乳がん検診に引っかかった話

昨年2020年の終わりに、健康診断のオプションとして追加した乳がん検診で引っかかり、2021年1月の終わりに「経過観察」となるまでの経過の記録です。
私自身、様々なブログを読み漁り、不安になったり励まされたりしたので、自分の経験も残しておこうと思い、初noteを書いてみることにしました。

乳がん検診を受けようと思ったきっかけ

乳がん検診を受けようと思ったきっかけ、それは結婚です。

それまで自分の健康のことはほとんどほったらかしで、職場の定期検診を受けるだけでした。高度肥満であることもあり、数値は色々と悪いものがあったりするのですが、クリニックに行ってみたり行かなかったりと、結構不健康に過ごしてきました。職場も法規に触れない最低限の検査項目しか提供していなかったため、バリウムも飲んだこともありませんでした。

それが、40代を目前に滑り込みで結婚し、夫にも大きい病気があることがわかったことから、自分の健康も少しは考えないといけないと思い始め、やっと定期検診のオプションをつけてみようかという気になったのです。そうして今年度の検診では、
・胃カメラ
・子宮がん検診
・乳房エコー
を追加で受けることにしました。

ちなみにマンモグラフィとエコーはどちらかを選択することができました。なんとなくマンモグラフィのほうがすごそうという印象があったのですが、少し調べてみると40歳以下の女性の場合乳腺が発達しておりマンモグラフィで満足な検査結果が得られない可能性があるというのを読み、エコーを選択することにしました。

エコーで検査士の手が止まる

そうしてエコーを受けることになったのですが、エコーでは検査師の手が一定の箇所でいつも止まり、非常に不安になりました。

エコーを含む検診は、地元の中規模病院の検診センターで受けました。エコーをやってくれた検査師さんは、バナナマンの設楽さんに似た感じの、私よりちょっと年下かな?というような男性でした。バナナマンにおっぱいを丸々とおっぴろげ、ゼリーでねちゃねちゃやられるのは非常に恥ずかしかったです。

右乳房からの検査だったのですが、右外下部の乳房のあたりで手が止まります。何度もそのあたりをグリグリと映そうとしているのが伝わってきます。つい不安になり「なにか悪いものが見えますか?」と聞いてみたのですが、検査師さんは「何かあったら結果については医師から説明があると思いますので」とだけ。あとから考えてみたら、検査師さんは診断を出せる立場に無いので、悪い質問をしてしまったなあと思います。

その後、左乳房の検査はあっけなく終わり、「やっぱり右乳房になにかあるんだな・・・」と思いました。

この晩、夫に「右胸になにかあるかもしれない、癌かもしれない。だけどよっぽど悪かったら病院からすぐ電話がかかってくるだろうから、癌だったとしても初期だよね、きっと」と話したのを覚えています。(夫は人間ドックの次の日に病院から電話がかかってきて病気が発覚したので、本当にまずければそのように電話がかかってくるだろうと思ったのです)

不安に思いながらも、年末年始の忙しい・楽しい時間を過ごし、検査のことはつかの間忘れていました。

胸にしこりと痛みを見つけ、病院に駆け込む

年が明けてしばらくして、何気なく触った右乳房に、今まで気づかなかったしこりを見つけ、更に痛みも感じたため一気に慌てました。

定期検診とエコーの結果はまだ送られてこず、ふとした瞬間に思い出して心配になるも、「まあ大丈夫だろ」と過ごしていたのですが、しこりと痛みに気づいてしまったことから一気に心配になってしまいました。

この時点で、「私はきっと乳がんだ、そして末期かもしれない。ああ、せっかく夫と結婚できたのに。1年もしないうちに夫も病気が見つかったし、私も乳がんなんだ。なんてことだ」と地獄に落ちたような気がしました。

もうすぐ検診の結果が送られてくるだろうからそれまで待とうかとも考えましたが、もともと私はネガティブで最悪のパターンを考えて精神ダメージに備えるようなタイプなので、精神状態的にそれができるような状態ではありませんでした。

