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変わりゆく街

街もある意味生きているので、定期的なメンテナンスは必要だ。

これまでの街並みを残すにしても、街として機能するためには手を入れる必要があるし、時代に合わせて変えるとなれば、それは大きなうねりとなって街を飲み込むことになる。

新宿駅周辺は、街の大改革の真っ只中だ。

西口周辺では、複数のビルの建替えが進んでいて、今かなりカオスである。

今、特に目立つのは、小田急百貨店の全面建替えだろう。

新宿駅西口駅舎のごとく聳え立っていた建物がまるっきりなくなってしまった。
途中で途切れさせられたペデストリアン・デッキからは、見ることのできないはずの新宿駅ホームや東口駅ビル・ルミネエスト(旧・マイシティ)の駅側の壁、代々木のNTTタワーまで一望できる。

西口を背に振り返っても、元々向かい合っていたスバルビルと明治安田生命ビルが双方とも全面建替えで姿を消している。

新宿駅西口地区は、旧淀橋浄水場の開発から生まれた街区なので、その頃建てられたビルはいずれも何かしらのメンテナンスが必要な時期になっている。

かと言って、都内有数の都市に発展しているゆえ、再開発には困難も伴い、大きな工事にならざるを得ない。

うねりのような再開発はまだ動き出していないものもあるので、この先長くかかるだろう。

その途上の時期の記録はまた、再開発が完成した頃には貴重なものになるに違いない。

この先、京王百貨店も地下にある京王線新宿駅とともに全面建替えが予定されているとのこと。
そうなるとまた風景が変わる。

街は変わる。

残るにせよ、作り替えるにせよ、その姿は時代に合わせて変わっていく。

変わり始めると記録したくなるのだが、同時に当たり前の日常を残しておけばよかったとも思う。

新宿は八王子市の京王沿線で一人暮らししていた頃から縁のある土地だった。

若い頃よく行ったお店も何軒かはなくなった。

なくなってから懐かしむのは、必定だけどどこか寂しい。

その時、どこかに記録が残っていたらと悔やんでも大抵遅いのだ。

今まで残っているものだって、いつどんな形で失われるか知れない。

諸行無常と言うけれど、いや言うからこそ、今の当たり前を何かで残しておきたい。

新宿の変革からそんなことまで考えてしまう。
歳とったということか…?

(撮影日:2024年6月21日)

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