酒蒸しはマジでキッチン革命かもしれない
デイリーポータルZが好きだ。
noteなんて読んだり書いたりしている人はたいていインターネット大好きっ子のはずなので、いまさら解説なぞ不要だと思うが念のため説明しておくと、デイリーポータルZは愉快なネット記事を毎日更新しているおもしろWebサイトだ。一般にネット記事というと「ゴシップばっかり」「とがった記事ばっかり」などと思われがちだが、デイリーポータルZはそうしたネットの印象とはだいぶ違う、ほっこりしたおもしろ記事が詰まっていて、読むとためになることも時々ある。
例えばこの記事。酒蒸しという調理法の持つ汎用性について書かれている。酒蒸しというと「アサリ」を連想しがちだが、じつは肉や魚、野菜までさまざまな食材の調理に向いていることを、この記事で知った。初出は2019年2月だが公開時には気がつかず、そこから10カ月ほどたった昨年末に見つけて読んだら見事にハマった。とりあえず読んだことのない人は読んでみてほしい。
そして先日ついに、記事にある「鶏の酒蒸し(野菜入り)」を試してみたのだが、これがまぁうまかった。ふっくらしていて柔らかく、ジューシー。塩と素材のうまみだけの、やさしい味付け。でも皮は適度にパリパリ。一人一枚はペロッといける。まずはもも肉を蒸してみたので、今度は胸肉でやってみるつもりだ。
「たかが酒蒸しに何をそんなに」と思うかもしれない。違うんだ。聞いてくれ。「たかが」じゃないんだ。この酒蒸し法のすごいところは、調理器具にフライパンを使っているところにある。フライパン――しかも最近のテフロン加工の――であれば油をひかずとも、焦げ付かず焼き目を付けることができる。持論だが、焼いたタンパク質はうまい。焼き目が付いてカリッとしたところがめちゃくちゃうまいのだ。だが油を使って焼くとどうしても、もったりしてしまう。それがこの酒蒸し法なら解決できる。蒸し器ではなくフライパンを使うことで、蒸す+焼くのいいとこ取りが可能になるのだ。なにそれすごい。天才かよ。考えたの私じゃないけど。
そんな具合に、今ではすっかり酒蒸しのとりこになっている。
酒蒸しをするために2リットルの日本酒も購入した。
自宅で仕事をしていた今日の昼は、冷蔵庫にあった豚バラ肉を酒蒸しにして、酒がなくなりきる前に、これまた冷蔵庫にあった野菜を適当にカットしてぶっこみ、酒がなくなったらそのまま軽く炒めて、八宝菜チックなあんかけにして食べた。油をいっさい使わずに炒め物(らしきもの)ができたことで、なんとなく勝ったような気持ちになる。元記事の著者であるパリッコさんは記事タイトルに「平成最後のキッチン革命」と入れていたが、うん、たしかにこれは革命かもしれない(なお、最初の部分は「平成最後の」って言いたかっただけだと思う)。
さあ、今日も張り切って夕飯を作るぞ。
今夜のメニュー? そぼろ丼ですが何か?
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