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円安のいま、「やってはいけない投資」はなにか?

前回は、円安でもつみたてNISAを始めて大丈夫な理由について説明しました。

一方、現在のような円安下で、絶対にやってはいけない投資もあります。

それは、「外貨預金」や「外貨建て保険」への一括投資です。

これらをやってしまうと、自分の資産を大きく減らしてしまう危険性があります。

その理由について、解説したいと思います。


金利よりも高い手数料

円と比べて金利が高い外国通貨で運用できる

というのが、外貨預金や外貨建て保険に共通する売り文句です。

しかし、実はこれらの商品は手数料が高いために、けっきょく大して増えない可能性が高いのです。

まず、円貨を外貨に替えるときや、外貨を円貨に戻すときに「為替手数料」がかかります。

外貨建て保険にいたっては、為替手数料だけでなく、保険の運用手数料、解約時の手数料など、まさに「手数料のオンパレード」な商品です。


円安下の一括投資は超危険

現在のような円安の状況で、まとまった資金を一度に外貨預金や外貨建て保険に投資するのは、絶対に避けたほうが良いと思います。

なぜなら、もし今後円高になったら、資産価値が大きく目減りしてしまうからです。

たとえば、本日(2022年7月26日)は1ドル136円程度ですが、このタイミングで100万円を米ドルに交換したとします。

もし1年経って、1ドル100円まで円高になったとしたら、、、

100万円 ✖ (100/136)≒ 73.5万円

となり、100万円の元本から26.5万円も資産価値が減少してしまいます。

「そんなに円高になるの?」と思う方は次のグラフを見てください。

米ドル/円の推移(Investing.comのデータを元に筆者作成)

2010年~2012年ごろは、1ドル80円くらいまで円高になっていました。

たった10年前に発生した円高時代が、今後は来ないと言える根拠はあるでしょうか?


積み立てならOKか?

では、一括投資ではなく、毎月定額を積み立てるならどうでしょう?

一括投資よりは、かなりマシだと思います。

しかし、先に説明した通り、外貨預金や外貨建て保険は手数料の高さにより「資産を増やす」目的にはそもそも適していません。

将来資産を増やすために積立投資をするなら、つみたてNISAやiDeCoの運用商品に代表される、株式を中心とした投資信託を選択するほうが、はるかに効果が高いと言えます。


過去に契約した人は、解約のビックチャンス!?

少し補足すると、もし過去に(特に円高の時期に)外貨預金や外貨建て保険に投資した人は、円安のいまが解約できる千載一遇のチャンスと言えるかもしれません。

解約した場合の受取額がいくらになるか、一度調べてみると良いと思います。


高金利をうたい文句にして、銀行や保険会社からの勧誘が皆さんやご家族宛てに来るかもしれません。

そんなとき、この記事を思い出して誘いに乗らないようにしていただければ幸いです。

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