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原晋監督がAT1債で資産を失った理由

少し前になりますが、箱根駅伝で有名な青学大・原晋監督が投資で大損をしたという記事が出ていました。

今年の3月に話題になったスイス・クレディ銀行の破綻にともない、同行が発行していた「AT1債」という社債が無価値になったのですが、、、

原監督はこのAT1債を保有しており、被害を受けてしまったそうです。


彼はなぜ資産を失ってしまったのでしょうか?

そこから我々は何を学ぶべきなのでしょうか?


AT1債とは?

AT1債は金融機関が発行する「社債」の一種であり、利回りが高い分、債権者の保護は手薄い債券です。

金融機関が破綻した際に、債券が紙切れになってしまうこともあるため購入には注意が必要です。

金融庁の調査によると、クレディ・スイスのAT1債は、日本国内で1,400億円程度が販売されていたとのこと。


原晋監督が資産を失った理由

原晋監督が大損しまった理由は三つあると思います。

一つ目は、そもそもリスクの高いAT1債を投資先として選んでしまったこと。

債券はリスクが低い金融商品として認識されている方も多いと思いますが、債券という一括りの中にも、いくつもの異なるタイプが存在します。

その中でAT1債は、金利が比較的高い「ハイリスク・ハイリターン」な債券です。

さらに、しくみが複雑で分かりにくい(=リスクも理解しにくい)こともあり、そもそも投資対象として適切とは言い難いと思います。


二つ目は、クレディ・スイスのAT1債だけに集中投資していたこと。

もし、たくさんの投資対象の一つとして保有していたなら、それほど被害は大きくなかったでしょう。


そして三つ目は、相談する相手を間違えたこと。

原晋監督は「ローリスク・ローリターンの投資先を紹介して欲しい」と金融機関の担当者に相談していたそうです。

それなのに、提案されたのは永久劣後債とも呼ばれるリスクの高い債券だったのです、、、


この事例から学ぶべきこと

自分の大切な資産を、しっかり守りながら増やしたい。

そう考えて資産運用を始めたのに、大きな損失を抱えてしまったときのダメージは計り知れません。

大損しないためにもっとも大切なのは「分散投資」です。


株式、債券、不動産などの投資先に関わらず、

ひとつの対象に集中させることなく、たくさんの対象に分けておくこと。

「タマゴを一つのカゴに盛るな」という有名な格言のとおり、投資先を分散させることは基本中の基本です。


また、投資について相談する相手を間違ってはいけない、ということも大きいです。

日本では多くの人が、「投資商品を売っている金融機関」で相談するという行動をとっています。

原晋監督もそうでしたね。

私はクライアント様に対して、次のような理由で金融機関の窓口での相談はしないようにとアドバイスしています。

・顧客ではなく、会社にとって利益がある商品を勧める構造になっている
・担当者が投資経験豊富とは限らない
・すぐに担当者が変わってしまうため、長期の相談ができない


お金のアドバイザーを探すときは、真に顧客のための提案をしてくれる専門家を見つけることが肝要かと思います。

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