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あの頃「タワレコの試聴コーナー」で出会った、解散/活動休止が未だに惜しい邦ロックバンドをとにかく紹介したい

前回の記事のように、


こういう感じのひねくれたガキだったので、
「クラスのヤツが聴いていないもの」が聴きたかった。
とは言え知識も、そもそも何から得ることが出来るかも知らなかった僕にとっては、タワレコにある視聴コーナーが未知との出会いの場だった。

といっても洋楽はあまりにもわからなすぎるので、邦楽コーナーで、名前を知らないアーティストだけをたくさん聴いた。

この後紹介するものを今みると別にまぁまぁ人気なんだが(試聴コーナーにあるんだから当然である)、それでもクラスの人間や他の野球部員は聴いてないだけで十分僕にはステータスだった。今となっては本当に恥ずかしいけども。

ただそれがきっかけで心から好きになれるアーティストがたくさん増え、ずいぶんと自分の世界が豊かになったと思う。

なので当時の自意識に感謝しつつ、今回は「もう解散か活動休止してるが今もだいぶ聴いているバンド」に絞って、PVと共に紹介するからとりあえず読んで聴いてくれ、という気持ち。頼む、3つだけに絞ったから。

Jeepta

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千葉県を拠点に活動していたバンド。2010年にメジャーデビューするも2013年に無期限の活動休止。
2008年の2nd『進化論』の中の1曲目「リコール」を中学3年の時に宇都宮のタワレコで試聴して以降、活動休止まで追いかけていたのでけっこう青春を共にした感じがある。

ボーカル・ギター/ベース/ギター/ドラムの4人編成で、
いい感じにクセが強い。ボーカル石井の耳に残る強烈な声とギターchoroの超絶技巧に初めて音源を聴いた時から掴まれ、大学生になって行ったワンマン(確か渋谷のクアトロだったか)でのサトウヒロユキの骨太のベースといい人感、小笠原大吾の長髪を振り乱してめちゃくちゃな手数で叩きまくる様は非常にエロかった。(2009年までのドラム青木奈菜子も今あらためて聴くと凄くパワフルでとてもいい)。

2013年のタワレコ限定発売のアルバム2枚がなんかちょっとテイスト違ったのでなんとなく嫌な予感してたら休止発表があり、こういうのって当たるんだなとものすごくショックだったのを覚えている。

今も「活動休止」状態で、本当に思い出したように地元稲毛で復活してくれてるけど、日程がどうしても合わずに観に行けて無くてとてもツラい。絶対また観たい。

個人的には作品だと2nd「進化論」メジャー2枚目の「リードオフマン」がお気に入り。
3曲ほどカラオケに入っていて、一人カラオケで熱唱する「グリム」が採点で一番高得点出せる。

youtube以外、デジタルで音源は聴けないのでAmazonのリンクを貼っておく。
進化論 ●リードオフマン


KAREN

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僕の凡庸な価値観に風穴を空けてくれた凄く大きな存在のバンドなので、
本当に僕はもっと色んな人にKARENというバンドが存在したことを知ってほしいと思っていることをまず主張していきたい。

アチコ、木下理樹(ART-SCHOOL)、 戸高賢史(ART-SCHOOL)、仲俣和宏(downy)、秋山隆彦(downy)という、とんでもない編成のバンド。
(とは言いつつ、その後聴きまくって今は両方と本当に大好きだが、恥ずかしながら当時ART-SCHOOLもdownyも知らなかった。)
2005年から2010年いっぱいまでの活動で、2枚のアルバムを世に出している。

まずこの2枚のCDのアートワークが最高だ。

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確か渋谷のタワレコでまずこのジャケットが目に止まり、2枚目の「sunday girl in silence」を試聴して、1曲目の「ENEMY」の変調に当時高1の僕は呆気に取られてしまってそのまま2枚とも買った。

その圧倒的な創造性と技術から生まれる瑞々しさと遊び心に本当に夢中になってめちゃくちゃ聴いた。演奏も歌声もそうだが、アチコが担当する歌詞が本当に魅力的だ。
とりあえずPVを観てくれ。

ART-SCHOOLとdownyをきちんと聴いた後にKARENを聴くと「この2バンドの夢のいいとこどり+アチコという才能」という感動がまたあるのだが、まっさらな状態で聴いた時の感動と衝撃を未だに忘れることができない。

