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水産業のさかんな地域 実践記録③第3・4・5時

今回の記事は、水産業のさかんな地域の実践記録3、4、5時です。

第3時から第5時までは「調べる」段階なので、同じように進めました。

①前時の振り返りをする(2、3分)

 前時でのことを振り返ります。
 第3時では、2時でどのような学習計画を立てたかを振り返りました。
 その後は、調べる課題の順番を個人個人で再度確認し、学習計画表に記入しました。
 第4時、第5時ではそれぞれ前の時間に出てきたクラスの子のキーワードや学習していたことを紹介しました。

②調べ学習をする(10分+20分)

 その後は、調べ学習を行いました。
 なお、調べる最初の10分は、教科書、資料集を使い調べさせました。
 その後、約20分間は引き続き教科書や資料集を使うことはもちろん、図書室から借りてきた本や百科事典、タブレットを使ってのインターネットでの検索も可としました。
 なお、インターネットの検索では情報を上手に探すことができない児童もいることを考え、司書の先生に協力していただき、小学生にお勧めのサイトやNHKforschoolなどの動画サイトをまとめたものをロイロノートの資料箱に入れていただき、検索がしやすいようにもしました。

また、この調べる段階では一人で調べても、2人やグループでも調べてもよいこと、調べたことを記録するものはノートやタブレットなどどの形式でも良いこととしました。

③調べたことをキーワードにまとめる(1~5分)

 その時間で調べたこと、1時間で大切だと思ったことの中から3つ以内でキーワードを付箋に書かせるようにしました。
 そして、ダイヤモンドランキングという思考ツールに貼らせるようにさせました。
 これは、今回の研究で初めて行った手立てです。
 このようにキーワードて書いて整理し、次の時間でどのようなものを作成したかを交流したのちに、グループでダイヤモンドランキングを作成することを考えました。
 これには、いくつかの目的があります。

①調べたことの記録

 今回の調べ学習では、教科書や資料集、インターネットのサイトなどを読み取りからスタートします。
 もちろん、できる子は調べながらまとめるということもできますが、調べたり、資料を読んだりすることに時間がかかる子も出てきます。
 そのため、インプットだけになってしまわないように1時間のアウトプットという意味があります。
 キーワード3つなのでそれほど難しくなく、どの児童でもできると考えました。

②調べたことを考えたことに変換する

 ②は①とも関連しますが、子供は1時間の中でたくさんの情報を読み取り、まとめていきます。
 そこでは、一見すると情報をきちんと読み取りまとめているように見える子でもできていない場合があります。
 それは、ただの写しになっていることです。
 教科書や資料集で大事そうだと思った言葉や文を記録するだけの子が出てくる場合があります。
 しかし、大切だと思ったことを選ばせることでたくさんまとめたものの中から児童なりに考え、キーワードを選択するという行為をさせることによってただ調べたことが考えたことに変換できると考えました。

③共有の準備

 個別最適な学びの際には、個人での学習が必要になりますが、協働的な学びも必要になります。
 これは中教審の答申でも書かれています。

「個別最適な学び」が「孤立した学び」に陥らないよう,探究的な学習や体験活動等を通じ,子供同士で,あるいは多様な他者と協働しながら,他者を価値あ る存在として尊重し,様々な社会的な変化を乗り越え,持続可能な社会の創り手となることができるよう,必要な資質・能力を育成する「協働的な学び」を充実 することも重要 集団の中で個が埋没してしまうことのないよう,一人一人のよい点や可能性を生かすことで,異なる考え方が組み合わさり,よりよい学びを生み出す
 
 

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)【概要】https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_1-4.pdf

 そのため、個別に学んだものを友達や実際に関わっている他者と交流をする必要があります。
 今回の指導計画では、第6時にその時間を設定しています。
 しかし、調べたことをもとにいきなり調べたことを友達と話し合ってみましょうというと、上手に交流できない児童がいます。
 また、交流する直前に調べてきたことを整理させると多くの児童は前時に調べていたことを中心にまとめてしまったり、調べたことを忘れてしまったりする児童も出てきます。
 そこで、毎時間の終わりにまとめることとしました。

④振り返り(5分)

 1時間の振り返りを行いました。
 今回の振り返りでは、
 「1時間の中で分かったことや考えたこと」「次に調べたいこと」と
 という視点と、
 「キーワードを選んだ理由」
 という2つの視点を基に書かせることにしました。
 1つ目の方は一般的な振り返りで、2点目の方は6時に向けた準備のために書かせることにしました。

以上のようにして調べる時間の授業を行いました。
第4時では、自治体での研究授業も兼ねて行いました。
子供たちは、調べる際に意欲的に取り組んでいる児童が多かったことやキーワード化などのよさについては好意的な感想を多くいただきました。
一方、本当に知識が身に付くのか、一人一人の学習の見取りが難しいなど不安な部分もあり、今後の検討も必要だという意見もいただきました。

どのような授業をするとよいのか考えながら今後も授業に取り組みたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後に、この時間に使ったワークシートを載せます。

ワークシート(学習計画表の横には、振り返りを記入させました。)

感想や反応などいただければ幸いです。
では、また。 

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