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#16 92歳女性へのインタビューとハンズ銭湯部部長へのインタビュー

7月10日(月)

週末にたくさんの人に会った興奮がまださめない。疲れているからなのか、ごみの日を間違えた。

月水金はいつもはカフェ勤務の日だが、土曜日のリニューアルオープンに向けて内装に手を入れるとかで今週は臨時休業。
朝から手描き人生マップのインタビューのため、92歳女性のご自宅に向かう。
グループホーム入所が決まったので、ご本人が記憶しているこれまでの人生を自己紹介的に記しておきたいとの息子さんからのご依頼だ。

認知症の症状がある方へのインタビューは初めてで、お話を上手に引き出すことができるのかという不安もあった。でも、お話が始まるととにかくその内容が興味深く、ぐいぐいと引き込まれる。

当時は妊娠しても働き続けることのできる会社は少なく、違う会社へ移らざるを得なかったこと。夫がベ平連のメンバーで、脱走兵の逃走支援をしたこと。とにかくエピソードの一つ一つがおもしろく、情景が目に浮かぶようにお話してくださる。
話は時系列に沿ったものではなく行ったり来たりし、同じ話を繰り返すこともあったが、人生の中でどの出来事がとりわけ深く彼女の中に刻み込まれているのかが、却ってよく分かった。
インタビューには息子さんが同席し、内容を補足してくれたので、事実確認もしやすかった。約2時間のインタビュー。かなりお疲れになったのでは?
デイサービスに送り出し、わたしも駅まで車で送っていただく。

午後はインタビューメモを見ながら、どのエピソードを残すか考える。1枚にまとめるという性質上、聞いたお話を全て描くことはできない。
話に出てきた固有名詞(会社名や人名など)についても調べる。今回はお話に出てくる方の中で本を出版している方がいることが分かったので、それも図書館に予約。調べものは楽しい作業なので苦にならない。手描き人生マップを作っている間は、その方の人生に一緒に入り込むので、違う世界を生きているようなふわふわした感じになることが多い。ラフスケッチを少し描き始めたところで力尽きた。

7月11日(火)

個展在廊も5回目。
今日はレボン快哉湯で、手描き人生マップのインタビューを行った。銭湯ライターでもありハンズ銭湯部部長という肩書を持つ方に、銭湯だった場所でインタビューできるなんて!

インタビュー前には、その人について可能な限り調べてから臨む。SNSをやっていれば投稿をチェックするし、過去のインタビュー記事があれば読み漁る。「ここまではあなたについて知っていますよ」という前提で話を進めたほうが、掘り下げた深い話が聞けるからだ。
銭湯ライターの佐藤明俊さんはフェイスブックの投稿が多かったので、3年分ぐらいさかのぼって読んでみた。

勤続10年のリフレッシュ休暇の話がおもしろかった。ちょうど、ロサンゼルスに住んでいた叔母さんに会いに行こうと思っていたら、なんと浅草ROXの歳末大抽選会でラスベガス&ロサンゼルスの旅10日間を当てたらしい。なんなんだ、この引きの強い人物は。
文章もわたしの好みで、たぶんこの人とは楽しいインタビューになるだろうと、お会いする前からわくわくしていた。

お話をしてみたら予想を上回るおもしろさだった。
初恋のマリちゃんの話や、刑事ドラマに憧れて尾行や張り込みが大好きだった子ども時代の話から始まり、「公私混浴」(勤め先に自分の趣味を持ち込むことを表す佐藤さんの造語)をやらせてくれるハンズの大らかさのある社風についてなど。詳しくは手描き人生マップにまとめます。

ランナーズ銭湯として有名な「堤柳泉」という台東区の銭湯についても教えてもらった。ランニングを趣味とするわたしにとっては、ランニング・銭湯・ビールはいつもセット。Googleマップのいつか行きたいところリストに保存した。

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