし、ここで少し問題が。
私は普段、コーヒーを飲まない。
コーヒーを飲まないなら、コーヒーを飲めばいいじゃない。
飲まないとは言ったが、飲めないとは言っていない。
コーヒーを美味しいと思って飲んだことはないものの、飲めないというほどマズいとも思わない。それが、私とコーヒー。
そもそも一人でカフェに行ったことがない。一人で注文したこともない。
しかし、快適なコピー環境を得るため、勇気を出して初めて一人でスターバックス利用することにした。
ドリップコーヒーにホットミルクを足したカフェミストを注文し、テーブルに置いたMacBookでコピーを書き始めたのだった。
実際にスタバでコピーを書いてみると、岡本欣也さんの話どおり適度な雑音と、人の目があることで怠けずに集中してコピーを書くことができるではないか!!
家で「眠たい」「やる気が出ない」なんて思っている時でも、ここへ来ればシャキッとスイッチが入る。まさに強制集中装置。
そしてさらに、スタバでコピーを書くことの大きな恩恵を、2つ発見したのであ〜る。
他人の人生が入ってくる
大げさな見出しをつけてみたけれど、コピーを書く時にはそれまでの自分の経験っていうのは重要になってくると思っている。
逆に言うとそれまでに経験したことのないことを書くっていうのは難しいし、そもそも頭の中にそういう引き出しがなければどうしようもない。
カフェでコピーを考える時は、イヤホンをして音楽を聞いたりはせず、周りの音が入ってくるようにしている。
すると、近くの席で会話している人達の声が入ってくる。
別に盗み聞きをするつもりもなく、その会話を集中して聞こうとするわけでもないけれど、自然といろんな人の話が頭に入ってきて、「へぇ〜」と思わされることが少なくない。
スタバには実にいろんな人がいた。
大学が近くにあるので、テストの話や就職の話をする学生さん。
恋人の話をする若い女性たち。
勉強していたかと思うと、シェイカーを取り出しプロテインを作り、飲み始める若者。
頻繁に席を移動しては、隣に座る女子大生に日本語を教わろうとする外国人留学生。
テーブルにカードを並べてタロット占いを始めた占い師の女性は、「友達だから1,000円まけとくわ〜」と2,000円で友人の不倫の行方を占っていた。
自宅にいたら絶対に入ってくることのない情報が、外に行けば入ってくる。自分の人生には無かったものが、コピーを書く時にとても良い刺激になる。
ついでに言うと、外を歩く時もイヤホンで音楽を聞くのをやめ、周りの音を聞きながら歩くようになった。
街ではいろんな人が、いろんな事件を起こしていて実に面白い。
T-SITE最強説
そしてもう一つ。
私の住む大阪府枚方市の駅前には、TSUTAYAが中心となっている複合商業施設の『T-SITE』という建物がある。
その中にスターバックスが入っているわけだが、これが最強。
このスタバは蔦屋書店と併設されているのだけれど、なんとスタバの席に蔦屋書店内の本を持ち込んで読み放題となっているのである。
コーヒー1杯でも注文すれば、店内の様々な本を購入することなく好きなだけ読むことができる。もちろん全ての本は商品なので、うっかりコーヒーをこぼしてしまったり、雑に扱って傷や汚れをつけないよう十分注意は必要だ。
しかし、ルールとマナーをきちんと守れば、コピーライティングに関する書籍はもちろん、気になる本は片っ端から読み放題。
コーヒーの本もあるし、豆乳の本もある、焼酎の本もあれば、SDGsの本まで。ありがたいことに、宣伝会議賞に取り組むにあたって参考になる情報が山のように存在していた。
なんだったら店内を歩いて本のタイトルを見てるだけでもコピーのヒントになる。
自由に読めるとなるといろんな本をチェックするもので、読んでみたら「この本良いな、買うか。」となることも少なくない。
タダで読んでばかりじゃ悪いので、コピー関連の本はいつもここで購入することにしている。取り寄せするまでもなくSKATが棚に並んでいたし、宣伝会議もここで毎号買っている。
そんなわけで、自宅から徒歩5分程度のところにこのありがた過ぎる『強制集中装置』を作ることができたのは、2ヶ月間の挑戦生活で非常に大きかったと言える。
住んでいる枚方がTSUTAYA1号店のあった創業の地でなければ、T-SITEもなかったし、受賞にも届かなかったかもしれない。
今では毎日のようにスタバに通い、カフェミストのショートサイズ(税込み374円)で何時間も居座ってコピーを書いている。ごめんなさい。
ちなみに大阪では、梅田のルクアにあるスターバックスも蔦屋書店の本を自由に読むことができる。ただ梅田だけあっていつも席が埋まっているので、これから大阪で宣伝会議賞に取り組むなら、枚方に住むのがオススメだ!!
なお、このnoteを書いている2020年4月現在は、新型コロナの影響でそのスタバも休業しているので、しばらくは家で誘惑と戦いながらコピーを考えております。
お読みいただいてありがとうございます。
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