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【食で広がる優しい世界】マルシェは地球人との交流の場。

2018年。鎌倉で一人暮らし時代、ラジオ (J-wave) を聞きながらご飯を作っていたら「食で世界平和ができると考えているの(正確なセリフはうる覚え🙏)」と、マドンナのパーソナルシェフとしてマクロビの食事を提供していらした西邨マユミ先生の声が流れ、身体にビビビッと電流が流れるような衝撃を受けたのを今でもはっきり覚えている。

その言葉を聞いた三年後、私はフランス・ボルドー、ガロンヌ河沿いのマルシェで、毎週日曜日、おにぎり屋さんをやっている。ローカルのお客さまだけでなく、海外からボルドー観光にいらっしゃる方、ガロンヌ河を使って旅客船でいらっしゃる方。北欧系、ヨーロッパ系、中東系、アジア系‥色々な人種のお客さまが私のスタンドを覗いてくださる。

「豚が入っていないなら食べてみたいんだけれど、どのオニギリなら大丈夫?」と、宗教上の理由から豚肉を食べられないお客さまがいらしたり、「えー!お寿司じゃないの?オニギリってなに?」と興味津々で聞いてきてくださる地元の方、「僕はパリに住んでるからオニギリはよく食べているんだ」というフランスの都からいらした男性。「オニギリ大好き!ボルドーでおにぎりが食べられるなんて嬉しい!」って、キャピっと可愛い韓国人女性。「コロナ渦で、なかなか海外にいけないけれど、あなたのお陰で、日本の家庭料理という新しい世界を知ることできました。ありがとう」と、わざわざ個人的にメッセージをくださるお客さまもいらっしゃる(涙が出るほど嬉しい‥)。


異国の地に暮らしていると、スムーズに行かないこともあるし、「あれれ?これって差別なのでは?!」って、落ち込む経験もたまにはあるけれど、こうやってマルシェでオニギリを売っていると、どの人種も、初体験の食を前に、目をキラキラさせながら質問してくださるし、私の拙ないフランス語や英語を理解しようと、じっくり耳を傾けてくださる。

つくづく思うのは、国籍や人種で一括りにするなんて不可能だし、そんなの関係ないということ。日本にだって、フランスにだって、意地悪な人もいるし、温かな心を持った人もいる。結局みんな人間。同じ地球人なんだなー、としみじみ思う。

というわけで、私にとって、毎週日曜日は、マルシェでオニギリを販売するだけでなく、同じ星に住む地球人との交流の場所。

小さなオニギリから生まれる、新たな交流や新たな食の楽しみ。
ワクワクとした気持ち、優しい気持ちが、世界中に広がりますように。



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