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「変換する力」によって学びは生きる

ヨガ哲学の学びをエッセイに昇華する、という思いつきから、このnoteマガジンをスタートし、30本近い記事を公開してきて、気づいたことがある。

それは、ヨガ哲学の経典を読み、長く受け継がれてきた教えを自分にインストールすることよりも大切なのは、「変換する力」ではないか、ということだ。

5000年もの歴史があるといわれるヨガ。
生まれた時代背景も、ここに至るまでの過程も、今日とはまったく異なる。

ヨガ哲学が生まれたのは、飢餓や疫病、差別などで人が簡単に死んでいく不条理な時代。そんな中、気が遠くなるような試行錯誤と深い洞察力で、逃れようのない苦から自己を解放する知恵が構築されていきました。それがヨガの哲学と実践法です。

『理由がわかれば心身が整う! ヨガを楽しむ教科書』綿本彰/ナツメ社

今では想像もできないほど過酷な時代、人々を絶望から救うために生まれた哲学だからこそ、吸引力も説得力も強く、それが数千年という長い年月と激しい時代変化にも淘汰されなかった理由だろう。

とはいえ、古い教えをそのままインプットしたところで、2024年を生きる自分にとっての実践的な思考法とはならない。

そこで必要となるのが、変換力ではないかと思うのだ。
古い教えが生まれた時代と現代をつなぎ、「いま目の前にある悩みに向けて語られた言葉」に変換してみせる力。

わたしがこの先、ヨガ哲学を自分の仕事(役割)として使っていこうと思うならば、やるべきなのは、むずかしいヨガの経典をすみずみまで読み込むことでも、その古めかしい文章を暗記することでもなく、むしろ、その教えを意訳しながら、目の前の悩みに対する一つの解を導き出すことではないだろうか。


「ワクワク感」をちゃんとつかまえる


ただ純粋にヨガが好きで、20年続けてきた

「奈緒さんからヨガを習ってみたい」という声が届くようになり、「教える資格」としてRYT200を取得

アーサナやフローを教えるインストラクターになることに迷いが生じる

すでに持っている「書く」「伝える」スキルを使い、ヨガ哲学を学びながらアウトプットすることを思いつく

……というのが、このヨガ哲学マガジン創刊に至った経緯だが、ここまで数ヶ月かけて毎週毎週、ヨガの教えとからめた文章を書いてきて感じるのは、「結局は『今』使えるものでなければ価値は感じてもらえない」ということだ。

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