見出し画像

【近未来小説】エンジニアが2030年代に実現しそうな技術を予測してみた【AI】

突然ですが、この本の編集に携わりました。

内容はこんな感じです。

203X年の日本。台湾有事を発端に、政府による監視と管理が強化されたディストピアがそこに広がっていた。政府が市民一人ひとりを厳しく監視し、当たり前だった自由が次第に奪われていく。

佐藤遼たちは、この監視社会に立ち向かうため、抵抗組織を設立する。

彼らは最先端のAIをレジスタンス活動に用いて、「自由と家族を取り戻すためのための戦い」を開始する。そのAIには90年前の抵抗運動に関する学習を行い、古くも新しい方法で敵を翻弄していく。

近未来の東京を舞台に、民衆のために戦おうとするAI。そして自由や家族を守ろうとするレジスタンスメンバーの活躍を描いたサスペンスSF小説。

現役のエンジニアが編集に加わり、AIやテクノロジーの進化を描きつつ、大規模言語モデルの進化を予測。もしAIが、抵抗運動や人を守ること、愛することを人から学んだ時、そこに感情が生まれるのか。人とAIの共生も訴えた作品。

Amazon.co.jp: AIレジスタンス: 未来と家族を取り戻す戦い eBook : 神崎未来, ナオノモリ, ナオノモリ: Kindleストア

近未来のAIといえば、「AI=人類の敵」となり、人類とAIが戦うというのが一般的ですが、真剣にAIの進化を予測すると2030年はそんな方向にはいかないと思います。テクノロジーをどのように使うか、それはあくまで人にゆだねられることになると思います。
というわけで、作中で触れられた技術を中心に2030年代のAIおよびその周辺技術を真剣に予測してみました。


AIとの対話

2030年代は大規模言語モデル(LLM)の進化が続くと思います。より人とAIの自然な対話が実現できると思います。自然言語処理という技術がそれに当たりますが、その技術の進化が大幅に進むことは間違いないでしょう。一昔前のAI=ロボットがイメージされましたが、LLMの登場によりその状況は一変しましたね。

人と対話をしながら、自律的に自ら学ぶAI。GPUと呼ばれるハードウェアの進化もそれを押し上げていくはずです。

すでに、「人の話に割って入る」といった機能はChatGPTでも実現されつつあります。おそらくその割り込み方、対話の方向性がより自然になっていくのではないかと思います。

ただその応答に対して、「AIが感情を持つ」といった議論は別だと思います。現在のディープラーニングをベースとした技術ではAIが出力するものは確率と統計によって導き出された演算結果です。その技術に取って代わるものが現れない限り、AIが感情を持つといったことは難しいのかもしれません。

自動運転

自動運転についてはすでに多くの国で始まったおり、日本でも高速道路などでは一般車両の走行も始まっています。法整備も何とか追いついています。安全性さえ追求されれば、2030年代には実現されるのではないかと思います。

ステルスドローン

作中でも一部触れられていますが、ステレス技術を搭載した、隠密性の高いドローンが今後、開発されると思います。

量子AI

量子コンピュータとは従来のコンピュータよりも高速な並列計算が可能です。それにAI技術が加わることにより、従来のコンピュータではできなかった高度な暗号解読や予測分析が一瞬で実現できるのではないかと思われます。

実現が遅れそうなもの

空飛ぶ車

すでに実証実験は始まっているので、部分的には実現可能でしょう。しかし、一般庶民が気軽に利用するのは難しいかと思います。免許の問題、事故への対応、法整備を考えると、SFのように、頭上を空飛ぶ車が飛び交う状況にはまだ時間がかかりそうです。従って、2030年代で大衆向けのサービスが実現できるかは微妙です。

兵器利用

人工知能(AI)技術を使って直接、人を殺傷する自律型致死兵器システム(LAWS)。SFには必ずといっていいほど出現しますが、国際的には禁止される方向です。そして、おそらく2030年にはその動きが確立すると思われます。
しかし、すでに一部の国が枠組み作りに慎重だったりしています。実際に兵器化がなされたとか、イスラエルのガザ侵攻では実戦に投入されたという話も聞きます。もし枠組み作りに失敗した場合、果たして何が起きるのか?

結論

2030年代は何か新しい技術が急に生まれると言うよりも、既存の技術の大幅な進化が予測されます。それくらい、2020年代の進化は大きく、まさに汎用AI(AGI)に向けた一歩を踏み出した年代だったと思います。
当然、医療、物流、製造業といったところで今まで以上に幅広くAIは活躍していくことでしょうね。ただ、今のAI技術の進歩は急激です。正確に予測するのは難しいですね。
というわけで、2030年の技術に興味がある方はご一読してみてはいかがでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?