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「水は海に向かって流れる」のヒロインは當真あみ

広瀬すずの魅力がいまいちわからないので、今まで作品を避けてきたけどはじめてアマプラで出演作を見てみた。

完膚なきまでに国民的女優をディスって申し訳ないが、広瀬すずといえば顔がきれいなだけでセリフは抑揚なしの棒、表情は固まっていて役者としての表現力がまるでない。

本当に退屈な女優。

顔がきれいなだけならモデルでもやってていただいて、ドラマや映画には出ないでほしいなーというのが本音だ。

人には適材適所というものがあるのだから、彼女は演技という表現方法をしなくても、スクリーンの中以外にもっと輝ける場所があるだろう。

ヒロインの榊は淡々としている大人の女性、という役設定だから全体的に感情が出ない演技をしているのだろう、というのとは訳が違う。
あれはただの単なる棒で、表情も皆無。
広瀬すずはいつもそうだが、「わたし演じていますよー」という存在感が拭えない。
その証拠に感情を出す場面のはずの、酔っ払っいながら川沿いで過去のことを語るシーンも、腕相撲のシーンも、後半母親に怒鳴るシーンもなにひとつ心を揺り動かされない。

役が彼女の中で一致していないので、このキャラそんな表情する人だっけ?そんな話し方の人だっけ?そんなふうに怒鳴るんか?そんなふうに海で主人公とじゃれる?どこから?どこから心開いたん?なにかきっかけあったん?どこからどんな経緯で?とブレブレになり、疑問符が多くて説得力があまりにないんだ。
榊という人が存在していたとして、この人ならそういうふうに酔うだろうな、そういうふうに怒鳴るだろうなーという説得力。
視聴者の中でキャラクターが一人の人間として出来上がらない。

切り取られたシーンごとにしか存在していないので、リアルに存在する人間として想像もできなければまるで一貫性がないのだ。

最後まで榊に関してはそういう映画だった。
感情移入というものが難しい。
これをみて広瀬すず演技上手い、という人は、シーンごとに切り取られたセリフの抑揚だとか、表情のことを言っているのだろうが、私は「演技が上手い」というのは、すなわち
「ほんとうにその人物が存在する人間として、リアルに臨場感を持って感じられるか」ということだと思っている。

それは役者が自分の中でそのキャラクター設定をきちんとしていて、こういうシーンではこのキャラはこうするだろう、この場面ではこういう声の出しかたや表情をするだろうっていうのをきちんと作り上げているからだと思う。

それが「一貫性」や「説得力」となって、ああそうだよね、そうするだろうね、そういう気持ちになるんだろうね、と感情移入できるのだ。
それがなければ移入のしようがない。

表現力がないのも致命傷。
少なくとも主演レベルでの長い尺で、彼女を見続けるのにはかなり辛いものがある。

つまり主軸になるヒロインがこうだと、榊に恋をするなおくんの気持ちすら、説得力がなくリアリティがなくなって見えるのだ。
ひたすら残念である。

打って変わって、この映画のヒロインというのなら猫好きで3人に告白されたモテモテ同級生、楓ちゃんの方がべらぼうにかわいかった。

終始みずみずしい演技で、表情がゆたか。
登場シーンからずっと可愛かった。
なおくんを追いかける目線の動きだけで、「あー恋してるんだな」とわかる。
なおくんが教室で机に突っ伏して寝ている時、音を立てないよう前の席に座り、そうっと髪の毛をトントンするあの感じ。
あんな触りかたは絶対に好きな人にしかやらない。

榊さんに、「恋愛しない」を撤回してほしい、と言いに行ったシーン。
「自分の恋がうまくいかないのを人のせいにするな」と言われて泣くシーン。
感情が伝わる演技で好きだった。
涙きれいすぎた。

序盤の方、一緒に猫のむーくんを探している時、ソファごしに手が触れ合ってしまわないかドキドキした。

中盤は、好きな人(なおくん)に「ちょっと話があるんだけど」と誘われてどきまぎするところ、視線やお弁当の蓋を開けたり箸を取り出す時の些細な手の動き振る舞いまで、ちゃんと自然だったし、一貫して彼女はそこになおくんが好きな楓ちゃんとして存在していた。

「あなたのことを好きな人がいることは、考えなかったの?それは、何を隠そうこのわたし。おわかりいただけたか?このハート泥棒!」

こんなめちゃくちゃかわいい捨て台詞を最後に、もう最後の方までほとんど登場しない。
え?!これで終わり?!もっとみていたいのに。
むしろ君がヒロインでしょ?
と思わせるような存在感。

榊さんなんかよりぜんぜん楓ちゃん推しである。

少なくとも、この子誰だろう?
名前覚えとこう、とググるくらいにはまっすぐなお芝居の表現が印象に残った。
たぶん、この子売れる。
というか、もう売れてるのか?
家にテレビがないのでエンタメ事情がわからない。笑

楓ちゃんが終始かわいかったこと、高良健吾のシーンがすべてさすがの引きで魅力的だったこと、あと地味だが楓ちゃんのお兄さん役のオネエ占い師さん、なんか好きだった。
見たことあるんだけど思い出せない…と思っていたらたぶん勇者ヨシヒコとかコードブルーとか、世にも奇妙とか、ちょいちょい脇役で見ていたからなのだ。
味ある感じで好きだった。
戸塚純貴くん。

スピッツのエンディングでものすごく素敵に締められていて後味は良かったが、やはりわたしは今後広瀬すず作品は見ないだろうと思った作品だった。

高良健吾にはもう少しいろんな作品に出てほしい。


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