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4月から始める貸し農園のこと

 コロナによって世の中が激変して以来、私は「この世に確かなものは何もない」と思うようになりました。通うのが当たり前だった会社や学校だってリモートワークやオンライン授業が可能、ということになれば、世界のどこに住もうがWi-FiさえあればOKですし、学校に行かずとも必要なことを学び、自分にしかできない「何か」を構築し、ネットを使って発信すれば自分の食いぶちくらい稼げるかもしれません。また、最近の地震の多さ、ロシアとウクライナの、二つの国にとどまらない紛争などを見ていると、冷夏になってお米が取れなくなるとか、流通が止まって食料が輸入されなくなる、ということも起こるかもしれません。そんなあやふやな世界の中で、私が一番引け目に感じていたことは「私には食べ物を手に入れる術がない」ということでした。お米を作っている友だちもいないし、釣りや狩りもできないし、畑を持っているわけでもありません。

 私が愛してやまない朝ドラ『カーネーション』では、第二次世界大戦の終わり頃、主人公小原糸子がナレーションで「この頃はもう食べ物は自分らで手に入れる時代になりました」と語ります。また、昆虫食が新聞に紹介されて、縫い子さんたちは「きゃー!」と悲鳴を上げながらイナゴの調理法を聞きます。もしも急に「食べ物を自分らで手に入れる時代」になったらどうすればいいのか?今まさに、昆虫食は将来の食糧難に備える手立てとして注目を集めているではないか?このままでは将来いろいろまずい、なんとか自給自足の手立てを見つけなくては、と内心焦っていたのでした。

 そんなある日、テーブルの上に「貸し農園」のチラシが置かれていました。ポストに投函されていたのです。場所はなんと家から自転車で5分ばかりのところです。区画面積は12㎡で決して大きくはありませんが、きゅうり、ミニトマト、お茄子くらいならできるかもしれないし、お米がとれなければじゃがいもかサツマイモを植えれば大丈夫!これだ!と思いました。

 早速電話をかけて申し込み用紙を送ってもらい、土作りについてもいろいろと調べました。とにかくミミズのたくさんいるフカフカの土を作れば大丈夫!ということで、肥料についても調査しました。

 そして、その農園が本日オープン、土日は見学会、苗についてもくわしく教えてくれるし、販売もある、ということで日曜日の朝一番に見学会の予約を入れました。水やりは週に一度、道具は貸してくれるし水道も農園のそばにある、ということで、開拓地に移住した人々に比べれば天国のような環境です。これはもうやるしかない!と心を漲らせている月初めなのでした。

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