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64才BESTY・腎移植へのMasterplan㉛2024年5月24日~ICU2日目~

ただ寝てればいい、というのがこれ程までにもツラいのか。
この日は私にとって、人生一苦しい地獄の1日となった。
傷の痛みはまったくないのに、傷から離れているおっぱいとおっぱいの間の1点がピンポイントで痛くてたまらなくなった。まるでキリのような鋭いものでグイグイ突かれているような……。
超音波やレントゲンで診てもらっても、何が悪いのかさっぱりわからないのだそう。そのうち、胆石説まで出てきた。確かに大きめの胆石はあるけれど、今まで沈黙していてこのタイミングで?

上半身を起こしていれば少しは耐えられるのだけど、フラットになると息ができないくらい猛烈に痛みが走り、「早く、早く上へ!」と、身もだえる始末。一生横になれないのじゃないかと心配になる。

それが1日中続いた。
苦行以外の何物でもない。ずっと眉間にシワが寄っている。
もう二度とICUになんか入りたくない。まるで子供のように「はやくおうちに帰りたい」と、駄々をこねたくなった。
あの、玄関脇の藤棚のツル、切っても切ってもすぐに伸びて手を焼いていたが、今はそれすら愛おしい。

ICUは、私物を一切持ち込めない。もちろん、スマホも。だから得意の脳内再生で、ビーファのプレデビュー曲からひとつずつ、歌いながらMVを頭に描き出す。それしか痛みから逃れる術がない。

痛み止めの点滴をガンガン入れてもらったおかげか、1時間ぐらい眠って、起きたら痛みが幾分和らいでいた。やっと朝だ。
泣きたいくらいしんどい日となったけど、わずかな救いは鼻の管が取れたことと、45°までギャッチアップできたこと。小さな幸せ。

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