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ちょっと社会っぽいこと

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2020年6月の記事一覧

内田樹「コロナ後の世界」について

 4月22日、『月刊日本』に内田樹氏のロングインタビューが掲載された*。優れた論考はしばしば予言を含むことがある。発表から2カ月あまり、形だけはかなり平常を取り戻したように見える今、この記事に書かれていることをきちんと読んでおきたい。

 この論で個人的に読むべきだと感じたのは、内田氏の民主主義のとらえ方である。インタビューの冒頭で、内田氏は民主主義と独裁を対立させ、コロナを押さえ込むには独裁国家

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子ども本の森 中之島

子ども本の森 中之島 がいよいよ7月5日に開館!というニュースを見た(https://twitter.com/Osaka_Tabilog/status/1275262301843722241)。壁一面に本が整然と並べられ、四角い箱のような書棚がとても美しかった。などと思うはずもなく、第一印象は「設計した人、絶対に本が嫌いよね」ということだった。棚を細かく区切り、その一つ一つに本を一冊、表紙をこちら

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若者と「批判するということ」

 「なぜ若者は、それでも『安倍晋三』を支持するのか」という記事を読んだ(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73403)。誰が誰を支持しようがもちろん自由なのだが、その理由の一つに、私は少し恐ろしいものを感じた。せっかくなのでここで考えをまとめておきたい。

 コロナ禍による自粛で国会を見る機会がぐっと増えた人も多いことだろう(私もその一人である)。また、打つ

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誹謗中傷と批判について

 少し前の話題になるが、テラスハウスという番組での言動を誹謗された若きプロレスラーが自ら命を絶った。その時に、誹謗中傷についてあれこれ意見が述べられ、その中に「誹謗中傷はいけないと言っている人たちが首相のことは誹謗中傷する」という意見があり、また相次ぐ政策批判を受けての「首相には批判ではなくお疲れさまを言いましょう」というような「ゆるふわ」な呼びかけが共感を呼んだりしていた。私はそこに言いようのな

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「コロナ後の世界を語る」を真似て

 せっかくnote を始めたので、毎日何かを書くことにした(3週間続けてみる)。今日は新聞連載の真似をして「コロナ後の世界を語る」。

 今回のコロナ禍で一番感じたことは「いらないものはいらない」。手続きを進めるためにいちいち押印する手間や、「出席」することが重視される学校や職場の仕組み、みんないらない。事実、オンライン授業になって、不登校の子どもがクラスの話し合いで発言したとか、読み書きが苦手で

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