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ポケカ定量評価第4号 マリィでもエネ引ける? マリィと博士の研究の比較

はじめに

 マリィと博士の研究同時に引いたとき、あるいはジメレオンでどちらかを持ってくるとき、どちらを使うのが正解か悩むことがよくあります。もしその番に絶対に引かなければならいカードがあるならば、博士の研究を使うべきでしょう。しかしそうは思っていながらも、マリィを使って相手の手札を流しつつ、自分は欲しいカードを引きたいと欲張りたくなります。このようなときに異常にマリィを信用している友人がいるのですが、どれくらい妥当性があるのかは疑問です。
 そこで今回は、そのような「自分は欲しいカードを引きたい」場面に焦点を当てて、欲しいカードが引ける確率を計算しました。マリィで引ける確率を知っておけば、それを引けなかったときの裏目とマリィで相手の手札を流すメリットを天秤にかけやすくもなるでしょう。

1 前提条件

 状況を単純化するために、後攻1ターン目に全く山札に触っていない状態を想定します。具体的には、手札とバトルポケモンを合わせて8枚、サイドは山札と合成して自分の山札を52枚と仮定します。その状況で初手で同時に引いている博士の研究とマリィのどちらかを使用したときに、デッキにx枚あるカードを引ける確率を計算しました。せっかくなので、ついでにデデチェンジも計算しました。

2 結果と所感

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 計算結果を上の図に示しました。引きたいカードがデッキに含まれる枚数xを横軸に、引きたいカードを少なくとも1枚引ける確率を縦軸にしています。デッキに4積みのカードが引ける確率を知りたいときは横軸4の確率を、それ以上入っている基本エネルギーを引ける確率を知りたいときは、グラフの右側の方を見て枚数に対応した確率を読めばよいわけです。たとえば、エネルギーが山に10枚あるとき、博士の研究でエネを引ける確率は80%、マリィでエネを引ける確率は67%になります。4積みのポケモンいれかえと2積みのふうせんのどちらか6枚の中から引ける確率といったくくりでグラフを見ることも可能です。

 グラフを作ってみて、思っていたよりも博士の研究で引ける確率が小さく、博士の研究とマリィの差が小さいなと感じました。デッキに10枚あるエネルギーは、博士の研究を使っても8割ほどしか引けません。博士の研究であれば引けていたのにマリィでは引けなかったとなるのはその差分の13%、10回に1回ちょいの程度です。マリィを使ってエネを引けなかったとき、博士の研究を使っていたとしても別にエネは引けていなかった、なんてことは往々にしてあるわけです。

 また、4積みのカードを引ける確率は博士の研究で45%、マリィで34%となりました。どちらも信用にたる確率ではないので、引けるときもあるけどそうじゃないときもあるといったところでしょうか。4積みのカードは博士の研究でも引けたらいいよねくらいに思っていないといけなそうです。

 なお、この計算結果はあくまで前提条件が後攻1ターン目であることに注意が必要です。ゲーム後半に山が圧縮されてくると状況は変わります。そのような状況を計算しても場合わけが途方もないことになり、実用性はなさそうなので深く検討はしておりません。とはいえ計算結果が今回の前提条件の結果と劇的に変わるようなことはなさそうです。概ねデッキの欲しいカード密度(引きたいカードがデッキに含まれる枚数/デッキの残り枚数)が同じところを見ればOKです。

おわりに

 マリィと博士の研究を同時に引いたとき、実戦においてはマリィを使うと博士の研究を山に戻せるメリットなんかも考慮しながら、どちらを使うか選択することになると思います。いっぱいカードを引ける博士の研究の方が一見安定しそうですけれど、今回の結果を見るにマリィでもいい場面も結構ありそうです。マリィじゃ欲しいカードはひけませんが、博士の研究でも引けない、それがポケモンカードというものです。

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