このしこりを見つけた次の日、胃カメラのピロリ検査の結果を病院に聞きに行くことになっていたため、「ついでにしこりのことも見てもらってきなさい、じゃないと気が気じゃなくて仕事も手につかないでしょ」と夫に言われ、予約なしの飛び込みでしこりのことも見てもらえるようお願いすることにしました。

マンモグラフィを撮る

マンモグラフィも初経験でしたが、おっぱいがベッタリと押して伸ばされて、非常に痛かったです。そしてマンモは私には向いてないことがわかりました。

胃カメラの結果を聞きに病院に行った私は、受付で「胸にしこりを見つけて心配なので、こちらも予約はないが見てもらうことはできないか」と相談しました。中規模病院のため、基本的には予約があることが前提で、最悪別日に来るようにと言われることを覚悟していましたが、なんとか当日に見てもらえることになりました。

外科に回され、問診票を記入。乳房がしこりがあり痛くて不安なこと、まだ結果を受け取っていないがこの病院で乳腺エコーを受けており、その際になにかありそうな素振りだったことから更に不安なこと、を書きました。

30分ほど待って医師の問診がありました。まずは触診。医師的にはあまりコレット思うようなものはなかったようでした。そして、医師に「ではエコー撮ってきてください」と言われました。

「いやいや、エコーは年末に撮ったのですが、それではだめですか?もう一度今のエコーを取る必要があるなら撮りますが・・・」と尋ねると、「え??」という表情。おいおい、問診票に書いたのに(ついでに受付の人には口頭でも伝わったのに)意味なかったんかい・・・とちょっと不信感が募りました。ただでさえ、医師が白髪のおじいさんで、ちょっと大丈夫なの・・・と思ったところでしたし。

結局、「それならエコーは検診結果を取り寄せるので、マンモを撮りましょう」と言われ、マンモを撮ることに。ところが連絡漏れや、検診結果の取り寄せなどのイレギュラー対応が重なったからか、私はすっかり忘れ去られたようで、1時間半も待たされました。予約無しで診てもらっているという負い目もあったので1時間半は待ちましたが、これはおかしいぞ、と思い受付に尋ねると慌てた様子でマンモに誘導されました。やっぱ忘れられてた。

マンモはマツエクのきれいな女性技師さんが撮ってくれました。私は胸が大きいので(腹もでかいのですが)、かなり大変そうで、申し訳ねえ・・・・というかんじでした。そしてかなり胸をベタベタ触らないといけない検査なので、これは女性技師じゃないと無理だな、と思いました。

初マンモは、痛かったです。痛い痛いと聞いていたから、「思ったよりは痛くないな」とも思いましたが、やっぱり痛かった。

このマンモの画像を技師さんが確認しているとき、研修の技師さんみたいな人が呼ばれ、二人で画像を見ながら色々とヒソヒソ話していて、正直いい気はしませんでした。だって、私のしこりの何かを見ながら話しているわけじゃないですか。内容は聞こえなかったけれど、「ほら、コレがガンなのよ」などと話してるんじゃないか、と結構気持ちが落ち込みました。

結局、エコーの写真とマンモの写真を見ても、「何かある」ということしかわからないとのことで、次回MRI撮りましょうと言われてこの日は帰宅しました。また先生からは、「要精密検査」のお手紙を送ろうとしてたんだけど、その前に自覚があって来たのね、と言われました。やっぱ要精密検査だったんだ・・・・

ちなみにこの日の主目的は胃カメラの検査結果を聞くことだったのですが、ピロリもしっかりいました。実家が井戸水だったのですが、井戸水の家の人は高確率でピロリがいるんだそうです。

