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エジプトでパスポートを紛失してから日本に帰るまでの話⑦

2024/1/4(木) カイロ
パスポート紛失から4日目 後半

第一関門:窓口の場所は?

14時頃にアッバセイヤ入管事務所に到着したが,入管事務所は未だ営業していた。エジプトの営業時間はあてにならないのと同時に,ある意味助けられた。

この入管事務所はエジプト政府が管理しており,VISAや住民登録などの管理を主にエジプト人向けに行っている。

建物は4階建てで,日本の小学校ぐらいの広さがあり,庭先には椅子が1000脚ほど並び,多くのエジプト人でごった返している。

広すぎるゆえに,どこに申請しに行けばよいか見当がつかない。なので,スタッフと思われるエジプト人に出会うとところ構わず「I lost my passport, I want stanp!」と質問することで,6番窓口で対応していることがわかった。

しかし,6番窓口も人,人,人が押し寄せている。遠慮していたら,いつ自分の順番が来るかわからない。

もはややけくそ気味に「Please Stamp!」と突っ込んでいく。しかし,窓口の先頭に到着するも,受付のエジプト人はタバコを吹かしてどこかへ消えていく。

俺の話を聞いてくれ!と思いつつ,めげずに「I lost my passport, I want stanp!」と強めに言う。恥など知ったことではなかった,これをクリアしなければ日本に帰れないのだ。

思いが通じたのか,「これに記入して,この書類,紛失届,渡航書のコピーを取ってくれ」と書類を渡された。

第二関門:コピーおばさんとの戦い

この書類は,入国のスタンプを得るための書類で,パスポート番号や紛失した場所などを記入しなければならなかった。

書き終えて,同じフロアにあるコピー機に向かうと,おばさんが1人立って受付を担当している。

次から次にエジプト人がやってきて,そのおばさんにお金と用紙を渡して,おばさんがコピーをしていく。これも列などないようなもので,とにかく俺の用紙をコピーしてくれ!と主張しなければ,取り合ってもらえない。

何とかコピーしてもらい,お金(1枚5ポンド≒35円)を渡し,窓口に提出しようとするも,どうやらコピーしてほしい面とは逆の面がコピーされ,白紙が混ざっていることに気づく。

仕方なくおばさんのところにもう一度コピーをお願いしにいくと,「また来たかジャパニーズ」と言いたげな顔で用紙を受け取り,印刷機にセットしようとするとまた逆の面をコピーしようとしている。

「Hey! 逆!」とつい日本語が飛び出しながら注意し,何とか無事にコピーしてもらえた。コピー1つとっても,エジプトだと神経をすり減らされる。

最終関門:料金の支払い

これらのコピーと証明写真を窓口に提出すると,小さな用紙をもらい(アラビア語で解読不能),今度は後方を指差し「Bank」と言われた。

お金を支払う必要があるのかと思い,その用紙片手に「Bank」と書かれた窓口へと向かう。ここは列が出来ていて,きちんと並んで待つことができた。

10分ぐらい待つと自分の番が来たので,用紙を提出し,100エジプシャンポンドを支払う。そうすると領収書のような物をもらえ,それを再び6番窓口に提出すると,「スタンプを押す手続きをするから椅子に座って待っていろ」という。

えらく待たされるんだろうなぁと思っていると,意外と10分ぐらいで「たかーに」というアナウンスが流れ,おそらく自分?と思いながら窓口に向かうとスタンプが押された渡航書を返却された。

渡航書へのスタンプ

ついに日本に帰れる!!!と喜びが爆発した。本当にここまで長かったと思い,助けてくれたたくさんの人の顔が浮かんだ。

念のため,大使館の鈴木さんにスタンプの写真を送り,これで帰れますか?とメールすると,「おめでとうございます。帰れますよ」とお返事をいただけた。

ホッとして,長らく感じていなかったパスポートがある時の安心感が戻ってくる。手続きに時間がかかると言われていたが,奇跡的にも1日で全ての手続きを終えられることができた。

本来であれば,今日帰れなくもなかったが,エジプトの観光を全くしていなかったので,延びた二日間で最大限エジプト観光を取り戻そうと決めた。

ただ,パスポート紛失の大変さはここで終わりではなかった。

つづく

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