そのせいか、自分の劇団で演出をする時、OPやラストで使う音楽を劇団員に依頼して作ってもらうのだが、「こんな感じのイメージで」と渡す音源は圧倒的にKARENが多い。

残念ながら一度も生で観たことが無いまま解散になってしまったが、
あれから10年経った今でも、願いが叶うなら一度でいいから生で聴いてみたい、と心から思っている。

ちなみに解散後は、アチコとギターの戸高賢史によるユニット「Ropes 」が活動を今も続けており、こちらも最高なので絶対に聴いてくれ。


LIVEもいいぞ。過去5回くらいは行ってるが、中でも青山「月見ル君想フ」で2015年のGWで観たおとぎ話との「パラシュートセッション」の多幸感は本当に最高だった。

ライブレポート→ http://www.moonromantic.com/?p=26833

ここまで書いて引用ページを探している最中に、先月ほぼ同じことを書いている音楽ライターさんがいてすっごい嬉しくなってしまったし、
コチラのほうが簡潔に魅力を伝えてくれてるのでこちらも読んでください。

「KARENというバンドがいたことを知ってほしい」
https://musit.net/music/band/4475/

0.8秒と衝撃。

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公式サイト http://syooogeki.com/

塔山忠臣とJ.M.からなる男女ツインボーカルのバンドで、2009年にデビューし、2017年に活動を終了。通称ハチゲキ。
2人のユニットだが、有島コレスケ(Dr.)野菜くん(Ba.)、ユータテレキャスター(Gt.)、クッキー(Gt./Syn.)の4人がライブメンバーとして加わって活動していた。
(ドレスコーズのサポートも行う有島コレスケのソロプロジェクト「arco lemming」も「うわぁ、天才…」という気持ちに浸れるのでおすすめです。)

オルタナティヴロックをベースに、本当に多彩な楽曲を制作していた。
出会いは高2から高3に上がる春休み、野球部の練習が3.11の影響で一瞬休みになってた時に吉祥寺のタワレコで出会った「町蔵・町子・破壊」。
今HP見たら「限定2,000枚シングル」だったらしく、けっこう運命の出会いをしていた。

塔山曰く「とにかくPOPネスというものに対して嫌気がさして書いた」というこれも当時の僕には相当衝撃の楽曲だった


その後もかなり精力的に作品を発表していて、今確認したら出会った頃には廃盤になってた1st single以外の8枚は全部手元にある。
大学に入って一人暮らしになり、アングラ演劇を始めたり一気にサブカルに傾倒した辺りに常にそばにいた感じなので、今でもかなりそれぞれの楽曲を覚えているし良く聴いてる。
なんなら今でも役者として出る舞台の本番前のテンション上げは「NEW GERMAN WAVE 4」内の「Mad Drumming 4」だ。

音源もそうだし、何回も行ったLIVEがめちゃくちゃ楽しかったし、
あと生で観たJ.Mが本当に信じられないくらい美人だったのも凄い覚えている。
活動終了間際に行った渋谷クアトロ(なんかクアトロばっか行ってたな当時)のLIVEの動員が何かあんまり良くなくて、塔山がフロアに下りて踊り狂ってるのを観て「塔山さんが踊り狂えるくらい空いてるのはおかしいよ!!観に来いよ!!!」と一人で行ったので自身の中だけで叫んでいた。
ちょうど社会人1年目で活動終了したので、青春の終わりを勝手に重ねずにはいられなかった。

そんな二人だが、2019年よりは「////虹////」というユニット名で再始動している。
Twitterアカウントも「0.8秒と衝撃。」時代のまま引き継いでるので、凄く嬉しかった。音源もハチゲキ時代を引き継ぎつつ、文学を感じるテクノサウンドでとてもワクワクする。「検索が全くひっかからないバンド名」というところもなんだからしいな、と凄く思う。
(こちら側の問題として)「ハチゲキ」時代のあのときめきを感じることはもうできないが、続けてくれるのが本当に何よりだ。


他にも色々とあるけれど

好きなもの、個人的な感情が乗っけられるものに対しては、
本当に書いてて楽しくて延々とやれちゃいそうだし、当初は「のあのわ」「Kidori Kidori (キドリキドリ)」「FLiP」辺りまで書くつもりだったが、既に3500文字を越えようかというところなので、ここらで一旦止めておく。3つだけだから、とりあえず試しに聴いてほしい。ぜひ。

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