この日は帰ってから、ずーーーーっと乳がんのことを調べていました。検査のこと、ガンだった場合のこの後の流れなど。その中でマンモグラフィの結果にはカテゴリーというものがあることを知りました。カテゴリーは1〜5まであり、1と2は問題なし、3〜5が乳がんの疑いあり、という区分になります。私の場合、マンモだけではわからないとのことで、カテゴリー3か4という区分なのだろうなと推測できましたが、カテゴリー5(ほぼ乳がんであるとの所見)であるが医師が革新できるまでは伝えない方針である可能性もあるな、とか色々考えていました。(こうやってあり得る可能性の中で最悪のケースを考えて心の備えをする、というのが私の思考パターンです。夫には効率が悪いからやめなさいと言われていますがなかなかやめられない・・・)

また、マンモを撮ってから次の診察までの間に、「要精密検査」のお手紙が届きました。

MRIを撮る

初めてのMRI自体は何も大変なことはありませんでしたが、その前のルート確保がとっても大変で、ほんとに痩せなくちゃ・・・と思いました。

さて、MRI当日。午後の予約で、午前は在宅勤務をしていましたが、事前の予想通り仕事はなんにも手に付きませんでした。はっきり言って、病院に駆け込んだあたりからは仕事のパフォーマンスが激落ちで、仕事が色々溜まっていました。自分のメンタルが本当に弱いな、と実感。

MRIの前に、造影剤を注入するためのルート確保という静脈に点滴針みたいのを刺します。これがすっごく大変でした。私は太っていることもあって、普段の採血のときもすごく苦労する看護婦さん泣かせの人なのですが、今回も大苦戦。というのは、採血の場合はすごく細い針(トンボと言われるチューブの先に細い針がついているもの)を使って、細い針から血をとってくれたりするのですが、今回は注入するための針だからか、ある程度の長さと太さがあるものを刺さなければ行けないようです。腕の曲げ伸ばしができるよう、肘より手のひらに下がったあたりに刺したいようでしたが、私の手にはまったく血管が出ていなくて。右腕はかろうじて見えるものがあったのですが、右乳房のしこりを写すためには左腕にルート確保をするひつようがあるらしく、左腕を探すも血管は皆無。結局「服が着替えにくいけどごめんね」と言われながら肘の内側ど真ん中に刺されました。もう、看護婦さんには申し訳なさすぎた。もう少し痩せます・・・(もっと痩せていたときでも見えにくかったのですけどね)

ルート確保に想定以上の時間を取られたあと、MRI室に向かいました。検査着に着替えようとしたけれどルート確保の針が肘裏に入っているせいで自分でまったく着替えられず。看護婦さんに手伝ってもらいながら服を脱ぎました。そして検査着を着ようとしたけれどサイズがぜんぜん小さくて。どうせ脱ぐからとバスタオルでくるまれてMRIに向かいました。

乳房のMRIの場合、うつ伏せで受けることになります。うつ伏せの箇所におっぱいを入れるカップがあって、そこに自分で乳房をいれることになるのですが、ここでも問題発生。私のおっぱいが大きすぎて、カップに入り切らない。。。のです(私のカップはIカップです。まあアンダーも大きいので全然自慢にはならないのですが)この日の検査師もバナナマンだったのですが、バナナマンはおっぱいにはさわれないため、これもなるべく詰め込むのを看護婦さんが手伝ってくれました。私は何しろ肘裏の針のせいで手がまげられなかったので・・・。本当に看護婦さんごめん。

MRI自体はうるさいうるさいと聞いていましたが、20分程度、なんだかEDMを聞いているような気分で過ごしていたらすぐ終わっちゃいました。怖くもなんともなかった。

そうして、この日はMRIだけ受けて帰宅しました。MRIの会計は保険適用後7500円くらいでした。

組織診をする

MRIの結果、「何かありますね」となり、「どうしますか」と聞かれたので組織診をすることになりました。

MRIを受けて数日後、結果を聞きに行きました。この時点で起こる分岐の選択肢としては、「MRIの結果、問題ないと判断できます」か「乳がんの疑いが強いので、細胞診もしくは組織診をしましょう」のいずれだろう、と予想して望みました。もちろん、最悪ケース想定女の私は、組織診をする気持ちでの受診です。

この日も午前中は在宅勤務でしたが、やっぱり午前中は仕事がまったく手に付きませんでした。仕事やばい。ですが1週間に1回以上のペースで休暇をとっていたので、部下や上司には状況を話しており、最大限サポートをしてくれていました。感謝。

そして診察室に入ると、先生がMRIの写真を見せてくれました。写真にはくっきりとしこりが写っていました。

先生は、「うん、たしかにここになにかあるのが写っています。」と説明。次に来るのは、コレが悪いものか、悪くないものか、の説明のはずです。なのに、先生は言いました。「で、、どうします???」と。

「どうします???」とは??????

