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『僕らの定点観測』とnote1周年

録画していた『僕らの定点観測』という番組を観たら、ものすごくおもしろかった。

実は、ブッキー(妻夫木聡)が大好き。
近年は山田洋次監督作品で見せる「お人好し青年」の演技も絶妙に上手いし、映画のプロモーション期に出演するトーク番組で、とても自然体な様子を見るたびに「あぁ、やっぱり好き!」と思う。言葉選びのセンスもきらりと光るものがあり、なんだかすごく「人として信用できる感じ」がするのだ。

又吉直樹氏も、ぼそり、ぼそり、と呟く言葉が、いちいちいいよね。誰もが感じているけれど言語化できていない感覚を、その曖昧さも含めてちゃんと言語化する能力には、いつも唸らされてしまう。

そこに、ここ1年くらいだけど「この人ってなんかすごくいいな」と思い始めていたサカナクションの山口一郎氏まで登場。あと二人も含めて全員1980年生まれの気鋭のクリエイター(ユニさんはちょっと発言少なめでしたが)の5人が、リモートで「アフターコロナをどう生き抜くか」について語り合う。番組のテーマも、メンバーの組み合わせも、それぞれが話す内容も冴えていて、こういう番組がときどきでも見られると、やっぱりテレビもいいなと思う。

コロナ禍によって、他の様々な業種と同様に、いや「とりわけ」と言えるくらいに、クリエイターたちの仕事と意識も厳しい変化を迫られている。その現実を、現在ちょうど40歳である彼らがどう受け止めているか、表面的ではなくリアルに吐露し合う姿に、感動したし、希望と刺激ももらえる内容だった。

この番組の余韻は翌日以降も続いているのだけど、やはりブッキー、又吉氏、山口氏の「言葉のよさ」が際立っていたように感じた。
彼らもみんなと同じように、コロナによって状況が変わり、いま自分が置かれている状況に戸惑い、迷い、途方に暮れている。その「モヤモヤ」の伝え方が彼らは実に上手いのだ。刺さる感じとゆるませる感じのバランスが絶妙で、さすが言葉を操りながら表現している人だな、という説得力があった。

また、司会進行役を山口氏がやるのだけれど、彼への印象が「なんかいいな」から「すっばらしいな!」に変わった。
リモートという特殊で難しい状況にもかかわらず全体をとてもうまくまとめていたし、「コロナで仕事がどれくらい減ったか」なんて、普通のインタビューだったらこんなダイレクトな聞き方、する方もされる方も躊躇してしまうことを、同じ高さの目線から嫌味なくぶつけて、それぞれからいいコメントを引き出していた。
こんなにスマートにリーダーシップがとれる人、熱い情熱を隠さず見せながらもむさくるしくない人、たぶん超ストイックだろうに人間的なあたたかさとユーモアも感じさせる人、いるんだなぁ。
少し前にNHKの夜のニュースに出ていたときもすごく好印象だったし、タダモノではない美意識を感じる洗練を極めた自宅(だろうか)のインテリアも、ものすごく気になる。

オンデマンドもあるようですが、購入期限が明日(6月27日)まで! 気になったという方には、強力におすすめです!


ところで、昨年「はじめまして」という題の記事を投稿してから、今日でちょうど1年が経ちました。

毎週金曜更新というペースで続けてきて、これが53回目の投稿。
毎日投稿されている方にくらべたらずいぶんのんびり、フォロワーの増え方もゆっくりで、正直、自分のサイトで続けているブログのように、わたしが書いた文章をどんな方がどんなふうに読んでくださっているのか、感覚としてまだちょっとつかめていないのだけれど、でも何より、自分の文章の鍛錬にはなっているかなと思っています。

2年目もひとまず同じペースで続けていこうと思っているので、引き続きよろしくお願いします!

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