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花陽浴
海老原商店は花陽浴が飲める店です。日本酒ファンのなかでは「花陽浴」は「入手困難」なプレミア酒として重宝されています。ただ、意外なもので、埼玉県民の認知度は低いです。十四代や而今を知っていても、花陽浴を知らない人もけっこういます。
私が認識する限り、埼玉で一番入手困難な地酒が「花陽浴」だと思います。この花陽浴という美味しい日本酒を作っているのが「南陽醸造」です。埼玉県北部、羽生市にある酒蔵です。
創業者は須永亀吉氏。お隣、古河で酒造りを学んで羽生で独立。Googleで検索しても、この情報しか出てきません。その意味で、南陽醸造の歴史、これまでどんな日本酒をつくっていたのか、花陽浴ができたのはいつなのか?この点の情報はネットではほとんど収集できません。
わかっていることは、家族経営、そして手作りに拘っているという点。代表取締悪は何と4人。須永夫婦と渡辺夫婦、渡辺が姉夫婦との事。大きく商売を広げることもなく、自分たちの出来る範囲で最高の日本酒造りをしよう、という意思が見え隠れします。獺祭のような野心も素敵ですが、あえて広げずに自分たちが制御できる範囲で日本酒をつくる戦略も素敵だと思います。
さて、今回海老原商店から投入する日本酒は2つ。
花陽浴 純米大吟醸 美山錦仕込み おりがらみ
花陽浴 純米大吟醸 美山錦仕込み おりがらみなし
美山錦で仕込んだ日本酒でおりがらみあり、となし、の2種類です。もろみを絞った直後は、おりが混ざっていて、これが少し白濁した日本酒になり、より米の旨味を感じることができます。おりなし、の場合はスッキリした味わいになると思います。大人気、電照菊でもおりがらみのレッド、無濾過のイエロー、好みが分かれるところです。
美山錦は長野県が生産量でトップです。おそらく埼玉では美山錦は作れない(温暖な気候には不向き)ので、長野県産でしょう。美山錦の酒米は、基本的にはフルーティーな味わいになる傾向が強いです。今回の花陽浴に関しても、いわゆるパイナップルみたいな日本酒として楽しむことができると思います。
さあ、この2種類の飲み比べができるお店はそう多くはないはず。是非、この機会に海老原商店をご利用ください。
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