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コンテンツ有料化の意図はこう説明する

Voicyのプレミアム放送noteの有料マガジンなど、最初は無料で提供していたコンテンツを途中から有料化すると、抵抗感を示す人が一定数はいて、ときには「良質なコンテンツを無料で提供してくれるから応援してきたのに、がっかりです」といった声が届くことがある。

そんなことは想定内で痛くもかゆくもない、などと言い放つほど強くはないし、もちろん残念に思う。けれど、この件に関しては迷いが吹っ切れていて、スッキリと説明もできる。

この先も、文章や発信を通して社会の役に立っていこうと思うなら、他人からいくらかの価値を感じていただけるものを世に送り出し、そこに自分の時間と体とエネルギーを使い、それに見合った報酬を受け取り、また自分がやるべきだと思えることに納得感をもって取り組み……という循環の中で生きていくことになる。

この循環を守るために、有料にふさわしいコンテンツは有料にして、無料のものには、これは有料への導入であるという明確な役割を与えておく。

このnoteマガジンも、もっとも中核の部分は有料エリアに書くのは当然のことだけど、かといって無料部分がつまらない、または無料部分を読んだだけでそれなりに満足してしまうのでは、「課金して続きを読みたい」とは思ってもらえない。

Voicyにしても、無料で聴ける通常放送に魅力を感じてもらえてはじめて、「プレミアムに入ってもっとたっぷり聴きたい」という欲求が生まれる。

だから、無料で出すコンテンツも、その先に用意する有料のコンテンツも、価値の差はしっかりつけなくてはいけないのと同時に、どちらも同じくらい大事にして、真剣に取り組まなくてはいけない。


ゼロからお金を生み出す練習


「コンテンツを有料化しないでがんばっている人を応援したい(有料化するならもう応援しない)」という感情は、見返りを求めない奉仕精神への敬意や感謝、なのだろうか?

noteの無料記事の毎週更新を4年間続けた自らの過去を振り返りながら、少なくともわたしが無料で文章を書き続けていた背景に、奉仕などという意識はなかったと、はっきりいえる。

わたしにとって、あの4年間は、「ゼロからお金を生み出せる物書きになるための体づくり期」、すなわち地道な筋トレ期間だった。

実際、noteスタートから5ヶ月が経ったタイミングで「筋トレとしてのnote」という文章も書いている。

つまり、最初のうちは「自分のために書いていた」のである。
発信を始めるときは、きっと多くの人がそうだろう。
おそるおそる、はたして自分にできるだろうか、どの程度やれるんだろうかと、様子をうかがいながら始め、続けるのだ。

そんな時期は、1本書き上げるのに何時間かかろうと、「これだけエネルギーを使ったんだから、そのぶんのお金をください」なんて発想は浮かばない。すべては自分という枠のなかで完結している話なのだから。

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