SpatialChat(スペチャ)の可能性

SpatialChat(スペチャ)なるツールがあり、それを使った実験をする書き込みを見つけました。

これは面白そうだと思い参加してみました。その時の感想を書こうかなと思います。

時間になるとURLが送られてきて、そのURLをクリックすることで会場に入りました。特にIDやパスワードの設定は必要ありません。URLを共有すれば誰でも入れるようです。

その会場には、主催者がYouTubeの動画を貼り付けた場所が3カ所あり、その周囲には10個ほどのアイコンが存在していました。それらのアイコンは参加者の一人一人。カメラをオンにすると顔が、オフにすると名前の1文字目が現れます。それらに自分のアイコンを近づけるとスピーカーから出力される声が大きくなり、逆に離れていくと声が小さくなっていきます。動画に対しても同様で近づきすぎると動画の音しか聞こえない。距離という概念を取り入れたチャットツールとしてなかなか面白いものだなぁと思いました。

でも、しばらく使っているとなかなか怖いなぁと。アイコンは画面上に存在する。お互いの距離が一目瞭然なのです。なので、あるアイコンが離れていく、近づいてくるというものが目に見えてしまうわけです。少し距離を取って聞いている人がいるとそれが丸見えなのです。また、盛り上がっている人々も一人でいる人も丸見えなのです。これは思っていた以上にハードルが高い。集まっている人々は関心があるからその場所にいるのに全体の関係性を俯瞰して示してしまっている。そのため余計に会話に入りづらい。この聞いていると話しているという関係をもう少し整理する必要があるのではないかと参加してみて思いました。

さて、どんなものが考えられるかというと、こんなものはどうでしょうか。

1.しゃべり場

話を聴きやすくするために、話す場所、聴く場所を明確に分ければよいかなぁと。まずはリングみたいなものを複数用意する。最初にリングに上がる人はテーマを記した画像をそのリングの上に貼り付ける。そのテーマについて語りたい人はリングに乗って語り、そのテーマについて聴きたい人はリングの周囲に佇むことになる。そのテーマについて語りたくなったら、リング上に上がって語り、語り尽くしたなという人はリングから降りる。

リングであるならバトルロイヤルでも良いし、シングルマッチでも良いです。あと時間制限を設けるのもまた面白いですね。また、この方法を用いるのであれば、ビブリオバトルみたいなこともできるのではないかなぁと。Zoomなどでもできるのかもしれないのですが、スペチャは画面に人がいることを目で感じられるので観客を認識することにもなる。その辺が違うかなと。

2.オンライン演劇

スペチャの最大の特徴は参加している人々をアイコンの形で目視できること。そのアイコンはマウスで動かすことができます。つまりはそのアイコンの動作を演出することが可能なわけです。スペースに舞台を作成し、その舞台上にあるアイコンをしゃべりながら動かしていくということで物語を作ることが可能になる。マイクにDAWとか繋げば効果音や音楽を鳴らすことも可能ではないでしょうか。ラジオドラマが成立するのなら、これも十分に成立するのではないかなと。

3.オンラインインプロビゼーション

スペチャはYouTubeの動画を貼り付けることができます。例えばAとBというダンサーが同時にYouTubeでLive配信を始めたとします。そしてそれらの配信をスペチャ上に貼り付けます。Aの配信の動きに合わせてBが違う動きをし、さらにBの動きに合わせてAの動きが変わっていく。YouTube上では単独の動きだけれど、スペチャ上ではライブ的な動きが生まれている。AとBに触発されてCが現れてもかまわない。そんな感じであれば、かなり面白いことになるのではないかなぁと思うのです。

スペチャを使った何かはまだまだできそうなので、もっと色んな人から案が出ると面白いなぁと思うのです。


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