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アメリカでは謝ったら負け:大谷選手会見で改めて感じた日米文化の違い

元通訳の水原一平氏の違法賭博問題に関し、大谷翔平選手が3月25日に行った会見を見て思ったこと。

大谷さん、一回も謝らなかったですね。
「申し訳ない」「すみません」と言ったニュアンスの言葉は、一切ありませんでした。

これ、とーってもアメリカっぽいです。
アメリカでは、謝ることは負けもしくは非を認めることと同意です。
謝った時点で自分に何か過失があったことを認めることになります。
だから、アメリカでは、自分が悪くないと時や、それこそ今回の話のように裁判や警察沙汰になる時は、とにかく謝ってはいけません。

この、アメリカではすぐに謝ってはいけないという考え方。
私が大学時代にアメリカ留学したとき、渡米してすぐに現地の日本人の先輩に教えてもらいました。
犯罪に巻き込まれなさそうな留学生にとっても大事なポイントなんです。

なぜかというと、例えば車の事故。
アメリカでは、NYのマンハッタンのような大大大都市以外では、車がないとどこにも行けません。
LAなんて立派な大都市ですが、車なしなんてありえない。
どこにも行けない。

私も留学してすぐに車を買い、大学通学も車。スーパー行くのも車。
どこに行くにも車車車。
とにかく日々運転しまくります。
すると、事故に遭う可能性も高くなる。

事故った時、絶対謝っちゃいけないんです。
どっちが悪いか、どちらに過失があるかは、事故にあった当事者が決めるのではなく保険会社が決めます。
もしかしたら自分に過失がないのに謝ってしまうと、相手に「あいつは謝っていた。あいつは悪いことをしたと本人が認めた。」なんて保険会社に言われてしまうんです。

車の事故に始まり、基本どんな小さなトラブルでも、アメリカでは謝罪=悪いと認めることを意味します。
特に、状況がわからないトラブルの初期段階では、絶対謝ってはいけないのです。

我々日本人は、騒がして申し訳ない、相手の時間を奪ってしまったことや手数をかけてしまったことに対してすまない、という気持ちで簡単に謝ります。
それ自体は文化的な要素が強く、実際に誰が悪いかと謝ることは同じ意味になりません。
迷惑をかけてなくてもすぐ謝るくらい、謝ることが大好きな国民、それが我々です。
不倫会見なんかでも、国民に謝る必要がないのに謝ってて、なんで謝られてるんだろうみたいな気分になります笑。

今回の大谷さんの会見を見て、大谷さんが一切謝らなかったところに、アメリカ文化をめちゃくちゃ感じました。
きっと大谷さん弁護士は謝らないよう釘を刺したはず。
今の時点で「申し訳ない」なんて言ったら、大谷さんに何か過失があるとアメリカ世間には思われてしまうので。

一方で、大谷さんは日本人なので、申し訳ないという気持ちもあったんじゃないかなーと想像してしまいました。
自分事で騒がせたことやシーズン開幕前にスキャンダルが起きたことに対して。

これだけの成績を残す方ですし、他人に全ての責任を押し付けるような人には見えない。
こういった問題になったことの責任の一部は自分にもあると思っているような気もします。想像ですが。

私は、アメリカにいて、ちょっとしたトラブルに巻き込まれた時、日本人的には謝りたい気持ちと、謝ったら悪いと認めるから絶対謝っちゃダメという気持ちが、せめぎ合う時がありました。
逆に、これは明らかにあなたが悪いんだから一言謝ってよって、周りに思うときもありました。(でも絶対アメリカ人は謝らないですが。。。笑)

大谷さんの会見を振り返りながら、改めて文化の違いを感じました。





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