見出し画像

おにぎりは焼き海苔派

大人になってまだ変われるものいったら体重と味覚くらいしかないのではと思う。

仕事終わり、ぐったりとした体でを引きずり、存在こそ知っていたが毎日通り過ぎていた居酒屋に入ってみる。
ため口で話しかける店員さんに面を食らいながらも、何とか着席。真っ先に秋刀魚の塩焼きが目に入り注文。
お通しのナスとハイボールで秋を待つ。

変わらずの美味しさに加えて、内臓部分の苦味も美味しく感じることに驚く。
こそぎ落として食べていた頃が懐かしい。

大人になった自分にむふふと浸りながら初めてカボスを絞ってみる。
美味しい。

調子に乗って付け合わせのはじかみもちょいと齧ってみる。
美味しくない。これは伸び代みたい。


最後にお米で締めたくなり、おにぎりを頼むと大ぶりのおにぎりに小さな海苔がくっついて出てきた。
味海苔だ。
そうだ、ここは大阪だったのだと、毎日住んでいるはずなのに地域差を実感する。
いささか柔らかすぎる炊き具合のおにぎりを食べ進めると、いつもおにぎりを握ってくれた母親と、ご飯の炊き具合に厳しかった父親を思い出す。

おにぎりは焼き海苔派。そしてご飯は固め。
3合に2.5合分のお水の分量がちょうどいいのだ、と故郷に想いを馳せるそんな秋の夜。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?