見出し画像

「地頭力を鍛える」【読書日記】

1.はじめに

地頭力は鍛えるものではないと思っていた。

日々仕事をしていく中で、以前よりクライアントの前に立って提案や議論をする機会が増えていき、適切に要点を伝えていくことの難しさを感じ始めていました。

そのような状況で力を発揮するためには、どのように物事を捉えて、どのように状況に応じて整理していくかという汎用的なスキルが必要であると思いました。

そんな中で手にしたのが、「地頭力を鍛える」という本。
表紙を見て「汎用的な力を付けるヒントになりそう!」と思ったと同時に、「地頭力って鍛えられるものなの、、?」「地頭力って先天的に決まっているものでは、、?」という疑問も同時に湧きました。

今回は「地頭力を鍛える」の内容を抜粋して説明しつつ、私が感じたことも交えた記事を書いてみました。

2.地頭力とは

本では地頭を「考えるために基本となる力」と定義をしており、そのため、地頭力は訓練によって鍛えることが可能なのです。

そして、地頭力は以下の3つの要素から構成されています。

  1. 仮説思考力(結論から考える力)

  2. フレームワーク思考力(全体から考える力)

  3. 抽象化思考力(単純に考える力)

最初に地頭力と聞いた時は、もっと複雑な要素が絡み合っているのかと思っていましたが、3つの要素を見てみると思っていたより難しい内容ではなく、日頃の意識次第で鍛えられそうだと感じました。

3.地頭力の必要性が高まっている

今のように情報が溢れかえっていない時代では、「知識・記憶力」を持った人がビジネスに必要とされていました。
しかし、情報過多な現代では、検索をしてしまえばすぐに知識を得られるようになってしまい「知識や記憶力」必要性が薄れてきているため、物事を考える「地頭力」がより一層重要視されています。

暗記科目が得意で学校では優秀な成績を残していた人が、ビジネスではうまくいかず苦労するという話を聞いたことがありますが、それは「知識・記憶力」があるが「地頭力」が足りていないということなのではないでしょうか。

4.仮説思考力

地頭力の構成要素を仮説思考力から一つずつ説明していこうと思います。

仮説思考力は、一言で言うと「結論から考える」力です。
もう少し具体的に言うと、いまある情報だけで最も可能性の高い結論を想定し、常にそれをゴールと意識した上で、検証を繰り返して仮説を修正しつつ最終結論に至る思考パターンのことです。

また、「はじめ」からではなく「終わり」から考える。「手段」ではなく「目的」から考える。というように様々な考え方に応用が効きます。
実際の仕事では、「顧客開拓を行う際に、潜在顧客の課題や需要を予測して最適な提案をする」「プロジェクトで各タスクの難易度や時間を予測して最適なリソースを組む」というように活用ができます。

仮説思考力が高い人は、フェルミ推定(実際に調査することが難しい数量を、最低限の知識と思考力を使って短時間で推定する手法)をすんなり解くことができます。
本書ではフェルミ推定の問題(Q.日本全国に電柱は何本あるか?)が出題され、私も取り組んでみたのですが、見当を付けることが難しく思うように解けませんでした、、

5.フレームワーク思考力

フレームワーク思考力は、一言で言うと「全体から考える」力です。
課題の全体像を俯瞰する「全体俯瞰力」と、捉えた全体像を最適な切り口で切断し分解していく「分解力」で構成されています。

フレームワーク思考力が高い人は、万人が理解できる絶対座標を用いて、誤解のないコミュニケーションを取ることが出来ます。
実際にプロジェクトで議論を進めていくにあたって、いかにこのスキルが重要かを思い知らされました。
話し手の視点に立って前提条件の確認から行い、話し手に合わせた言葉の使い方が出来たシーンでは、円滑なコミュニケーションを取ることが出来ました。
多くの人が関わり、複雑なタスクが絡み合うプロジェクトであればあるほど、活きてくるスキルなのではないかと思います。

6.抽象化思考力

抽象化思考力は、一言で言うと「単純に考える力」です。
対象の一番の特徴を抜き出して「抽象化」した後に、それに対する「一般解」を導き出して再び「具体化」する思考パターンです。

個人的な感覚ですが、この力が一番日常生活において密接で、日常生活の中で鍛えることが出来るものだと感じています。

わかりやすい例で言うと、芸人の例えツッコミがそれにあたるのかと思います。
フットボールアワー後藤さんの有名なツッコミフレーズである「高低差ありすぎて耳キーンなるわ!」の例に説明してみましょう。

  1. 事象:さっきまで盛り上がっていた会話が急に静かになった

  2. 抽象化:その状態を「高低差」という言葉に抽象化

  3. 一般解:飛行機などで高低差がある時は耳が痛くなる

  4. 具体化:「高低差ありすぎて耳キーンなるわ!」

このような4ステップになるのではないでしょうか。
ここまで綺麗に日常的にツッコめという訳ではないですが、会話の中で共通点を見つけていく作業は良いトレーニングになるかと思います。

7.さいごに

当初持っていた「地頭力」が先天的かつ複雑なものという固定観念は払われ、日常的に鍛えることが可能な汎用的なスキルであることが理解できました。
「結論から」「全体から」「単純に」という3つの要素を覚えておくだけでも、日頃の生活での考え方の意識が変わってくるのではないでしょうか。

3つの要素はもちろんすべて重要ではありますが、特に「結論から」考える仮説思考力を意識して業務に取り組めたらなと感じました。
また、結論から考えることで目的が明確になり、結果的に業務のクオリティ向上、個人のモチベーション向上に繋がると感じました。






いいなと思ったら応援しよう!