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【レビュー】シャリ・シャリズム

曲名に付いているマークの説明

☆:抑えておくべき米米CLUBの代表曲
★:抑えておくべきジェームス小野田の代表曲
◯:隠れたいい曲
●:クセがすごい

<概説>

1985年発売のデビューアルバム。
オリコン最高35位。
タイトルは、寿司でご飯をさす「シャリ」と、「リズム」、「-izm」を合わせた言葉。メンバーで立ち上げた事務所の名前でもある。

1.フィクション

1枚目のアルバムの1曲目を飾るナンバー。
厚みのあるホーンセッションと軽やかなサウンドに絡みつくようなカールスモーキー石井のボーカル。
その点では米米の始めの一歩に相応しいのかもしれない。
が、表現されている世界観が謎すぎる。

2.I•CAN•BE ☆

このアルバムと同時発売された1stシングル曲でもある。だからと言って「デビューシングル」と表現できるかは微妙。元々ライブで数々の楽曲を生み出しているからだ。
とはいえ、初期の米米を代表する曲であることは間違いない。
サウンドもボーカルも“The 米米”である。
内容は振られた未練をカッコつけている男のモノローグ、タイトルは明らかに「あっかんべー」のもじりだ。でも、かっこいい。

3.ニュースタイル ●

3曲目でもうこんなのもってくるんか。
いや、音はかっこいいんだけど。
海外のファッションショーで見る前衛的なファッションとか、繁華街で街の喧騒を薙ぎ払う個性的なファッションとか見るとこの曲が浮かんでしまう。
特に2番の歌詞が耳から離れない。クセになる一曲。

4.エクスクラメーション・マーク

サウンドもボーカルもスタイリッシュで米米のかっこいい部分が全開のナンバー。
ただし、なんというか、世界観がつかみきれない。謎。
1曲目「フィクション」の謎世界観に繋がる感じもあり。

5.Oh My Mind ◯

前の曲までとは異なる曲調でアクセントをつけると同時に、中締めにピッタリの一曲。
カセットテープの時代において、A面の終わりにあたる位置にそれなりの曲がくるのは他のアーティストにも見られることだが、まさにその位置付けにピッタリ。
曲調から浮かぶのは、オリエンタルな空気感と遠く離れた愛する人を想う温かい気持ち。まっすぐに受け止められる純愛ソング。

6.かっちょいい ★

前の曲がA面の終わりということは、この曲がB面の始まりということになるが、そこにジェームス小野田の代表曲を当ててくるのが粋である。
代表曲になるのはこの後なのだろうが、必然でもある。
世界観としては謎だが、とにかくかっちょいい。タイトルに偽りなし。

7.SPACE

曲名の通り、宇宙を感じる曲調。
スローなテンポに気だるげで艶かしいCS石井のボーカル。
目の前の彼女に惜しげもなく賛辞を贈る歌なんだと信じたい。目の前にいるのが彼女じゃなかったらとか、そもそも目の前に誰もいなかったらとか考えると少し怖い。
SPACEが宇宙なのか空間なのかも少し自信がなくなってきた。

8.だからからだ

軽やかなポップな曲調。
前の曲調とガラッと変わっているのに、なんとなく内容は被っているというか、続いているというか。
イチャついてるカップルの歌だと信じたい。一方的に迫ってるとしたらかなりヤバいヤツになってしまう。2番の歌詞からすると少し怪しい。

9.ノン コンプレックス

重いサウンドとスローなテンポでまた異なる曲調。
内容的には、3曲目の「ニュー・スタイル」のアンサーというか、言われてる側なのかもしれない。

10.リッスン

軽やかなリズムに甘いボーカル。1stアルバムの最後にしっかりまとめてきた印象もある。
深読みすると、この歌の主人公って生きてるよね?形あるよね?って気になるようなならないような。
「どこを見てるの?僕はここにいるよ」って、どういうシチュエーションなら出るセリフなんだろう?

<総評>

米米CLUBがもつバリエーションを余すところなく表現しているという点では、いかにも1stアルバムという仕上がり。そんな中でもしっかり米米にしか出せない世界観を忍ばせているのはさすが。
「ライブこそ米米、レコードはノベルティ」という初期の姿勢は、まだ好きにレコーディングさせてもらえない状況に対する反抗なのだろうが、その反抗さえもしっかり楽曲で表現しているところも強く感じる。
1stアルバムではあるが、世界観にクセがあって、これから米米を聞くという人が最初に手にするには向かない気がする。
米米にハマった人には、初々しい米米を感じられるのでオススメ。

<ジャケット>

画像1

初版は当時のメインメンバーが並ぶ↑この↑ジャケットだったが、再販時に↓こちら↓に変わった。

画像2

2枚目以降のアーティスティックなジャケットに合わせたのか、脱退した博多めぐみが入っているからなのか。その両方か。

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