人生の旅の途中で出会った、二人目の母。
今日は、管理人さんにもうすぐ引っ越すことを伝えてきた。
管理人さんといっても、今の住まいの管理人さん、ではなく。以前、関西に来て初めて住んだ、マンションの管理人さん、のこと。管理人さんも同じマンションに住んでいる物件だった。
関西の、本当に数少ないお知り合いのひとり。関西で一番お世話になった方、ともいえる。今の住まいから歩いて行ける距離ではあるから、今の住まいに引っ越ししてからも、お会いしてはいたんだけど。
正直、引っ越すことを伝えるのもつらかった。
あまりにもつらくて、結構引き伸ばしてた。絶対泣くしなぁ…私。案の定、泣いたけど。なんなら、今も泣きながらこれを書いてる。
お家賃払うのが大変になってしまって、他にも理由はあって、管理人さんのマンションからは退去したんだけど、管理人さんに出会えて本当によかったと思っている。
管理人さんは私の母と同じくらいの歳の女性。芯のしっかりした、それでいて品のあるご婦人、といった感じだろうか。昔からこの土地にお住まいらしい。
マンションのエントランスには、いつもお花が生けてあった。仕事から疲れて帰ってきても、そのお花に癒されてた。マンション内ですれ違ったときも、世間話程度だけど、ひとことふたことお話しして。住んでいて困ったことがあっても、お電話したらすぐに駆けつけてきてくれて。少し大きな地震や台風があったときにも、各部屋のライフラインに問題がないか、回ってくださってたり。
私はそのマンションに住んでいたときに、入院しているんだけど(アトピー性皮膚炎の治療をするプログラム入院)、2週間は部屋を空けるので、一応管理会社を通して連絡して。2週間後帰ってきたら、「退院祝いに!」と、ご自分で炊かれたお赤飯を持ってきてくださって(管理人さんには入院という事実しか伝わっていなくて、無駄に心配させてしまったらしい)。それはとてもとても、美味しかった。
退去したあとのことだけど、たまたまマンションに立ち寄ったときに、炊き込みご飯くださったこともあった。退去しているけれど、「『遠くの親戚より近くの他人』ですから、いつでも来てくださいね」って言ってくださって、いきなり訪問しても、いろいろお話に付き合ってくださった。
その他にもエピソードがあるのだけど、今は書けないかな。ちょっとしたピンチだったんだけど、そのときも管理人さんには大いに助けてもらった。
管理人なんだから、当たり前のことをしてるだけだ、と人によっては思うかもしれない。でもね、私は本当に嬉しかった。そういう心遣いが、本当に。
関西には身寄りもいなくて、本当に不安で。でも、本当につらいときは、「管理人さんがいる。お話し聞いてくれる人がいる」って。そう思えた。管理人さんは、関西での私の母だった。そういう心の拠り所になってくださっただけでも、私にとってどれだけありがたかったことか。
今回も引っ越しのことを伝えると、「(少し遠くに住んでる)娘夫妻に会いにいったときにでも、ついでに(今度私が住むところに)寄れるわね」って。私は「いつでも、ウェルカムですよ!」って言いながら、やっぱり泣いた。
嬉しい。
嬉しい。
嬉しい!
いいんだ、それがお付き合いで言ってるだけだったとしても。そう言ってもらえただけで、「私はどれだけ幸せ者だろう」って、思えたから。
こうして、ひとつひとつ生きていくたびに、忘れられないことは積み重なっていくのだ。
最後、ここを離れる前にもごあいさつに行こう。温かな気持ちをくださって、ありがとうございます。絶対、管理人さんのこと、一生忘れません。
ちなみに、どうやら私は晩婚であった管理人さんの娘さんとも歳が近く、境遇が少し似ていたようで。「なにかあったら(いい人見つけたら)連絡してくださいよ!」とも言われた(笑)はい、それは必ず、連絡差し上げようと思います。いつかは分かりませんが。本当に、この引っ越しがいい意味での、転機だといいんですけど。
ま、まだまだ人生は長いか。少しずつ歩いていこう。私と一緒に歩いてくださる方はどこにいらっしゃるか、まださっぱり分からないけど、ね。
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