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キャリアを考えるということ

つくづく思ってきたことだ。
日本には、「自分のキャリアを作る」とか「自発的に自分のキャリアについて考える」という意識というか文化がない。

欧米はこの意識が非常にしっかりある。個人個人が自分のキャリアのことをしっかり考え、仕事選びや学校選びをしている。

なぜ日本にないのだろう、と考えていた時、キャリアという単語の日本語訳の中で、成功・出世という意味しか使われてないからだと気づいた。

Wisdom英和辞典で、Careerという単語を調べると、
1. 職業・仕事(生涯にわたって続ける仕事)
2.経歴・職歴
3.成功・出世
と意味が出てくるのだ。

日本では、3番の成功・出世の意味で使われている。

例えば、「キャリアがある」という言い方は、成功してきたというニュアンスがある。高学歴や出世街道に乗ってる人たちを「キャリア組」なんて言い方をするのもそうだろう。

でも、英語圏では、3番目の意味だけでなく、1・2番目の意味も非常によく使われる。

例えば、こんな言い方をする
・I want to think about my career seriously 自分の仕事に関して真剣に考えたい
・I am thinking how I can build my career  自分の仕事の経験をどうやって作っていけるか(積み上げていけるか)考えている

上の2つは、どちらも出世や成功というニュアンスはない。

ではキャリアという言葉以外で、長期の仕事展望を考えるときに、日本語でよく使う言葉やフレーズはあるだろうか。思い浮かばない。

何が言いたいかというと、日本にはキャリアについて考える文化がないのだと思う。戦後の歴史的背景もあったと思うが、自分の仕事に関して主体的に考え、最善のキャリアを作っていくという考え自体があまりないのだ。

この文化がないからか、自分の仕事に関する長期ビジョンや戦略を考えない。なんとなく仕事を選んで、気づいたら年とってましたとなってる人もいるかもしれない。

自分の仕事の長期展望や方向性(=キャリア)は、人生の中の非常に大きな要素だ。どう稼ぐか・どう仕事をしたいかは、生き方に関わる。

そのためには、キャリアを作る努力が必要だ。自分を知る努力・市場リサーチ・資格やスキルの獲得・家族やパートナー関係とのバランス、などなど考えることはたくさんある。

キャリアに関する自分の答えは、一朝一夕では出てこない。常日頃から、定期的に自分を振り返って考えていくことが必要だ。周りからのフィードバックや経験も、キャリアを考える上で助けになる。

日本人のうち、仕事を楽しいと思ってる人は2〜3割らしい。欧米は7割くらいだそう。この差は、キャリアを考えるという文化の欠落に一因があると思う。

キャリアを考えることは今日からできる。今は関連本もたくさんあるし、ネットにも色々情報があるだろう。もし考えた方がいいと思うなら、今日がその手始めの1日目かもしれない。


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