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「弱音」が8000kmを繋ぎ、チャンスを繋ぐかも。

私のTwitterを読んで頂いた人には、簡単ではあるが、つい先日の私の状態を簡潔ではあるが知っていると思う。
私にとって本当に貴重な1日で会ったため、これからの教訓にすべくnoteに記したいという私自身のためでもあるが、海外挑戦をしている人たちが自分の身に起きる可能性があり、その時にどうか耐え抜いてチャレンジをやめないでほしいという(まだ渡航して2週間の男ではあるが)私の願いも含んでいる。


私は今日、悔しさのあまりひどく落ち込んで、
こんな事態にも関わらず、
この「悔しい」をぶつけることのできる親しい誰かがいないと気づいた時、
極度の孤独感に襲われて、心臓が抉られ同時に全身の血の気が引いた感覚が襲うというという、まさに危険状態へと陥った。

練習参加二日目、最後の攻防のメニューに加われず、俺は時間潰しの2on2ミニゲームに追いやられた。昨日、感触が悪かった訳ではない。今日絶対やれると、マインドセットして臨んだ矢先だ。全くポジティブな状況ではない。

(ああ、このまま俺のチャレンジは終わってしまうのか。いっそのこと、帰ってしまおうか。
ここからバスに乗って首都へ出れば、バスターミナルからタクシーで空港へ向かってもお金も時間もそんなにかからないし、
渡航費も余ってるから余裕で日本に帰れるんだろうな。

帰ったらみんなに会ってご飯食べたいな、まず食べたいのはラーメン。
またラーメン巡りでもするか。
この場合、実家に帰るべきか、東京の友達の部屋に潜るか、、、。)

1部練が終わって、陽気なリトアニア人のルームメイトと部屋に帰ったあと、
練習中に水を飲む文化にないチームで異常なほどの水を欲していたのと、
とりあえず1人になりたいのとで、
寒い北欧の雪の中を歩いて買い出しに行く。
これは、その道中での俺の頭の中だ。

親しい誰かに話さなければ、俺は発狂したのち、本当にバスに乗り込んでしまいそうで、買い出しから部屋に戻ってルームメイトのいるところからは離れた台所で、親しい人に電話した。

自分自身がこんなにも弱いことを知った。
海外で挑戦する本当の難しさを、早々に思い知った。


「悔しさ」が、「寂しさ」に変わってしまうのが、この道の怖さである。

抱いていたはずの感情が、無意識に全く異なる感情へとすり替わるのだ。
その間、誰にも邪魔されていない、違う考え事が浮かんだわけでもない。
間違いなく初めての感覚だった。

そして強烈な孤独感を感じた時、身体はこのような反応をするのかと恐怖を覚えた。


そんな孤独を解放してくれたのが、仲間、家族だった。
仲間や大切な人がいることの心強さを本当の意味で実感した。

そう、わかる、耳にタコ。
良くある話、仲間、家族は大事だよね、常套句だ。
なんて思うだろうが、

でも私が伝えたいのはそういうことじゃない。
私が伝えたいのは、そんな彼らの感じ方だ。

皆んなと離れ離れになることを覚悟して挑んだんだ、
同期や友人が頑張れと空港まで見送ってくれた、
渡航の準備を手伝ってくれた、
現地は寒いからと、同期や縦割りの後輩が防寒具を贈ってくれた、
これ、もってけ。って自分のユニホームや新品のスパイクにメッセージを書いて贈ってくれた、
泣いて送り出してくれた、
家族が大金を叩いてチャレンジを後押してくれた。

だから、彼らに弱音なんて吐いてはいけない、
どんな辛いことがあっても気丈に振る舞うんだ!は、

本当に危険だ。(少なくとも私は)
マジで危険です。

そんなことを考えてしまうのは、
チャレンジを早く終えてしまうことになると、あの時確信した。

あの状態で、さらに自分を孤独へと導くことをすれば、
まさに火に油、精神的に本当に危険な状態に陥る。プレーどころではない。

「死ぬほど寂しい」
私はあの時、電話先で泣きながらそう伝えた。
こんなにもわかりやすい弱音を吐いたのはいつぶりだろうか。
言った私本人がその言葉の響きに驚いた。

でも、それがよかった。

「ああ、ちゃんと彼らがいる、確かに近くにいてくれている」
と、孤独は消し去られ、本来の悔しいという感情だけが明確に現れた。

そう、つまり、

「弱音や辛いことは、すぐに吐き出す。言葉や文字にする。
 弱っていると誰かに、どこかにさらけ出す。」

これがチャンスを引き寄せ、この挑戦を長く続けるための大事な要素であると、私は思う。


仲間を感じることはモチベーションにつながる、ただ強がるのは別物で、禁物。
俺は大丈夫、絶好調と偽るのは本当に良くない。
そういう人は確かにメンタル強くて格好良いが、そうしてキャパオーバーした時にはもう遅いのだ。想像しただけでゾッとする。あの孤独感はなかなかの怪獣だった。

怒られればいい。
『何言ってんだお前!お前がやりたくて決めた道だろ!中途半端に終わるんじゃねーよ。お前の渡航にどんだけの人が労力使ってくれたと思ってんだよ」って。

そんなこと自分が一番わかってて、次何すればいいのかなんて俺が一番理解してるんだから。

要は、
そう言ってくれる仲間がいてくれることを実感することが何よりも重要だ。

怒る人だけじゃない、
優しく頷いてくれる人、
ダメだったら帰って来ればいいんだよって言ってくれる人、
アドバイスをくれる人。
そんな最高に頼れる人たちが私にもいるという実感が、孤独感を解放してくれる。

心も頭もすぐに切り替わってくれるし、自分が強くなれた気がする。

そして、ここで改めてこう思う。

仲間って最高だ。

人生最大と言っていい試練を彼らに救われたことで、さらに彼らへの尊さを実感する。
これからもずっと大切しなければと、
本物の感謝の意がこの挑戦へのモチベーションを高めてくれる。

弱くていい。
弱いと知っていることが、何よりの強さだと、彼らの存在が気づかせてくれた。

だから、LINEや電話だけじゃなく、SNSでフルに弱さを曝け出していきたい。
(さらけ出せるツールがあるこの時代にも心から感謝したい)


電話先でしっかり涙を吐き出し、夜の2部練。
9vs9の紅白戦で得点を決め、その直後にトレーニングが終わった。
三日目、またしても省かれTR。
中野さんにチーム変えたほうがいいかもしれないと、すぐさま連絡。
とりあえず明日までと、迎えた四日目。
ほぼフルピッチコートで11vs11の紅白戦。
ペナ外中央で受けてターンしたのち、スーパーミドルシュートが決まる。
結局、まだこのチームで練習参加している。

日本から約8000km。
私のチャンスはここに落ちていると信じて、8000km先に向けて弱音を吐きながら、8000km先に吉報を届ける。


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