見出し画像

「好きなものを仕事にする」恐怖

こんにちは。なおきです。
さゆりさんと2人で海外や国内をめぐる旅をしています。

旅が終わったら、どこに住んでどんな仕事をしようか、というのを2人でよく話します。仕事を辞めて旅にでたものの、ノマドワーカーになりたいわけでもなく、いつかはどこかに定住したいと思っています。どうせなら、好きなことを仕事にしたいとも思っています。

僕は何を仕事にできるほど好きなんだろう、と悩んでしまうテーマです。船はまあまあ好きでした。海も空も好きです。海外に行くのもとてもワクワクします。でも、船乗りという仕事は辞めました。仕事に好きなものが含まれているからってその仕事を一生続けられるかどうかは別ってわけです。

僕が今、心の底から大好きと叫ぶことができるものは、考える限りありません。(もの、ですよ。念のため)旅ですら、1人だったら続けるかどうか怪しい。たまに気分が落ち込んだら、何も楽しくなくなってこの世から消え去りたいと思うこともあります。好きなものしか仕事にできない、続かないなら、好きなものがない僕は何をすればいいんだろう。

旅をしている間は、定職にはつきません。少なくとも、1年以上続ける前提の仕事はないわけです。なので、この問題は先延ばしにできます。短期で働くなら、別にお金が手に入ればいい。欲を出せば、勉強ができたり、温泉に入れたりしたらもっといい。しんどくっても数ヶ月で終わりますし。

書くことは、好きなのか

答えはいいえ。だと思います。noteに毎日書くことは、目標として設定したからできていることで、自分から進んでやりたいとは思いません。例えて言えば、ダイエットのためのランニングみたいなものです。でも、やっているうちに好きになることもあるのかな。

そもそも好きってなんなんでしょうね。何も考えなくともやってしまうこと。思わず手にとってしまうもの。それがないとどうしようもなくなるもの。会いたくて、居ても立っても居られなくなること。好き、か。

1 心がひかれること。気に入ること。また、そのさま。「好きな人」「好きな道に進む」⇔嫌い。
2 片寄ってそのことを好むさま。物好き。また、特に、好色。色好み。「幹事を買って出るなんて、君も好きだねえ」「好き者」
3 自分の思うままに振る舞うこと。また、そのさま。「好きなだけ遊ぶ」「どうとも好きにしなさい」
(goo辞書より)

今の「好き」の文脈は1になるんでしょうね。心がひかれること、ですか。

好きなことが仕事になりやすい人、なりにくい人

例えば、カメラが好きな人。好きなものを突き詰めればカメラマンになれそうな気がしますね。動物が好きな人は、獣医さんや、ペットショップか。コーヒーが好きな人はカフェ店員あるいはお店を開いちゃうか。電車が好きな人は運転手。

では、よくわからないものを中途半端に好きになってしまった人はどうなってしまうんだろう。例えば、ぬるい潮風を浴びながら海岸でダラダラするのが好きだとか。音楽が好きで歌えるようになりたいけど、音痴で練習嫌いとか。

仕事になりそうもないし、努力するわけでもないから、救いようもない。

好きになりたくないだけじゃないか

書いてて気づいた。この投稿とおなじだ。

「好きなものがない」じゃなくて、「好きって言うのが怖い」

僕はコーヒーをよく飲む。さゆりさんと豆を買って、ポータブルのミルでわざわざ挽いて、ドリップで淹れて飲む。好きじゃなきゃこんなことをしない。
でも、コーヒーを仕事にするのは怖い。僕の淹れたコーヒーを美味しくないと言われたらどうしよう。淹れ方にはそんなに自信がある方ではないし、豆の産地や種類には詳しくない。こんなんでコーヒー好きを語って恥をかきたくないな。コーヒーはそんなに好きじゃないって言っておこう。仕事にするのも辞めておこう。

好きなものを努力して究めようとした時に、「それ、何の意味があるの?」と言われた記憶。その努力は、金になるのか。仕事の役に立つのか。人から格好いいと思われるか。モテるのか。

一つもわからない。ああ、ただ心が惹かれるという理由で、行動を起こすのが怖い。自分の人生に変化を起こすのが怖い。人からどう思われるかわからなくて怖い。だったら、何もしないでおこう。今のままなら、何も怖がらなくてすむから。

臆病な心が抱いた恐怖心が、好きなものに蓋をして鍵をかけているような、そんな光景が目に浮かびました。

好きなことを仕事にしている人たちって、この恐怖に打ち勝つ、すごく大きな勇気と強さを持っているんだなって思います。尊敬。
今はまだ旅の途中だから、少しずつでいいから、怯える心を勇気づけて、鍵を開けていきたいと思います。自分を編み上げる「好き」を大きく育てていけるように。

なおき

読んでくださって、本当にありがとうございました。