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発達障害児の育児と孤独②Active bystander(行動する傍観者)

ひと月前。Twitterで藤沢駅にて、おそらく自閉の青年が線路に降り、それをお母さんがハグして落ち着かせようとするけれど、体格差で制御できない…という動画が投稿されていました。

このお母さんの気持ちを考えると胸がえぐられると同時に、発達障害児の育児で私を苦しめるひとつに、この、世間の白い目があるかと思います。

年齢とともに秘儀「気にしない」を習得しましたが、その人数が多くなると、さすがにひるみます。ネットリンチによる悲しい事件が後を絶たない昨今、数の力を個人の「気にしない」で解決させるには不十分なことはご承知のことと思います。

時に、このtweet内でActive bystander(行動する傍観者)という言葉を知りました。

Active bystander(行動する傍観者)
ハラスメントや様々な暴力や差別が起きたとき、その場に居合わせた第三者が被害者を軽減するために、状況に応じてできる行動をする人のこと

佐賀県HP 人権・同和対策課/人権啓発センターさが

これに則り、藤沢駅の件で行動するならば。

誹謗中傷する人たちと衝突することでもなく、
信頼関係のない障害当事者の救出に首を突っ込むことでもなく、
自分の無理のない範囲で、
相手の状況と意思を見極めつつ、
『味方であることを表明する』といったところでしょうか。

世の苦しみは、発達障害だけではないけれど、自分が経験し想像の届く範囲で孤立する人に対し、連帯を示すのなら私にもできそう。
過去の私を一人にさせないためにも、そうありたい。


あれから息子も成長し、常同行動は家だけになり、今日など、一人で大学のオープンキャンパスに出かけています。
こっそり携帯のGPSで居場所を確認すると、キャンパス脇のマックにいる。出掛け際に息子へマックの商品券を渡したら、「初めてマック行く…!」と目を輝かせていたしな、と。帰宅した息子に知らぬ顔でお昼は何を食べたか問うと、何も食べていないという。見ると商品券は手つかず。事情を聞きたいが、元より話すタイプではないし。

あらゆるパターンを想像し、最もしっくりきたの仮説がこちら。マック着きました、座りました、そこで息子は思う。「注文取りに来てくれないな。」

即席で作ったお稲荷さんを、無心に頬張る息子を横目で見ながら、いつかマックで食事ができた暁には、チャッと手を挙げて「シェフを呼んでくれ」と息子に言ってほしい。孤独も16年を超えると妄想が加速するという余談でございます…。

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