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未来2017年

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2018年1月の記事一覧

未来2017年12月

ボールペンのインクに浅く窪みたる紙を見ており定時の後に
電車内に微睡む人の歯が見えて長く、長く疲弊している
一つ一つ明るい駅に停まりたる環状線に動く電車は
私の為にすり減るブレーキが擦り切れるまで山を降りぬ
水に触れて柔らかくなる指先の一つ一つが秋の静けさ
どこかしら気づついており指先にうすく匂っている草原よ
色を持つ言葉が欲しい内蔵の暗さをもって私は叫ぶ
草原の水の匂いに濡れているリュックサック

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未来2017年11月

傾いたサンドイッチの内側にたわんでおりぬひとひらのハム
私だけに聞こえただろうプルトップに触れた前歯が音をたてたり
『やさしいJava』第6版に挟まれた補充注文カードの黄色
少しだけ右クリックの反応がかたきマウスをあてがわれたり
パソコンの電源ボタンを見ておりぬそれはかそけき光を灯す
メキシカンチップの薄き数枚を摘んでおりぬ残暑の夕に
傘用のビーニール袋を捨て忘れただ掌を濡らしてしまう
飴玉を舌で

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未来2017年10月

小走りに牛丼を運ぶ店員に汗匂いたりすれ違うとき
ボールペンを入れっぱなしのジーンズの内側にある黒い模様は
珈琲のグラスを覆う水滴を指で何度も削ぎ落としたり
親指の爪がやたらと伸びている履歴書を書く時に見ており
三つ折りの履歴書が持つ厚さほどの紙おしぼりに指を拭いぬ
指先は燃えやすい色わたくしはライターの火を恐れ続ける
タルトの上に犇いているラズベリーの一つが溢れたあとの窪みは
雑居ビル二階の廊下の

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