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まだ数年しか生きていないんだよね

子ども達がどんどん大きくなるにつれ、どこか「こども」だということを忘れそうになることがある。

いや、もちろん子どもは子どもだし、大人だと思って見ているなんてことはないのだけど。それでもどこか、「もう、ずいぶん大きくなったのだから」という目で見ることが増えた。

もう大きくなったのだから、これくらいわかるだろう。
もう大きくなったのだから、こんな失敗はしないだろう。

確かに彼らはできることもだいぶ増え、その代わりにおかしな失敗はだいぶ減った。ほんの数年前の写真を見返してみれば、満足にコップもスプーンも持てない、ご飯を食べるときはそこらじゅうを汚しまくっていたわけで。あの頃と比べると、一人で箸を持ってきれいに食べられる、もうすっかり一人前――そんなふうに見てしまう。

でも考えてみたら、彼らはまだ、たかだか数年しか生きていないのだ。息子は8年、娘は6年だ。わからないことだって失敗だって、山ほどあるし、それが普通なんじゃないか、と。

実際、3倍以上長く生きているわたしだって、いまだに世の中はわからないことだらけだし、取るに足らない失敗ばかりやらかしているじゃないか。

いつまでも赤ちゃん扱いするわけじゃないけれど、必要以上に一人前扱いするのも考えものだな、と。些末なことで腹を立ててしまったことに反省する、そんな夜でした。

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