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神話外痕跡

■痕跡1

・国道の車窓から、走る車と空気の間に風が生まれ、側道のススキが、でも、多分、ススキではない春の白い植物たちが揺れていた

・名も知れないその植物、雑草かもしれないものたちが、ただ、外気に、風に吹かれて揺れていた

・その生命力のなさのようなものに、ただ、吹き晒されるもの、を想い、見つめていた

・ふと、何かが、反転した。していた。その生命力のなさそのもののような植物は、燃え上がっていた

・彼らは、ほんとうに、自ら、真に、自ら、燃え上がり、ゆらぎ、風を吹かせ、車に染み入らせ、わたしの瞳にその炎を伝えた

・生命力なんてものではなかった。生命そのものとして

・わたしには、そのことが、わかった

・名も知れない焔


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