サッカーとの出会い【後編】
つづき。
中学生になってますますサッカー熱が高まっていったのですが、女子サッカー部は無かったし、パワーの差を考えると危険ということでサッカー部への入部は認めてもらえませんでした。
でもどうしても諦めきれず、3年生になって先輩がいなくなったことを機に、再びサッカー部の顧問の先生に直談判。
『女子サッカー部がある高校に入るために、基礎だけでも教えてください』とお願いすると、数日後に
・あくまでも所属しているバドミントン部が優先
・バドミントン部の活動が無い日だけサッカー部の練習に参加を許可
・1年生と一緒に基礎練習からスタート
・バドミントンでの成績によっては白紙に戻す
という条件付きでサッカー部の練習参加が認められました。
スポーツ全般が得意だったこと、特に長距離短距離ともに走ることが得意だったことが後押しになったようです。
案の定、女の子たちには陰口を言われたりもしたけれど、仲の良い友達は私がどれだけサッカーが好きか理解してくれていたし、お付き合いしていたサッカー部員の彼もうまく線引きをしてくれたので自分の目標に邁進することができました。
同級生にある競技の強化指定選手になっていた女の子がいて、その子は大会で欠席したり海外に行ったりしていてちょっと孤高の存在という感じだったのですが、私が目標に向かって動き出した姿を見てよく話しかけてくれるようになり、彼女が話してくれた競技に向き合う姿勢やトレーニング方法等に支えられる事も多々ありました。
(後に彼女とは同じ高校に進学することになります)
夏になり、バドミントン部を引退後もサッカー部の練習参加は継続が認められましたが、その際には学業の成績によっては白紙に戻すという条件がつけられ、なかなかハードな毎日。
ただ、そんな私をずっと応援してくれていた英語の先生が一緒に女子サッカー部がある高校を探してくれて、男子サッカーの強豪校にも女子サッカー部を作る予定があるか問い合わせてくれたりもしてずいぶんお世話になりました。
当時東京都の高校の女子サッカーには1部・2部があり、1部は2強を新進の3校が追っている状況で、まずはその5校に照準を当てました。
5校のうち2校は都立高校で、当時は学区制で受験ができず断念。(越境するにはその時点で実績が無いと難しかった)
3校のうち1校は超進学校、1校は進学校、1校は進学コースと平均的な普通科がある高校で、まず超進学校は除外。
残った2校は結局2強の学校で、まずはサッカー部の練習見学と試合観戦へ。
その雰囲気を考慮しつつ学業面のことも考えて先生と相談し、比較して自宅から近く、在学中にコース変更が可能な高校を志望校に決めました。
その高校はいくつかの競技が全国大会レベルに達していてスポーツ施設が充実していたことと、学校が更なる強化をしようとしていた部活動のひとつがサッカー部だった事も大きな決め手になりました。
また、サッカー部の雰囲気は志望校にした方は比較的和やかで、もう1校はTHE体育会系という雰囲気だったことも大きく影響したと思います。
私立校だったので主に学費の面で両親にも相談が必要でしたが、部活の用具は自分の貯金から買う事とお弁当は自分で作ることを条件に了承してもらい、心配事は全てクリアに。
その後、推薦で受験できることになり、学力を把握するためのペーパーテストと小論文、通常の面接の後にサッカー部の監督との面談を経て無事合格。
ようやく本当のスタートラインに立てたような、爽快な気持ちでした。