私に聞かれているようですが、私が選択肢を決められるようなものではないはずで、私はプチパニックになりましたが、なんとか「どうします、って、えっと、私はガンを心配しているのですが、、、これがガンである確率はどんなもんなのですか?」と問いました。

先生は笑いながら、「うーん可能性ですか。形としてはくりっと丸くて、ガンじゃないように見えなくもないけど、丸いガンもありますからなんとも言えません。取らないとわからないね」と答えました。コイツ、患者の気持ちがわからないんか!?と若干イラっとしたのを抑えつつ、「取らないとわからないなら、取って調べてほしいです」とお願いしました。

そうして組織診をすることになりますが、考えていたより組織診は結構大事でした。針をさすとは言うものの、その針はそこそこ太いようで、麻酔が必要。更にエコーでガイドしながら刺すため、処置室には看護婦さん2名、放射線科の先生1名、そして外科の先生の4人体制で行われました。私自身は顔の上にカバーされてイマイチよくわからない状態で進みましたが、普通に血が出る感じの事態だッタと思います。麻酔が痛いかもと言われていましたが、刺しどころがよかったのか、麻酔も全く痛くなかったし、麻酔が切れてからもほとんど痛くなりませんでした。

再度診察室に戻り、エコーガイド下で狙った箇所を取れましたよという写真を見せてもらい、この日は帰宅。組織診含む診察台は25000円強でした。財布が痛い。

家に帰ってからは、「どうします???」発言はどうかと思いつつ、ひと目でこれはガンだとわかる状況でもないのだな、と状況を整理し、少し落ち着きました。ただ、取ってみたらガンだったよねのパターンもまだ捨てきれないため、引き続きピエンピエンしながら日々を過ごしました。

ついでに医師がボンクラなんじゃないかと疑い、医師についても調べてみましたが・・・なんと院長でした。病床が200床以上あるそこそこの病院で、あのジジイは院長なんだ・・・とびっくり。しかもたまたまでしたが乳腺外科を専門とするジジイでした。ジジイ見直したぜ。

要経過観察となる

組織診の結果、現時点ではがん細胞は認められず、乳腺症(硬化腺症)との診断になりました。ただしごく初期のガンであって組織診では取れなかった可能性もゼロではないため、半年後の経過観察ということになりました。

次の検査でガンという診断になる可能性があることは怖くもありますが、そうなったとしても半年の差分ということになります。これはちょっと心の支えになるなと思いました。これまで乳がん検診を受けてこなくて、初の検診でひっかかってしまったため、いつからこのしこりがあったのかがわからず、それゆえガンがすごく進行しているんじゃないかとも心配で仕方なかったのです。

検診の大事さを思い知った1ヶ月でした。来年からは人間ドックでしっかり検査を受けていこうと思いました。

最後に

長くなってしまいましたが、私の乳がん疑惑記録は以上になります。

ネットを調べていると、検査にひっかかってガン診断となった人の記録のほうが多く見つかります。その後の闘病も含めての記録を残そうと思うからでしょう。ガンではないとの結果の人は、そこでホッとして記録にしようとは思わないのかもしれない。たまにそういう人のブログを見ると、私のような最悪ケース想定女もかなり心強く感じました。

ここにたどり着く方は、何かしらのきっかけがあってたどり着いたのでしょう。そんな方に、この記録がなにかのたすけになったら嬉しいです。

また、要経過観察の経過も、残していきたいと思います。

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