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オンラインの日々

先週はじめて、オンライントークイベントに聴講者として参加した。
登壇者が友人だったことと、わたしも今後は自宅でオンラインイベントを開催したいと考えているので、そのリサーチもかねて参加費を払って申し込んだのである。

イベントはZOOMのウェビナー機能を使い、登壇者が3人、別々の場所から発言しあう、というもの。
登壇者同士はお互いの顔が見られるけれど、聴講者(イベント参加費を払ってインターネットでトークを視聴している人々)の姿は見えず、現在聴講している人数は確認できる、という話だった(わたしはまだ自分がウェビナーを開催したことがないので、その日の開催者の方の説明をそのまま書いている)。もちろん聴講者からは登壇者の姿をPC画面で見られる。

聴講者は、途中で質問やリクエストが浮かんだらコメント機能でメッセージを送ったり、また、登壇者の方が「『手を挙げる』というボタンを拍手代わりに押してもらえると、自分たちも励みになるのでよろしくお願いします」と言っていたので、話の内容に強く共感したときは、「いいね!」の感覚で何度か押した。

たしかに、わたしも新刊の出版トークイベントなどで登壇するときは、目の前の参加者の方々の目や表情がいきいきしたり、笑ってくれたり、頷いてくれたりという反応で、緊張がほぐれてどんどん話しやすくなっていく。
その日のトークイベントの登壇者の方々が「めずらしく今日は緊張する」と言っていたのは、聞いている人がたくさんいることはわかっているのに、反応が見えない、というせいのようだった。

参加する前は、2時間3300円(税込)という参加費に、正直「ちょっと高いかな」という印象をもったのだけれど、終わってみたら、話の内容がとてもよくて今後の自分に生かせるヒントがたくさん得られたこと、時間が40分以上も延長されたこと(それだけ白熱したということだ)、何より登壇者はみな京都在住にもかかわらず、わたしは千葉の自宅にいながらイベントに参加できてしまったということに、「価格分、いや、それ以上の体験はさせてもらった」という実感がたしかにあった。

コロナ前に元通り、を期待しない

そのオンライントークイベントに参加した翌日、友人とはじめて「ZOOM飲み」をやってみた。これも、思った以上に楽しかった。

当方、郊外暮らしで在宅ワーカー、おまけに子育て中という身であるため、ご近所さん以外の友人と飲みにいく機会は、年々減り続けていた。

その友人たちとLINEでやりとりするたびに「たまには会いたいよねー」と書き合うのがお決まりになっていたけれど、ZOOMを使っただけで、あっけないほどあっさりと簡単に「ひさしぶりの再会」が叶ってしまったのである。

その友人が「コロナのおかげで仕事も生活も今まで通りにやれないことだらけだけど、でもZOOM前にはもう戻れないってくらい、ホント便利だよね」と言っていて、「なるほど、そうかも」と思った。

コロナに怯える日々が本格的に始まって2ヶ月以上が経ち、毎日さまざまな報道を見ながら自分のなかの認識をアップデートしていくなかで、今思っているのは、もう「コロナ前の生活に戻ったら」という仮定は手放した方がいいんじゃないか、ということだ。

もし長い戦いの末に収束が見えたとしても、そのときの世界は、もう前の世界とは、何かがたしかに違っているだろう。
だから、前にできていたことを再び前と同じやり方でできるようになって、同じくらいの効果や利益を安心して得られる日々が戻る、という期待はしないでおこう、と個人的には思っている。
もちろんそれは、わたしにとって辛くてしんどいことだけれど。

感染に怯えて行動を制限する日々が長く続くことによって、人々の、また自分の価値観にも変化が生まれ、そこにフィットする新しいシステムやサービスも生まれてくる。そのなかで、自分は何ができるだろう、何がやりたいだろう、っていう思考に、もう切り替えていこうと思う。

「STAY HOME」で何をどうやるか

コロナウィルスという禍によって、誰も望んでいなかった厳しい世界が始まってしまった、そのことは事実なのだけれど、「イベントは生で対面することに価値がある」と思っていたわりにオンラインでもライブ感はそれなり味わえたり、何より感染リスクを気にせず内容に集中できたり、自分の巣で適度にリラックスして話が聞けたり、というメリットもある。
厳しい世界にも、よい面がまったくないわけじゃない。

先週のオンライン体験の興奮は、すでに新しいプロジェクト(もちろんオンラインを使った企画)に動き出していたわたしを思いきり刺激し、先週の投稿では「秋までに実現」なんて書いたけれど、もっと急ぐことにして、夏前には実現させるようにがんばろうと思う。
同時に、興味深いテーマの有料オンラインイベントには聴講者としてもどんどん参加して(GW中も申し込み済み)、今後こうした動きがぐいぐい盛り上がっていけばいいなと思っている。 

みんなが「STAY HOME」でも、なんとか動きを止めずにやれることはないか、それを模索しながらがんばっている人を見ると、元気をもらう。

自粛前から基本的に「STAY HOME」だったわたしなのだから、こういうときこそ冷静に、新しいアイデアを考えていきたい。

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