見出し画像

プロジェクトマネージャ試験合格体験記(勉強編)

平成31年の話になりますが、IPA情報処理試験の高度区分のひとつ「プロジェクトマネージャ試験(PM)」に合格しました。

受験の動機

応用情報技術者試験に合格したことで、高度試験の午前Ⅰの免除資格を得たため、唯一実務経験があると言っていいデータベーススペシャリスト試験を受験しました。それも無事に合格し、高度区分の中でスペシャリスト系以外の論述試験を目指そうと考えました。スペシャリスト系と論述でひとつずつ高度区分を持っていれば、充分箔がつきますし社内でもそういう人間はそう多くはないからです。

論述系としては「ITストラテジスト」「システムアーキテクト」「プロジェクトマネージャ」「ITサービスマネージャ」「システム監査技術者」の5つがあり、PMBOKの概要を会社のセミナーで学んだ経験から一定の知識があるプロジェクトマネージャを選択しました。

勉強方法

私はテキストを読む前に過去問から着手するスタイルですが、先にテキストを読むとしたら一度読むだけで良いと思います。理由はテキストを理解しても、問題を解けるようにならないからです。詳しくは以下の4つの試験区分における勉強方法の中で書いていきます。

午前Ⅰ・Ⅱ(マークシート式)

午前試験はⅠ・Ⅱどちらも過去問の使いまわし率が非常に高く、過去問を8割以上できるようにしておけば、まず合格点に届かないことはありません。情報処理試験の合格ラインはとても低く、6割取れれば良いのです。

午後Ⅰ(記述式)

午後Ⅰについては、過去問を解く中で「知識がなくて回答できなかった問題」と「文章の組み立て方が分からなくて回答できなかった問題」の二つが出てきます。前者は、過去問をやったあとにもう一度テキストを読むことで解決できますが、後者については、過去問を解くうちに回答にある種の「型」があると分かってきます。ただしこれはここに書けるようなものではなく問題を読んで自分の頭で考え、手を動かすことでしか身につきません。

午後Ⅰ試験は、午前と違って過去問がそっくりそのまま出ることは100%ありませんが、回答の"書き方"は似ているため、過去問を解くことが充分に本番の試験でも役に立ちます。

なお、回答をPCでタイピングするのはおすすめしません。実際に紙と鉛筆で書くと思ったより時間がかかったり、読みにくい文字になっていたりするものです。採点するのはコンピュータではなく人間ですので、採点者にストレスを与えない丁寧な文字で書くことが重要です。「自分は字が汚いから」と諦めずに、人に読んでもらうことを意識して丁寧に書きましょう。

午後Ⅱ(論述式)


午後Ⅱは最大の難関、論述試験です。ここは別途1冊、論述対策の本を用意した方が良いと思います。論述にも「型」があり、これを無視すると合格から大きく遠のくためです。

特に各設問で「問われていることに対して回答しているか?」という基本を無視してはいけません。設問アはどの問題でも必ず「プロジェクトの特徴」が問われています。
プロジェクトの特徴とは、たとえばこんな感じです。

✓同規模のプロジェクトと比べて通常より短納期である
✓これまでにない大規模プロジェクトである
✓メンバーの中に新人がいてどの程度の効率で作業できるか予測しづらい

「プロジェクトの特徴」を問われているのに、設問アで「開発するシステムの概要」を詳しく説明してしまう人がいるのです。大切なことなので二度言いますが「問われていることに対して回答しているか?」が論述試験を乗り切るのにとても大切です。焦って書き始めず、問題をよく読む時間を取ることが必要です。

設問アから分かるように、論述試験では"とあるプロジェクト"を想定して書く必要があります。ここは実際に経験したことのあるプロジェクトでも仮想プロジェクトでもどちらでも構いませんが、書きやすいのは前者です。私も直近であったプロジェクトをベースにして書きました。

実際のプロジェクトでは必ず何かしらのトラブルや課題が発生するため、設問イの回答が書きやすくなります。設問イは基本的に「プロジェクトでどんな問題や課題が発生して、どんな手法を用いて解決をはかったか」を論述します。そして問題文は「…、800字以上1600字以内で具体的に述べよ」で締めくくられています。「具体的に」ということなので、PMBOKのプロジェクト管理の手法を述べるだけではダメなのです。実際にあったプロジェクトを想像すると、具体的に書きやすいのです。

設問ウでは、課題を解決して無事にプロジェクトを成功させてください(笑)
実際のプロジェクトは失敗するかも知れませんが、ここは試験ですので、成功させたうえで「もう少しこうすればよかった」という内容で締めくくります。

論述の書き方のコツについてまとめると

✓問われていることに対して
✓指定の文字数で
✓具体的に回答しているか

この3点です。こうして書くと簡単に聞こえるかも知れませんが、初見の問題に2時間という短い時間で手書きで3000文字前後の回答を書ききるという日常ではやらないことなので、準備不足では足元をすくわれます。

論述試験は必ず手書きの練習を

午後Ⅰでもそうですが、色々な場面で手書きをすることが少なくなっている昨今では手書きで回答すること自体が鬼門になりかねません。指定された文字数を書くのにどのくらいの時間がかかるのか、自分が1分で何文字書けるのか、ふだん意識していなければ想像できる人は少ないと思います。論述の構成を考える練習はタイピングでもいいですが、試験を受ける前には必ず「2時間で書ききる」練習をして感覚をつかんでください。

プロジェクトマネージャ試験合格体験記(当日編)に続きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?