石炭火力に迫る終幕 電力支えた130年の歴史と今
石炭火力発電所がなくなっていく。
アンモニアを混ぜて燃やすなどの実証がうまくいき、
既存のインフラを一部利用可能性はある。
電気をこまめに消す、そして冷暖房を使わないぞ!
国内初の石炭火力発電所が設置されたのは87年だった。東京電灯(東京電力の前身)が日本橋茅場町に第2電灯局(発電所)を開業し、付近の東京郵便局などに電力を供給した。電圧が低く送電可能な範囲は半径数キロ。発電量はわずか白熱電球1600個分だったという。
日本政府は20年7月、低効率な石炭火力発電所に関して、30年までに段階的に休廃止する方針を示した。全国にある約150基のうち、約100基が対象となる見通しだ。梶山弘志経済産業相は「非効率な石炭火力は多くのCO2を排出する。資源のない国なりにしっかり考えながら、再エネも入れたベストミックス(最適な電源構成)の議論を進めていく」と強調する。
東電と中部電力が共同出資するJERAは6月、石炭火力発電所でアンモニアを混ぜて燃やす実証実験を始めた。愛知県碧南市の碧南火力発電所4号機(出力100万キロワット)で24年度に20%混焼、40年代には100%専焼を目指す。大型商用炉での本格的な混焼試験は世界初という。
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